アルコール依存症の自助会(AAとアラノン)
※この記事は、アルコール依存症者本人ではなく、その家族の方のために書いています。
今回は、アルコール依存症の自助会について、AAとアラノンを取り上げて紹介します。AAは主に、アルコール依存症当人のための断酒会で、アラノンはアルコール依存症の問題を持つ家族のための自助グループです。
もともと、AAからアラノンができた経緯もあり、お互いはかなり密接に関わりあっています。
目次
AA
AAは、そのまま「エーエー」と読んで、Alchoholic Anonymous(無名のアルコホーリクたち)の頭文字からとっています。
この「無名」であるということは、AAの大切な基盤になって、互いに個人を知ろうとすることも、個人名が公表されることもありません。メンバーのプライバシーを守ることは、回復(断酒の成功)のための必須条件として、しっかり守られています。
AAは、元々アメリカで発足し、世界各国に広がりました。現在日本で5700人以上(AA ホームページより)所属していて、日本全国にミーティング場があります。お酒を飲みながら何とか生活をするとか、お酒を減らすとかではなく、アルコールを「完全に」やめるという意志を持った人が集っているグループです。オープン・ミーティングもあるので、家族の方も参加いただけます。
以下、公式ホームページと、ミーティング場の一覧をまとめておきます。各ミーティング日程(今月の予定)も、ミーティング場のページから確認できます。
AA公式ホームページ(AA日本ゼネラルサービス)
ミーティング場一覧 (各地域それぞれの公式ホームページに直接飛びます。)
♦︎北海道地域(北海道)
♦︎東北地域(青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島)
♦︎関東甲信越地域(東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、長野、新潟、山梨)
http://aa-kkse.net/meeting.htm
♦︎中部北陸地域(岐阜、愛知、三重、静岡、福井、石川、富山)
http://park16.wakwak.com/~chco/
♦︎関西地域(大阪、京都、滋賀、奈良、兵庫、和歌山)
♦︎中国四国地域(鳥取、島根、岡山、広島、香川、徳島、山口、高知、愛媛)
♦︎九州沖縄地域(長崎、佐賀、大分、熊本、福岡、宮崎、沖縄、鹿児島)
アラノン
アラノンは、アルコール依存症者の家族と友人のための自助グループです。身近な人のお酒の問題を抱えている人はどなたでも参加できます。
AAの伝統に基づいて、運営されているので、基本的にはAAと同じ考え方で、無名であり、プライバシーを厳守しています。
アラノンの目的は、「アルコール依存症者を依存症から回復させる手伝いをする」ようなものでは決してなく、あくまで、「アルコール依存症の家族を助けること」です。
アルコール依存症者がお酒の囚われから解放されたくて、断酒会に参加するのと同じように、アルコール依存症者の家族が、共依存に陥ってしまったり、問題に振り回されて、アルコール依存症者へ囚われている状態から解放されるために、自分自身と向き合い、改善していくためのミーティングです。
AA同様、アラノンもアメリカで発足し、現在、日本全国にミーティング場があります。
アラノン公式ホームページ(アラノン家族グループ)
ミーティング場一覧(全国、県別に場所が表示されています。)
http://www.al-anon.or.jp/meeting/meetingplace.html
参加することをためらう気持ちについて
このような自助会は存在は知っていても、実際に行くか行かないかは、また全然別の問題です。知っていても、なかなかこういう所へ足を踏み出せないことはむしろ自然なことです。
そもそもアルコール依存症というのは、本人が「否認」の病であるのと同時に、その家族も、本当は「否認」したい事実です。
それなのに、このような断酒会や、家族グループに行くことは、ついに敗北を認めたかのような気持ちになるかもしれません。もしくは、「アルコール依存症」という事実を自分、もしくは家族が持っていることに、極端に「恥」の意識を持ってしまって、一体こういう集団はどういうところなのだろう…という恐れを抱いてしまうかもしれません。
何かを行動する前から起きてしまう心配や不安、恐れというのは、行く前に一番感じてしまいます。でも、これらは一時的なものです。
人は「知らない」ものに対して、警戒心があります。でも知ったら、「別に何にも怖い所じゃなかった」、「どうってことなかった」ということは沢山あります。
アルコール依存症の問題について何か、自分以外の機関や、団体から知見をもらってみるということは自分の頭の中だけで考えがいっぱいになっている状態から、新しい見方や気づきを得られるので、それだけでも価値があります。
一番ストップをかけてしまっているのは他でもない自分の気持ちです。自分にプレッシャーを与えてしまっています。
「お酒をやめられなかったらどうしよう…」とか、「人に恥をさらすことになったらどうしよう…」とか色々な考えが浮かんできます。
そういう時は、まるで当事者ではないかのようなスタンスで、まずはどんなことをしているのか「見学してみる」という軽い気持ちで、視察に行ってみることです。
今後行く・行かないは別として、勉強の一環として、これらの機関を捉えられると、自分へのストッパーが緩んできます。
今回は、AAとアラノンについて紹介しましたが、もちろん、このような団体は他にもあります。自分に必要か必要でないかの今後の判断も助けてくれるので、まずは一つでも覗いてみることは決して無駄にはなりません。
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