家族の問題について、急いで答えを出そうとしない

気持ちとの向き合い方

家族の中に大きな問題を抱えている時、すぐに答えを求めてしまう傾向がありますか?
誰だって、早く良くなってほしい、大変な状況から抜け出したい、もっと関係性を良くしたいと思うのは当たり前。でも、なかなか変わらない相手にイライラしていたら、家族関係は良くなるどころか、そのイライラや焦りが家族みんなに伝わってしまいます。

家族関係ってとっても密接なんです。同じ空間を共有する家の中というのは、外に比べたら、もう完全に密室状態です。そんな密室で、寝食を共にする家族。自分の態度や気持ちが家族に与える影響は軽視できません。

どうしてもイライラするあなたへ。「急いで答えを出そうとしない」ことを3つのポイントで伝えます。

1、すぐに答えがでないことがある

まず最初はシンプルにこれ。今、家族の依存症に苦しんでいる人、DVに苦しんでいる人、その他、うつや引きこもり・・・もしくは病名はついていないけれど、「大変な家族」に困っている人・・・

なんでそうなったかは、簡単に答えは出せません。もし、簡単に答えがでたら、精神科はいらないし、「依存」なんて言葉に苦しむこともなくなります。

確かに、ある人は、治ったかもしれない・・・でも、誰もが今日、明日に治るわけではないのです。それなのに、「すぐに答えを出そうとする」から問題が起きます。

これは結構大切なポイントです。「すぐに答えがでないから問題が起きる」のではなく、「すぐに答えが出ないことをすぐに答えを出そうとする」から、問題が起きるんです。

離婚、別居、口論、喧嘩・・・これらのものは、全部どちらかが「すぐに答えを出そうとしたか」もしくは「すぐに答えを出させようとしたか」がきっかけになっています。

振り返ってみてください。離婚、別居、口論、喧嘩・・・この発端は何でしたか?

2、家族のことで忍耐しようとしない

忍耐・・・この言葉嫌いな人も多いですね。決して響きのいい言葉ではないかもしれません。でも、忍耐とは決して我慢大会ではありません。もし、我慢大会のように感じてしまっているのなら、その時点で、既に答えを出そうと急いでいます。

たとえば小学生の頃の修学旅行。あとちょっとしたら旅行があるというのがわかっているから、それまで忍耐して、授業を聞いたりするんです。

忍耐する・・・となった時点で、答えやゴールは見えていることがほとんどです。あんまり環境が良くない場所にずっと住んでいた人が、引っ越し先を決めて、あとは来月引っ越すのみになったとします。この時、初めて、残りの日々を忍耐して過ごせるんですね。

1、のポイントで「すぐに答えが出ないことがある」と書きました。家族の問題って、どこにゴールがあるかわからないことが多いです。

自分が変化することと、家族の誰かが変化することは別の問題です。自分が決めたことに忍耐することは大切なこと。でも家族の誰かの変化に対して、忍耐してはダメです。それは勝手に相手の変化を強制させています。

そうやって、家族のことで忍耐しようとしてしまうと、ゴールがどこにあるのか一向にわからず、忍耐が忍耐として機能しないので、簡単に「怒り」につながってしまいます。

3、他人の期限を決めない

まさに、2の家族のことで忍耐しちゃいけないのは、他人の期限をどこか勝手に決めてしまっているからなんですね。人は自分の責任に関わることに対しては、もちろん期限は自分で決めていかないといけません。

でも、他人の期限を自分が決めることはできません。もし夫婦関係であるなら、「私たち」の期限も自分一人で決めることはできないのです。

他人の期限に手を出し始めると問題が起こります。うつがいつに治るか、本人すらわかっていません。まして、それを家族が決めることなどできないのです。

人はそんなに単純ではないし、簡単に白黒つけられないことがあります。何でも答えをすぐに出したがるのが、私たち現代人です。必要なのは、答えを探すことではなくて、わからないこともあるのだと知って、その中でもできることを一生懸命やっていくこと。

1日はわかっていることをしっかりやるだけでも、そんなに余裕のあるものではないです。まして、わからない他人のことにかまけている時間はないのです。