人に言われたことが気になる時の対処法

気持ちとの向き合い方

1、まずは気になっている理由を探る

普段の何気ない会話の中で、人から言われたことが気になる時、その「気になること」は自分の価値観や大切なことに触れている場合が多いです。

例えば、ある人は食べ物のことに非常にこだわりを持っていて、食品添加物とかを避け、出来る限り、自然で安全な食べ物を摂ることに努力してきたとします。

そんな時、ある人から、私はそんな食べ物とかに神経を使っているより、何でも美味しい、美味しいと思って食べているから、悪いものも沢山食べているけれど、病気一つしたことがないと言ってきたとします。

こう言われたことが「気になる」のであれば、それは「自分はいつも添加物とかを排除するように努力して、安心・安全の食べ物を摂ることを良しとする」という価値観を他人の言動によって、揺さぶられたからです。

「気になる」というのは、大抵の場合、このように自分が考えていること、考えていたことと逆のことを言われ、心の中で、「えっ!?そうではないでしょ?」という気持ちはどこかあるけれど、それをうまく表現できなかったり、疑いの気持ちが湧いてきたり、自分がこれまでずっと良しとしてきたことは一体何だったのだろうと混乱したり・・・こういう気持ちから、気になり始めるのです。

既に確立された自分の、価値観なり、想いなりがあるのに、それらが人につられて揺れてしまうことを許すから気になってしまいます。

ここから抜け出すには、シンプルに、自分の価値観や自分の大切な想いを他人の考えよりも優先するだけです。

気になって、相手に反応してしまっているということは、自分の価値観をないがしろにしてしまっています。

そうではなくて、元から自分が大切にしていた考えを、「自分がそうだ」を信じるのなら、そのまま優先すればいいだけのことです。先していいかどうかのGoサインを自分に出すのは、他の誰でもなく自分しかいません。誰も反対できません。優先し始めると、思いと行動が一致してくるので、「気になる」ということが徐々になくなっていきます。

その時に、本当の意味で、気になっているのは「他人に言われた」からではなく、「自分の心が揺れ動く選択をしている」からだということが次第に分かってきます。

2、「他人は何も知らない」ということ

そもそも他人に何か言われたことで、気にはなっても、本当は気になる必要などどこにもありません。

というのは、他人と共有している自分は全体のほんの一部です。他人と関わる実質的な時間の長さではなく、自分の中身のこと、自分の心の内に秘めていることを100とした時、人接している時に見せている心(考え)はほんの一部に過ぎません。

他人はそのほんのわずかに見えたことを取り上げて、適当なことを言っています。適当というのは、ここでは他人が勝手に思いついたこと、他人が考えていることを言っているに過ぎないという意味です。

本当は「他人は自分のことを何も知らない」のに「実は知っている」と勘違いしたり、錯覚するから、他人に言われたことに反応して気になってしまうのです。

「他人は知らない」という事実を受け止めます。そうすると、自分のことを知らないにも関わらず、好き勝手にものを言っているに過ぎなかった人に翻弄されていた自分が見えてきて、落ち着きを取り戻すことができるようになります。

3、事実なのか、「他人の考え」なのか

他人に何かを言われた時に、盲目的に受け入れてしまうと、いとも簡単に「気になって」しまいます。

他人が言ったことを自分のものとする前に、まずは、言ったことが事実なのか、それとも単に「他人の考え」なのかを判断します。

他人に言われたことが確かに「事実」で、自分も思うところがあるなら、次はそれに対して処置をすることを決めます。

他人から言われた事実をきっかけに、学び改善するのか、それとも他人から言われた事実はそれはそれとして無視するのか、自分がどちらでも選択できるのです。

他人が言われたことでもただ単に「他人の考え」に過ぎないのなら、沢山の人がいる中で、たまたま一人の人の考えを自分は聞いたという事実に過ぎないと開き直ることです。

他の人に出会えば、また全然違うことを言います。

他の意見の人に会えないのなら、今は情報社会ですから、ネットなり、本なり、現実でなくても、自分が「気になる」ことを言われた人とは別のことを言っている人を探して、考えを中和させます。そうすることで、段々とただの意見に過ぎなかったということが見えてきます。

大切なのは、何か言われても、そのまますぐに受け取らないことです。何も素直さを否定しているのではありません。自分は挑戦したいと思っているのに、足を引っ張るようなことばかり言う周りの人によって気持ちを下げなくていいのです。相手は深く考えずに言っている可能性もあれば、事実を言っているだけであったり、自分の考えを述べているだけかもしれません。

すぐにストレートに自分の心で受け取ろうとせず、ワンクッションはさんで、「今言っていることは、そもそも何なのか?」という視点をはさんで物事を考えると、余計なことに振り回されにくくなります。