人に弱みを話すメリット

2021/11/05境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

他人に対して、どこかカッコつけたり、見栄を張ったり、
弱みがばれないようにと必死になっているのは、どこか息苦しいものです。

まるで、自分用の自分と、他人用の自分がいるかのように、うまく使いこなそうと、知らず知らずのうちに、
頭を悩ませてしまっているかもしれません。

制限をかけてしまうこと

がよくあります。

心で感じていること、思っていること、
現在の葛藤も過去の失敗も、未来への不安も含めて、

心の内で思っていることを他人に見せても大丈夫な領域を増やす
ことは、心を軽くすることに繋がります。

これは、自分の心に対する境界線です。

どこまで他人に見せる必要があるか、
どこまで他人にオープンにするべきか・・・
と言った理性で考える自己開示ではなくて、

心の中で、たとえ人に話しても、人に知られても、人に聞かれても、
大丈夫だというコンフォートゾーンを広く持っているということですね。

実際に人に言う、言わないは別の話です。

逆に言えば、

人に知られたら、恥だ、情けない、ダメだと思われる

などといった、自己否定的な感情が徐々に減ってくると、

そのまま、

心の内を見せていい領域を増やすこと

に繋がるということです。

他人に知られたら、恥だ、情けない、
ダメだと思っている感情が減ったら、確かに楽になるだろうな・・・
というのは想像しやすいと思います。

自分が経験した出来事そのもの、事実そのものはあまり関係ないんですね。

結局、その出来事、事実に対して、

他人に隠さないといけない、見せてはいけない・・・

と思っているのは他でもない自分自身であり、

そうやって、他人のことを気にすればするほど、
他人から見ての自分を意識すればするほど、
心は疲れやすくなってしまうんです。

境界線の問題です。

自分の中で、どこまでをオープンにして良い、
どこまでをオープンにしないと決めているのか・・・。

自分の中で制限を持って、
隠そう、秘めよう、覆おうとしているものが、減れば減るほど、
つまり、そのまままの自分に自信を持つことができればできるほど、
気持ちが楽になっていくということですね。

もちろん、他人に全てを自己開示する必要などどこにもありません。

自分だけしか知らない、秘密事があって当然です。

ただ、それに否定的な感情を抱いている場合、
そのことを隠すのに、どれほどエネルギーを使っているかということですね。

実は、心の中に葛藤があるのに、
表面的には何にも問題がないように振舞ったり、
実は怒りたい、実は泣き叫びたいのに、
表面的には落ち着いて、静かで、穏やかであったり。

自分が心に対して引いている境界線が、
ありのままの自分になろうとするのを制限し、
自分を知らず知らずのうちに窮屈に追いやってしまっていることもあるんですね。

心の内を見せていい領域を増やすということとは、
同時に、自分の中に弱さを認める事ができたり、
自分の情けない過去や失敗談を、笑い事のように人に話せるような状態にも近いと言えます。

こういう状態になっている時は、既にその嫌で苦しかった過去を乗り越えられていて、
他でもない、自分自身がその過去から解放されている状態なんですね。

自分の心がもう軽くなっているんですね。

 

心の内を見せていい領域を増やすと言っても、
これは間違っても無理やりやるものではありません。

よく勘違いされて、
「よし!明日から何でもオープンにするぞ!」
と言って、自分の辛かったこと、悲しかったこと、
失敗、コンプレックス、欠点をさらけ出す人がいます。

これは、違います。

境界線は正しく適用するものです。
境界線は取り除くものではありません。

境界線が機能していない、ただの無防備な状態から、
心の軽さは生まれてきません。

外部からの攻撃も増え、
自分は、どこか無理をしながらアピールしてしまうような、
緊張がついてきます。

結局、先ほど書いた、
ありのままの自分になろうとするのを制限し、
自分を知らず知らずのうちに窮屈に追いやってしまっているのと同じです。

そんな状態では、心の解放、心が軽くなるどころか、
一時的にハイになって、その後、ドシンと心が重くなってしまう非常に不安定な状態です。

心の内を見せていい領域を増やすということは、
適切な境界線をちゃんと持つということです。

保身のために、恐れや不安から、その境界線を狭めるわけでも、
無理に広げるわけでもない・・・。

ちゃんと自分が心地よい、適切な位置を把握していくことです。

自分の心に境界線を持つ、
それは大切な自分を守ることを意味します。