今は「人生前半」それとも「人生後半」?

2021/11/05勇気と挑戦, 気持ちとの向き合い方

本を読んでいた時にこんな文言に出会いました。「40歳前後は、ちょうど「人生前半」から「人生後半」へ移行していく時期であり、心の課題も大きく変わってくると言われます・・・」

平均寿命が80代だからか・・・と思いましたが、何だかこの人生前半、後半という言い方に少し違和感を感じました。

今は「人生前半」か「人生後半」かはわからない

私は20代で、2人の大切な友人を亡くしています。一人は、中学生時代の同級生で、席も隣同士で本当に冗談を言い合いながら、何でも言える友達でした。ある日、深夜に交通事故を起こして即死・・・、本当に突然旅立ってしまいました。

もう1人は新卒の会社の同期でした。研修時代を同じグループで共に受けました。彼女は、突然の病で倒れ、私が駆けつけた時は、もう意識不明の昏睡状態でした。そこから集中治療室で、意識が戻らぬまま、旅立ってしまいました。

2人の死はどちらも「突然」でした。自分がいつ死ぬかは全く予想ができないと痛感しました。

30代で死ねば、学生時代が既に「人生前半」から「後半」へ移行していたことになります。50代で死ねば、夢と希望に溢れがむしゃらに頑張っていた20代が、実は「人生前半」から「後半」への移行期だったのです。

本当の意味で、いつが「人生前半」で、いつからが「人生後半」なんて、死ぬ直前まで誰にもわかりません。わからないからこそ、「人生折り返し地点だ」とか、「後何年ある」などと、自分の中で、勝手に人生予測をしないで、今日1日を一生懸命、喜びと感謝に溢れて生きていきたいと思います。

年齢から人生を考えるのをやめてみる

今が「人生前半」なのか「人生後半」かわからないのであれば、自分の人生に対してもう少し謙虚になれます。

人は、本当のところ自分の人生の長さが何もわかっていないのにも関わらず、勝手に自分の基準で、「もうこの歳だから~」とか、「まず、この年代のうちはこうして・・・」などとどこかで考えています。

でも、本当のところ、人生の歩みは過ぎ去った日々しかわからなくて、未来に与えられている長さは誰もわかりません。もし、未来の長さが実はこれくらいとわかってしまったら、人によっては今とっている行動をすべて変えてしまう人もいるかもしれません。

何歳だからこうなどと分析できる程、誰も「全体」を把握していないんだと心から謙虚になると、人生に対する見方も変わってきます。

自分の人生の長さが本当は何にも分かっていないとわかれば、別に自分が何歳であろうが、「まだ若いから」、「もう歳だから」などと判断することも愚かに見えてきます。

その代わり、心がささやくままにずっと挑戦したかったことを挑戦すればいいし、実はずっと向いていないなと思っていたことを割り切ってやめることができます。

自分が人生をコントロールできているつもりになっているから、自分の頭の中で、この時期はあれをしよう、この時期はこうしようと、頭で色々考えてしまって、結局本当にやりたいことをやれなかったり、本当はやめたいことを続けてしまったりします。

これはもったいないことですよね。

「今」を大切に

そうやって考えてみると、結局は、「今」を大切に!ということに尽きます。明日死んでも、後悔のない日々を毎日送ることができているなら、もうそれだけで十分すぎるほど、幸せです。

私はそんな毎日を目指しています。他の誰かと比較したり、自分の人生を勝手に概算して、逆算した今をどう生きるか・・・などとは考えません。

ただ、今日1日、与えられたこの1日だけを、自分が自分に対して○と言えればそれでいい・・・そう思っているから幸せです。

与えられた日々は本当に贈り物です。明日を考えず、昨日を考えず、ますます今日を十分に生きる毎日を過ごしていきたいと心から思っています。