ある箱折りの人の話
作業場で、10人の人が、箱折りをしていました。お菓子の箱折りです。
テーブルに4人ずつ座って、箱を折っています。ある人は、目の前の人が折っている様子が気になって仕方がありません。自分より早く折るので、その人の前にはどんどん完成品が出来上がってきます。
まるで急かされているような気持ちになります。
しばらくしたら、管理人がやってきて、折った箱に不良が見つかったと全員に伝えられました。以後気をつけて折るようにとのことです。自分があの時に折った、あの箱に問題があったのかなと気になりました。
気になっているうちに、折ることが不安になってきました。また不良を作ったらどうしようと思えてきました。不安になりながら作業をしていると、スピードもどんどん遅くなり、目の前で折っている人と比べても、どんどん差が広がってきます。ますます不安になってきました。次第に、この作業を続けることが苦痛になってきました。
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誰も、急かしていません。誰も、不安にさせていません。
状況や、周りの人は自分では作れません。
自分の思いとは関係なく、人は動き、人は発言します。
だから、境界線を引くんです。相手と自分に。ここまではあなたの課題。ここからが私の課題。ここまでがあなた。ここからが私。
相手のことに深入りも、相手のことを深読みもしません。「わたし」の範囲がしっかり決まれば、自分の心は穏やかさを取り戻します。
境界線はあなたがあなたらしくいるための大切なバリアです。躊躇なく、遠慮なく、堂々と境界線を持ちましょう。
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