新しい年へ。年内に気持ちの棚卸をする方法。

気持ちとの向き合い方

12月に入り、2018年の最後の月になりました。12月は何かとイベントも多く、忙しい月です。日々の出来事に流されていると、あっという間にお正月がきてしまいそうな勢いです。

新しい年に入ると、突然何かが変わったかのように、「心機一転、今年こそは!」と意気込むことありますが、あまり年の変わりを大げさに捉えるのはおススメできません。

12月31日も、1月1日も、今日と何ら変わりない1日です。1日の濃淡を勝手なイメージでつければつけるほど、逆に「どうでもいい日」を自動生成するようなものです。

思考の錯覚にすぎない、無駄な特別扱いをやめてみましょう。助走なしで、いきなり車のスピードが出ないように、準備なしで、新しい年のいいスタートは切れません。この時期にしたい準備は、新年の目標や計画よりも「棚卸」が力になってくれます。

年内に効果的な棚卸をするための、3つの切り口を紹介します。

1)嫌なところにスポットライトを当てる。

タイトルからして、嫌な感じですね。でも、棚卸は今までの言い訳と向き合う時間です。今までずっと言い訳してきたことを、ここだけは「棚卸」と割り切って、直視します。

実は、カウンセリングも、「正直になったらもん勝ち」のところがあって、自分の認めたくないところを認めることができた時に、人は本当に変化に向かって歩み始めます。

自分の1年を振り返り、自分の嫌なところ、後ろめたいこと、恥ずかしいこと、これらを真正面から見ます。決して楽しいものではありません。楽しいものではないです!断言します。

でも、ここで棚卸をしなければ、そのまま翌年へ持ち越しです。「未着手」のまま、来年も、様々な姿に変わって、生活の中で出てきます。

忙しい日常の中で、なんとか棚卸しの時間を作って、嫌なことにスポットライトを当ててみてください。この時、数多く列挙しようなどと思う必要はありません。一つでも、心から改善したいと思うことがあれば、それで儲けものです。

人間簡単にすぐには変わりません。あれもこれも直そうとしたら、結局何も直さず、今までどおりの日々を送っていくことになります。

嫌な部分を見るのは、確かに面白くはないかもしれません。でも、私もやりますよ。今まで見ないようにしてきた自分の嫌なところを、明るみに出してみることで、自分の好きになれなかったこと(幸せになれなかったこと)が見えてきます。

そしてそれは過去から未来への贈り物になるんです。

2)可能な限り、人間関係の修復をする。

傷つけた人、傷つけられた人、心に引っかかる人がいるなら、可能な限り、人間関係の修復をします。でも、ここで気をつけたいのが、来年度も真剣に関わっていきたい人のみです。

自分の気持ちをスッキリさせるために、手当たり次第、あの人も、この人も関係を取り戻そうとすると疲れてしまいます。それに、求められてもいない人や求めてもいない人と、修復する必要はないのです。そう考えて棚卸すると、そもそも、関係を修復する必要がある人は、たとえ多くても数人のはずです。

そして、たとえ1人であっても、謝るべきことを謝り、話し合うべきことを話し合っておくと、心のわだかまりがとれてきます。お互いにです。

自分は関係修復をしたいのに、相手が応じなかったら、もしかしたら、ただの一方通行になるかもしれません。それも受け入れます。

ただ、この棚卸をする時、自分だけが気持ちよくなるためなら(本当はただ、自分が持っている罪悪感を取り除いておきたいという動機なら)、試みようとしないほうがマシです。そんな打算的な、表面的な関係修復は、何の価値もありません。

本気で大切にしたい人間関係に、本気で向き合うのが棚卸での整理です。

今のわだかまりを取り除きたいがために、安易に他人の時間を奪い、他人の同意を得ようとするのはやめましょう。

3)やめたいことを明確にする。

新年になると、「これを始めよう!」「これをやろう!」という気持ちになります。だからこそ、そのためのスペースを作っておきます。頭の中で考えることは、いつだって無限大なので、どう考えてもスペースと余力がないのに、「あれをしよう、これをしよう」などと、人間の脳は勝手に考えます。1日24時間、スペース作りは大切です。

ただ、「やめること」をいきなり考え始めると、抵抗が強すぎます。人間の脳は、そもそも変化を嫌います。長年、習慣でやってきたこと、継続してきたことを、いきなり「やめる」と決意したからって、そう簡単にやめられるものではありません。人間がそんなに簡単にやめられるなら、ゲーム、タバコ、アルコール、ありあらゆる依存も、とっくになくなっています。

だからこそ、現実的な付き合い方とペースは大切です。効果的な棚卸をするために、まずは「やめたい」ことを整理します。「~したい」は希望です。するかしないかはまた次の段階の問題です。順序立てて、丁寧に扱っていく方が結果的に近道です。

「やめたい」なんて甘ったれだと誰かが言ってきても、気にしません。「やめたほうがいいこと」と意識しているだけでも、無自覚よりよっぽどましです。いきなりジャンプしようとして、挫折して、気持ち的に凹むほうが、よほど遠回りなので、焦らず、ゆっくり、少しずつでいいんです。

まずは自分の気持ちに正直になること。等身大の自分になって、初めて、問題に向き合うことができるからです。

以上、3つの方法を紹介しました。気持ちのよい、新年を迎えましょうね。