境界線を持つことは自己中心的と感じる人へ
人間関係に境界線を引くのは、どこか自己中心的だと感じてしまう方がいらっしゃいます。
他人との関係に、扉を閉めるような感覚、他人よりも自分を守るような感覚が強いと、そのように感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、
境界線を引かない方が自己中心的である
という面も考えると、もっとバランスが取れた見方になってくると思います。
人間関係の中で、他人に対して、何でもかんでも、「いいよ〜いいよ〜」として、他人の要求を全部通したり、
本当は無理がいっぱいあるのに、自分の思いに蓋をして、我慢をし続けていると、どこかでパンクしてしまいます。
もしかしたら、「いや、パンクはしない」とか、「自分の器はそんな小さくない」と、境界線を引くことを「小さい人間」みたいに錯覚してしまうかもしれませんが、決してそんなことありません。
境界線を持たないままでいると、必要以上に責任を負ったり、知らず知らずのうちに、実は自分のキャパを超えてしまっていることに気付かず、
持つ必要のない人間関係、また、本来は持たないほうがいい人間関係
まで持ってしまうことがあります。
高校の先生が生徒の悩みを聞いてあげるという些細なことがきっかけで、そのまま恋愛関係になってしまい、問題になったニュースがありました。
これも境界線の侵入です。
生徒と先生・・・そこはビシッと線を引かないといけないところでしたが、人対人で見てしまうとこのような問題が起きてしまいます。立場をわきまえるということですね。
また、境界線を持たない人の中には、「自分はできる」という自信がどこかに隠れている場合もあります。だから、自分の領域を手軽に広げてしまうことにあまり躊躇しないんですね。
「自分に任せておけ!」みたいな正義感が強い方、あとは、「自分さえ我慢すれば!」といった自己犠牲型の人だったり、人の痛みをまるで自分の痛みのように抱え込んでしまう感情的な人もあまり境界線を持たない傾向があります。
境界線を引くということは、
自分に「限界」を設ける
ことなんです。
「自分はここまでやります」、「ここからはやりません」と言う責任区分を明確にするんですね。
そして、これはとてもいいことなんです。
なぜなら、どんな人でも、「限界」はありますから。ちゃんと限界を他人に示す、限界を把握する、限界を持つというのは、とても健全なことです。
境界線を引かないのは、ある意味では、
自分の「限界」を明らかにしない
ことでもあります。
その理由は、先ほど書いたような正義感とか、我慢強さとか・・・あとは断り辛いとか色々あると思いますが、でも結局のところ、人はみんな「限界」があるのに、それを正直には受け入れたくないという自分しか見えていないのかもしれません。
「限界」を把握していないと、身体は悲鳴をあげているのに、突っ走ってしまい、結果的に、急に会社を休むとか、急にある人間関係を断絶するとか、そんなことが起きてしまうかもしれません。
自分が一生懸命に積み上げてきたものを、自分で一気に崩してしまうところがあるなと思う方は身に覚えがあるかもしれません。
境界線を持つことは、ちゃんと自分に留まることですし、自分というものをちゃんと定義することは、周りの人との関係を健全なものにしていくんですね。
境界線を持つことに対し、後ろめたさを感じている人、何か自己中心のように感じている人は、ぜひ、
境界線を持つこと=等身大の自分になること
という新しい定義を持って、堂々と境界線を取り入れて頂けたらと思います。
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