気持ちはあるのに、『できない』から卒業する方法

2019/07/19気持ちとの向き合い方

まずは自分を邪魔している考え方を知る

何かをしようという思いがあるのに、気持ちだけが先走って、実際には思い通りにできないという時があります。

このような状態は、ほとんどの人が、ある思考から解放されていない時です。解放されていないということは、逆に言えば、囚われの状態であり、同じ場所に留まっています。

その思考は、解放を邪魔する「白黒思考」の可能性があります。

白黒思考とはAll or Nothing思考とも言われ、丸かバツか、白か黒かと、物事を二者択一の傾向で考えてしまうことです。例えば、「リストラされたから、人生が終わりだ」とか、「希望の大学に入れたから、人生バラ色」のように、ある出来事に対して、特定の一つの結論しか考えません。プラスの解釈ができている場合は特に問題はないのですが、マイナスの解釈をしている場合は、囚われ状態になるリスクが潜んでいます。

完璧主義者にも多いですが、少しでもうまくいかなかったら、全て失敗とか、自分の理想を実現できなかったら、全て投げ出してしまう・・・このような行動も白黒思考に囚われている証拠です。

白黒思考は、実はとても柔軟性のない思考です。落としたコップのように、うまくいかなかった出来事は全てガラスが割れて使い物にならないもののように考えてしまいます。

自分が白黒思考を持っているのかを見分ける方法は簡単です。直近で、怒ったこと、イライラしたことを思い出してください。そして、怒るという感情に至らせるまでに「考えた結論」を思い出します。そして、今度は、その当時「考えた結論以外」を考えられないかを思い巡らします。

そして、もし別の結論が出てきたら、その時はやはり白黒思考に陥っていたことがわかります。その時は、別の考えを受け入れられず、もしくは考ようとせず、一つの考えに囚われて、結果怒るということをしてしまったのです。

ジャンプするのではなくて、一歩前に進む

いきなりすごいことをしようとしたり、何日もかかるようなことを考えたりすると、人は自然と「構えて」しまいます。「さあ、やるぞ!」という気持ちにしないと、とてもやりきれることではないと自分でもわかっているからです。

もちろん、年末の大掃除や、山積みになった書類を整理など、丸1日使えば、何とか変化を起こせるようなものなら、気合も力になります。でも、多くの場合、大きな変化を望むものは、時間もしっかりとかかるものです。頭の中では、どんなことも無限に思い浮かべることができます。でも、現実は自分の身体、環境と付き合いながら、少しずつ進めていかなくてはなりません。

先ほどの、白黒思考でもそうですが、「こうでなければいけない!」「これをやり遂げるんだ!」と構えてしまうと、どこか身体が「緊張」してしまいます。

気持ちはあるのに・・・できないという状態の時は、このように身体がこわばった状態で色々なことを考えている場合が多く、中々前に進めないのです。緊張した身体では、ぎこちなく、前へ進みづらいのはなんとなくイメージできると思います。まずはこの緊張した状態から解放されることです。

そのためには「手っ取り早い」方法に頼らず、ただ「今、やれることをやる」ことです。大きな壁を前にすると、なんとか早くゴールに辿り着こうとします。そのために、どうにかジャンプして、目の前の問題をスキップできないかと考えます。

でも、ジャンプしようと思ったら、それは頭の中でジャンプしているだけです。自分の頭の中のスピードと、目の前の現実のスピードを少しずつ合わせていくことで、本当に前に進むことができます。

自分の変化を自分と比較する

白黒思考から解放して、身体の緊張状態を解き放てば、少しずつですが、前へ進んでいきます。自分が思っているペースで進んでいかなくても、確実に「前に進んでいること」を味わってくださいね。

そして、いつでも等身大の自分に戻ることを意識することで、気持ちだけ先走ることを抑制します。

この習慣を維持するためには、決して他人と比較しないことです。特に自分よりもうまくいっていると思える他人、すごい他人と比較することで、せっかく進み始めた小さな進歩を、自分でダメ出ししてしまう可能性が高くなります。

他人との比較は自分が思っている以上に危険です。等身大の自分を受け入れられるようになったら、いつも自分の変化を「自分」と比較するようになると、持続的に前に進み続けることができます。