謙遜と謙虚の違い
今回は、謙遜と謙虚の違いについて見ていきたいと思います。あなたは謙遜していますか?それとも謙虚ですか?
少し質問が変ですね。謙遜はともかく謙虚は、どこか人に言われるもの・・・例えば「あの人は本当に謙虚な人でね・・・」みたいな感じで使われたりするので、自分が謙遜しているか、謙虚であるかなんて普段考えないかもしれません。
だからこそ、今回あえて取り上げていきます。
目次
謙遜と謙虚の違い
謙遜と謙虚の違いをできるだけシンプルに、短く表現するなら、謙遜:「跳ね返すこと」、謙虚:「そのまま受け取ること。」です。
キャッチボールをしていて、自分に向かってきたボールを胸で抱えたと思ったら、瞬間に返してきた・・・これが謙遜です。もやは受け取ったのかどうかすらわからないー自分にきたボールを瞬間たたき返したかのような感じです。
そして、ボールを受け取って、胸で抱え込んで自分のものとしたーこれが謙虚とイメージできるかもしれません。(キャッチボールしているのに、相手にボール戻さないの?とかそういう話ではなく、あくまでイメージの説明でとして。)
「謙遜」も「謙虚」も言葉自体は、別にいいとか悪いとかの意味を持ちません。ただ、より豊かな人間関係を保つためには、どちらの態度を持った方がいいのか、どういう態度をやめた方がいいのかという視点で考えていきたいと思います。
「いやいや・・・」「いえいえ・・・」の謙遜をしないこと
豊かな交流を築くストローク(豊かな人間関係を保つための必要な態度)でも書きましたが、「謙遜しない」態度は、より良い人間関係を作るためには重要です。
例えば、仕事や勉強がよくできる人に対して、「すごいですね!」と言ったところ、「いやいや・・・全然。」とかをすぐに口に出している人がいます。本人はもはや無意識で言っているくらい、「いやいや・・・」が当たり前になっているかもしれません。身につけているアクセサリーに、「素敵ですね。」、「いえいえ・・・」とか言ったりします。
「いやいや・・・」も「いえいえ・・・」も実は全部相手の言ったことを「跳ね返して」います。そういう意味では、結構失礼なんです。もっとひどい場合だと、謙遜を通り抜けて、まるで怒り出すのではないかという勢いで全力で否定する人もいます。
謙遜は、実はどこまでも自分中心な態度なんですね。「いやいや・・・」とか「いえいえ・・・」とか言って、控えめで自分を小さくしているのかもしれませんが、実は、相手の反応を否定し、自分が思いたいように思うことを優先しているのです。
大抵、「いやいや・・・」とか「いえいえ・・・」とかいう時は、相手の目を見ていないこともほとんどです。特に照れている場合とかはそういうことがよくあります。言った人を真正面で見ていないことも、厳しく言えば、相手を軽視しているのと同じですね。
(逆に「いやいや・・・」「いえいえ・・・」と言って欲しくて(というよりも、言われることに満足していて)、あえて、事実でもない褒め言葉などをいう人は、これはもう完全に嫌味で、論外なので、そのような人のことはここでは無視しましょう。)
深読みして変な冗談を言ったり、防衛的な態度をとらない
謙遜だけでは不安が多いのか、褒められたことや感謝されたことに対して、「何も出てこないよ。」とかケチくさいこと(冗談のようなこと)をいう人もいます。これも即座に防衛的な反応を示しています。後輩が先輩に「かっこいいです。すごいです。」などと言われた時に、こんな応答をしてしまう人もいるのではないでしょうか。
言った本人からすれば、冗談で笑って過ぎればそれでいいですが、でも心の奥底に、どこか「あーお世辞に聞こえるんだな。」なんて思ってしまう可能性があります。
そうすると今度は、自分の心が素直に反応したことに対しても、「なんかまるで損得勘定を持って言っているように思われてたらいやだな。」なんてブレーキをかけてしまって、ますます言えなくなってしまうこともあるんです。
これは、本当にもったいないですね。一人でも多くの人が無駄な謙遜をやめて、相手の反応を、無条件に跳ね返すことをやめて、謙虚になってちゃんと受け止めてる、相手の発言、そう言いたくなった気持ちを認める、そういうことが自然に出来る人が一人でも増えると、人間関係の問題はもっともっとスムーズになっていきます。
写真:pixbay-stokpic
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