愛されていない気持ちを解放するには

気持ちとの向き合い方

愛されていない気持ちを解放する方法

家族の中で起きる衝突の一つに、「自分は愛されていない」と感じる思いがあります。

この気持ちが湧いてくると大変です。人は愛されていないと感じると、身体が硬直してきます。心は閉じ始めます。人との交流を避けます。会話もしたがりません。その結果、一人寂しく孤独を選ぼうとするのです。その時、言い聞かせる言葉は、「なんでこんな思いにならないといけないのか!」です。

寂しさと同時に怒りが混ざっています。自分をこんな思いにさせるあの人の嫌なことを考え始めます。そうすると、次から次へと嫌なことが出てきます。

するとどうなるでしょうか?

ますます身体は硬直し始め、心は頑なになり、惨めで可哀想な自分に苛立つのです。この時、辛い気持ちはどんどん大きくなってきます。

愛されていないと思うことは、それが家族関係であれ、友人関係であれ、自分を破滅に追い込みます。もう一度書きます。

愛されていないと思うことは、それが家族関係であれ、友人関係であれ、自分を破滅に追い込みます。

重要なのは、主語が「愛されていないことは」ではなくて、「愛されていないと思うことは」です。人は、「自分が愛されていない」と思うことで、愛されようともがくのですが、そのやり方は決してうまくいきません。

殻にこもって、可哀想な自分になることで、注意を引き、人の関心を引こうとしても、他人は近づいては来ません。それでも優しい人は、あなたに近づいてくるでしょう。

でも、殻にこもって、身体を硬直させ、心を閉じているあなたは、時に人の優しさも受け入れられないんです。その結果、相手を拒絶します。せっかく差し伸べられた手もNoと言って、受け入れられないんです。

愛されていないと思う気持ちを長く持てば持つほど、自分の心はどんどん疲れてきます。そして、どんどん悲しくなってきます。よからぬ憶測が頭の中をぐるぐる駆け巡ります。世界の中で、ただ一人孤立しているように感じます。

愛されていないと感じると、すべての人が敵に見えたり、自分以外のすべての人は、それなりに楽しい人生を送っているのに、自分だけが不幸のヒーローかのように見えてきます。愛そうとしている人すらも、下心があるんじゃないか、何をしても赦せないと心を頑なにしてしまうんです。

こうした思いは、すべて、「愛されていない」と感じることによって作り出した錯覚に過ぎません。

では、この苦しい状況から抜け出すためにはどうすればいいのでしょうか?

それは、自分が「愛されている」と思うことではありません。

目の前にいる人を愛することなんです。

夫に言われた一言で、「愛されていない」と感じて、夫と距離を置いていた人が、夫の呼びかけに反応する。もう一度夫を愛してみる。

友人の態度によって、「愛されていない」と感じた人が、もう一度、友人と共に時間を過ごし、相手を大切にしてみる。

幼少期にされた母親の扱いによって、「愛されていない」と感じた人が、もう一度母と連絡をとってみる。

なんでそんなリスクのあることをしないといけないのか?と思うかもしれません。確かに再び傷つくかもしれません。拒絶されるかもしれません。

でも、その結果は実はあまり重要ではないんです。重要なのは、あなた心が、愛するという勇気を持つことで、苦しい思いが解放されていくことです。

愛されていないという苦しい気持ちは、「愛する」ことによって、解放されていきます。頑なになって、閉じてしまった心がもう一度開くきっかけになります。

人からの「愛」を求めている時は、いつまで経っても苦しいままです。愛されたい、愛されたいと思えば思うほど、生き辛く苦しくなってきます。

でも、自分から愛することを決めて、実際に人に手を差し伸べる時、人に親切にする時、人を愛する時、自分の内側から、再び愛が流れ出てくるのです。

その時に、自分の苦しい気持ちも一緒に外へ出て行ってしまいます。

愛されるために愛するんじゃない。ただ、自分の心が幸せで、満たされている状態は、愛することによって、作られるから愛する。

そうやって、いつも人を愛している時、苦しい気持ちは自分から離れていきます。そして、周りに愛を届けている人は、愛される人になっていきます。