相手の「言い方が良くない!」と思っている人へ
「あの人の言い方が良くない!」
「言い方にイライラする!」
そんな風に思う時があると思います。
「言い方が良くない」は、一見、すごく筋の通った発言ですが、
実は、問題の本質から、論点を簡単にずらしてしまうんです。
「言い方が良くない!」にフォーカスを当てる時、
「言い方」そのものをあれこれジャッジしています。
そして、結局は、言い方によって、
「言い方の悪いあなたの言うことは、聞けません!」
と宣言していることと同じなんですね。
でも、言い方はやはり、装飾品です。
食べろ!
という言い方は良くなくて、
食べなさい!
だったら、まだ良くて、
食べてほしいな・・・
と言ってくれるなら、控えめだからいいなとか。
また、文型や語尾だけでなく、
単に言葉遣いが悪いことを、
「言い方が良くない」
という人もいますよね。
バカ
という言葉は、言い方が良くないけれど、
賢くない
と言うのはいい・・・など。
いわゆるスラングとか、
人を傷つけるような言葉、罵るような悪い言葉のカテゴリーから出た言葉をすべて、「言い方が良くない」で片付けてしまうこともできます。
こころの栄養ですから、
何も言い方が良くないことを擁護するつもりはありません。
言い方そのものは、こころの栄養に大切ですから。
ただ、今回お伝えしたいのは、
もし、誰かあなたの大切な人で、
その人との関係を修復したいと心から望んでいて、
そして、相手の「言い方」に苛立っているのなら、
言い方が良くない!
で話を進めるのはもうやめましょう。
「言い方が良くない」は真っ当な正論に見えて、最初に書いた通り、本質から論点をずらしてしまうんです。
本当の原因は別のところにあっても、言い方にばっかりフォーカスを当てるあまり、「言い方の議論」に話が差し代わってしまいます。
喧嘩が起きた理由も、衝突が起きてしまった原因も、
なぜか「言い方がどうであったか」で上書きされてしまって、
相手を赦せなくなったり、相手とのコミュニケーションを避けてしまったり、
自分一人で、悶々と悩み続けてしまったりするんです。
だから、相手の「言い方」は確かに悪かったかもしれないけれど、
そこは一旦置いておいて、本質を見ることはとっても大切です。
逆に自分自身が悪い言い方をしてしまっても、
もし相手がちゃんと本質を掴んでくれたら、とっても嬉しくなると思います。
言い方に囚われすぎるあまりに、ずっと心が重たいままになっているのなら、
今、「言い方の議論」を手放す時です。
相手が〇〇って言った!だから傷ついた!
言葉に囚われるあまり、ずっと心を重たくなってしまいます。
「言い方」は大切です。とっても大切です。
でも、放ってしまった言葉は二度と消すことができないのだから、
撤回不可能な場所をずっと見て、相手を責めたり、自分を哀れんだりするのをもうやめていく。
もっと大切な本質のところにちゃんと戻っていく。
「言い方」にこだわるのを手放していく。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません