人を嫌いになる瞬間に考えていること
人にイライラする。
もうこの人とは無理!と思う。
人が嫌いになる瞬間に考えていること。
それは、
その人と関わっている自分が嫌い
ということ。
他人を嫌う前に、
必ず自分を嫌っている。
自分のことを好きでない人は、
心から他人のことを好きになれないのと同じで、
他人のことが嫌いな人は、
自分のどこかをまず嫌っている。
すべての問題が他人に由来するかのように見えて、
実は、自分の中に「自分嫌い」がある。
それは何も、
その人を好きになれない自分が嫌い!
好きになりたいのになれない!
という次元じゃない。
もっと「嫌い!」が前面に出ていて、
その人と関わっていることは、
自分をダメにする。
自分の人生を台無しにしてしまう。
という考えがどこかにある。
自分をダメにしかねないと判断したら、
その対象となる他人を間違いなく、嫌う。
敵になる。
なぜなら、自分の人生にとって、脅威だから。
脅威以外の何者でもない。
そこで、よく考えてみる。
その人のせいで、
その人によって、
自分の人生がダメになるなんて、
よく考えるとおかしなこと。
どれだけ、その人に依存している?
どれだけ、その人に絶大な権力を与えている?
どれだけ、その人の支配下に生きている?
という話。
つまり、あなたはどこに存在していて、
一体全体、あなたはその人の誰になっている?
という話。
夫にムカついて離婚を検討する妻も、
上司にムカついて退職を検討する社員も、
子供にムカついて育児放棄する母も、
みんな同じ問題を抱えている。
他人に権限を与え過ぎている。
他人によって自分を定義し過ぎている。
他人が自分にとって重要になりすぎている。
だから、自分を見失う。
そして、自分を見失った理由を、
他人のせいにして、その人を嫌う。
嫌うことで、何とか他人から離れ、
自分を取り戻そうとする。
でも、この戦略ではうまくいかない。
確かに関わる人間を変えることで、
日常には変化が生じる。
でも、それは目に映る状況が変わるだけ。
肝心な自分は何も変わっていない。
だから、また別の場面で、
他人に傷つき、他人を嫌う。
そして、他人を遠ざける。
また、他人によって自分の行動を変える。
自分探しの旅を続けることになる。
目の前の他人は、
確かにあなたを悩ませる人かもしれない。
でも、だからといって、
その人を嫌うことは、
何も解決にならないどころか、
むしろ問題から逃げること。
もちろん逃げてもいいけれど、
逃げ続けているなら、
どこかで逃げるのをやめないと。
息が続かない。
苦しみが絶えない。
問題は受け入れて、直面するとなくなる。
向き合って、丸め込んで、心のゴミを捨てる。
問題から逃げるのをやめることを、
成長という。
成長は向き合わないとやってこない。
自分に留まって、現実に留まって、
真剣に自分を変えていく。
別に、成長なんか求めていなくて、
ただ悩みなく、もっとストレスフリーの人生を送りたいだけ、
と思っているかもしれない。
もしそうなら、なおさらのこと、
問題に真正面からぶち当たっていく。
そして乗り越えていく。
実は裏で陰口を言われた相手にも、
翌日笑顔で話しかける。
問題を乗り越えていくことで、
強くなる。
世の中、すべてが自分の思い通りに進む人なんて、
一人もいない。
個性の違う様々な人間が共存し合っている世界で生きている以上、
当たり前のこと。
人を嫌いになることは、
自分の目の間に現れた人間を敵とみなすことだ。
やめよう。
他人を敵とみなすことに慣れてしまうと、
四方八方すっかり敵に囲まれて、
生きていくことが窮屈になる。
家族すら敵。
友達すら敵。
職場すら敵。
平和がない。
敵としてみなしているのは、自分。
もともと「敵」が存在するわけじゃない。
確かに、相手には問題があるかもしれない。
でも、誰にだって問題はある。
自分の問題を見たくない人は、
相手の問題の大きで相手を裁く。
ここまでする人間とは無理、
問題がでかすぎる。
そうやって、線引きをして、裁く。
誰かの裁判官になってしまう時、
確実に自分を見失っている。
関わる人を自分の敵と見ること自体が、
自分にとって一番の敵だ。
自分を一瞬でも嫌いになることなく、
人を嫌いになることはできない。
だから、人を嫌いになった瞬間、
自分を軽視している。
自分を見失っている。
自分を大切にすることを怠っている。
人を嫌いになってもいい。
でも、自分を嫌いになっちゃダメだ。
自分は自分にしかなれないのだから。
自分の存在を否定すると、
人生はずっしり重くなる。
人を嫌っていい。
でも、自分嫌いはダメ。
どこまでも自分になる。
自分に留める。
自分を嫌いにならないなら、
つまり、自分を愛し、どんな自分でも大切にするなら、
決して他人を嫌いになることもない。
こころ軽い人生とは、
人を嫌いにならない人生。
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