親子関係ー批判された時に心に留める3つのこと

気持ちとの向き合い方

今回は親子関係の問題です。親子は生まれた時から特殊な関係を持っています。他の誰よりも深い関係に見えて、他の誰よりも難しい関係でもあります。

人はくっつきすぎると、お互いを干渉したり、お互いを自分の思い通りにしようとしたり、相手の意図に関わらず、お節介にあれやこれやと手を出したりします。この結果、くっつきすぎる関係に、煩わしさを感じ、関係がうまくいかなくなるのです。

親子の関係は、くっつきすぎた途端、ひょんな出来事がきっかけで、今度は、極端に他人よりも疎遠になってしまうという真逆な関係になり得ます。親子関係こそ、近すぎず、遠すぎず、絶妙なバランスを保った関係がベストです。

親子関係がうまくいかなくなる理由は様々なことがありますが、うまくいかなくなる時のサインを書くなら、次のような兆候が出てきた時は要注意です。

✔️娘婿、息子嫁の悪口を言い始める。(遠回しで、オブラートに包んだ優しい言い方の時も。)
✔️過去のあれが、これが問題だったと、「いつの話のこと?」と思うような出来事を引っ張り出してきて、あれこれ言ってくる。
✔️今まで何にも問題がなかった(指摘されたことがなかった)のに、まるで急に思いついたかのように、突然、問題として認識され、批判してくる。(例えば、態度がどうのこうのなどなど。)

さて、このようなことが起きたら、「ゲームをふっかけられている」という認識を持ちます。ここでのゲームとは、「新たな問題に焦点を当てることで、本来の問題から避ける口実として利用される」という意味です。

もちろん、これまでの出来事の中で、本当に相手に傷つくことをしたり、失礼なことをして、思い当たる節があるのであれば、それは謝罪します。ただ謝るべきことは謝ったのに、いつまでも愚痴や文句や嫌味を言われ続けられるようであれば、完全に「ゲーム」に誘導されています。ちなみに、当の本人は、そんなつもりは何もありません。本当に怒っていたり、本当に不満に思っている可能性は十分あります。

ここでのポイントは、当の本人も、実際のところ、自分は何に怒っているのか、何に不満に思っているのかがはっきり分かっていないというのも事実なんです。

なので、目についた人の悪口や事実としておきた過去の出来事を引っ張りだすことで、それに怒りや不満をぶつけ、自らの問題に向き合うことを避けている可能性も十分にあります。

例えば、孫が生まれた息子夫婦を持つ母親。孫は目に入れても痛くないほど可愛い存在でも、いざ息子夫婦が家に来ると、何から何まで構ってしまって、彼らが帰った後にヘトヘトに疲れてしまうとします。

その時、「本当は自分の身体がついてこない。」とか「負担になったり、無理になることはせず休めばいいのに、そういう自分になりきれない。落ち着いてられない。」という問題を本人が抱えていたとします。これらに向き合うのは、全部本人の問題です。

でも、無意識にそれらと向き合うのを避けて、息子の嫁の態度を批判したり、別ごとに焦点を当て始めます。そうすることで、息子夫婦の滞在により、孫の世話などで疲れるという事実を、自分を傷つけることなく回避しようとすることができるのです。

ゲームをふっかけられているとわかったら、決してゲームに付き合わないことです。過度な悪口や、よく考えれば、何もそこまで言われる筋合いのないような不満に対して、正面から真面目に付き合いません。

もし、ゲームに付き合って、相手に合わせてしまうと、その時はその場しのぎ的な解決ができるかもしれませんが、相手はまたゲームを使ってきます。ゲームが有効だと学び、いつまで経っても、自分の問題に向き合わないのです。

親子関係において、このような事態になったら、次の3つのことを心に留めておきます。

1、できる限り、感情的にならず冷静な判断をすること

相手から批判されると、瞬発的に言い返したくなったり、正当化したくなったり、相手の問題点を見つけて、逆に指摘したくなったりするのは自然です。

そういう衝動に駆られても、時間が経てば少し落ち着くので、しばらく待ちます。食事をしたり、睡眠をしたり、状態が変わると、また違った目で見ることができます。メールなら1日空けるなど、言われたことにすぐその場で対応しないことで、余計なトラブルを避けられます。

2、ゲームをふっかけられているのかどうか見極めること

冷静になった上で、今起きていることは何なのかを判断します。そもそも相手にするようなことなのかを判断します。相手の勢いと相手のスピードに飲み込まれそうになるのを一旦離れて、何が起きているのか、突然に批判や文句を言われる筋合いはあるのかを考えます。

3、ゲームにのらない

そして最後は、ゲームに参加しません。このゲームに参加すると、自分も相手と同じ状態になってしまい、自分も相手を変えるような、相手を批判する発言を簡単にしてしまいかねません。そうなると本格的な喧嘩に発展したり、親子関係に深い溝ができたりと決して望んでもいなかった関係になってしまいます。

批判めいたことを言われた時は確かに気分的に最悪かもしれません。でも、その時は、あえて冷静になること。そして、直接的できであれ、間接的であれ、「人を変えるようなことばかりを言ってきている時」は相手の会話を盛り上げないようにすることが賢明です。