寂しがり屋のDV男への対応
ちょっと今回は、ヘビーな内容です。DVをする動機は様々ですが、まずはっきり断言したいのはDVは病気です。この病気という意味は、ここでは「人に親切にできない病気」とか「人を妬まずにはいられない病気」とかと同じ意味で使っています。
外傷ではないけれど、精神疾患の病名がつく心の病気でもない、「一体、どうしちゃったの?」って本当の所は誰も何もわからない病気です。
この記事は、DVで苦しんでいる人のために書いています。
目次
アップダウンを繰り返すDV
DV男の特徴の一つにあるのが、アップダウンを繰り返すことです。どういう意味かというと、ものすごい剣幕で怒ってきて、暴力的で、地獄みたいな1日があったかと思えば、「あれっ?あの時のあの行動は一体何だったの?」と思うほど、優しくなったり、弱々しくなったりします。
これがアップダウンです。ちなみにこのアップダウンの差が大きくなれば、なるほど危険度数が高まってきています。反動が大きくなるからです。でも被害者の女性たちは、激しいバトルがあったにも関わらず、そのあとの反動できているだけの「静けさ」に心奪われて、問題を直視せずに、また同じ被害を受けてしまうということもあります。
特に、寂しがり屋のタイプで、拘束が厳しい男性だと、相手が離れていってしまうような気持ちが耐えられず、更に攻撃をして、ますます相手に愛想を尽かされてしまうという悪循環を繰り返します。
交流分析のストロークの箇所でもちらっと書きましたが、プラスであれマイナスであれ、寂しがり屋タイプは、「構ってちゃん」になって、どこまでも自分本位で行動したり、発言したりすることがあるのです。
麻薬と同じでエスカレートするDV
アルコール依存症者も、ギャンブル依存症者も、薬物依存症者も、最初はほんの些細なことからの始まりでした。誰も、生まれながら「依存症」の赤ちゃんなんていません。直接的な原因はよくわからないけれど、何かしらのストレスや鬱や、もしくは単純な好奇心や、興味や、好きなどから手に出したものが、それなしには生きていけないほど、完全に依存してしまったのです。
最初は、ビール一杯で程よくよって、嫌なことも全部忘れられていたのに、次第に、ビール一杯がもう「基本」になってしまって、更に強い刺激を求めるようになり、焼酎に変わり、今度は量が増えたり・・・とどんどんエスカレートしていきます。そして、朝から飲み始める、仕事中でも飲む、寝て起きてでも飲む・・・などと完全にアルコール依存症へとなってしまうのです。
これと同じようにDVもどんどんエスカレートしていきます。何もしないのに、ほっといたらDVが治ったなどということはほとんどありません。むしろ、最初は、罵倒だけだったのが、それで相手が、動じずに、大丈夫だとわかると、今度は、罵倒プラス手加減のある軽い攻撃に変わり、それでも、まだ相手に受け入れられると、本当に、罵倒や軽い手加減のある攻撃はもう普通のものになってしまって、更に大きな攻撃をしかけてきます。
殴る、蹴るなど流血が起きるようなDVも、決して突然起きているわけではなく、小さなスタートがあって、どんどんエスカレートしてしまったのです。
まずは身を守る!
このような被害を受けた時に、まずは身を守ることです。日本人は恥の意識が非常に強いですから、こういうことを表面化することをことごとく嫌います。カウンセリングをしていて、「あの人にも話して、この人にも話したけれど、カウンセラーとも話したくて、カウンセリングを受けに来た。」なんて人はほとんどいません。お会いする方は、「ここでしかできない話。」「誰にも言えない話。」を話し出します。
自分の内なる心が全力で抵抗するかもしれませんが、自分の「命」の危険を感じた時は、専門家や市の保健所、相談機関に勇気を持って相談することをオススメします。相談することで、余計に問題を大きくしてしまう不安があるかもしれませんので、こういった相談は(電話で話すなど)、家の外でやるなり、誰もいないところでした方が安全でしょう。
残念ながら、DVはDVをする本人が向き合い、直していかないといけない問題です。誰もこの責任を肩代わりすることはできませんし、してはいけません。いつまでも「殴られる人」になってはいけません。すぐには行動できなくても、自分が何かしらのアクションを起こし、自分を守り、自分自身を変えていく「準備」を整え始めてください。
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