【本の紹介】「君たちはどう生きるか」ー自己中心のデメリット
目次
君たちはどう生きるか
昨年、「漫画 君たちはどう生きるか」(吉野源三郎氏原作、羽賀翔一氏漫画)の累計発行部数が200万部を突破しました。かなりのメガヒットで、書店のコーナにも、ランキング1位!などと大々的に紹介されていました。
私は、漫画版ではなくて、2017年8月に出た、新装版小説(「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎著 マガジンハウス出版)の方を読みました。ページ数は、318ページあり、それなりのボリュームはあります。小説形式になっていますが、どの章にもテーマが明確にあってわかりやすく、面白かったです。
読みやすく、人がどう生きるかについて、かなり深いところまで投げかけてくるので、自分の頭の中で考えることができます。
君たちはどう生きるかの目次
各章のタイトル(目次)は下記のような感じです。
一、へんな経験
ものの見方について(おじさんのノート)
二、勇ましき友
真実の経験について(おじさんのノート)
三、ニュートンの林檎と粉ミルク
人間の結びつきについて(おじさんのノート)
四、貧しき友
人間であるからには(おじさんのノート)
五、ナポレオンと四人の少年
偉大な人間とはどんな人か(おじさんのノート)
六、雪の日の出来事
七、石段の思い出
人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて(おじさんのノート)
八、凱旋
九、水仙の芽とガンダーラの仏像
十、春の朝
(「君たちはどう生きるか」目次 吉野源三郎著 マガジンハウス出版から抜粋)
この本は、主人公が中学校2年生のコペル君で、章ごとに「おじさんのノート」というページがあります。コペル君の経験から、おじさんが投げかけるメッセージがとても深く、コペル君を「立派な人間」に導こうとする言葉が散りばめられています。お時間のない方は、この「おじさんNOTE」だけでも読んでみると面白いと思います。
本は深く色々と紹介したい箇所がありますが、この記事では一章の最初のおじさんのノートに書かれていたことをシェアします。
天動説のような考え方の人たち
本の最初のおじさんのノートに、「地動説ではなく、天動説のような考え方」の人間のことが書かれています。簡単に言えば、自分中心のことです。
人は、自分中心の性質を持っていることを思えば、地球の周りを惑星が回っていたと思う天動説的考えはごくごく自然な考え方ですね。
でも実際は、色々と調べる中で、実は天動説ではなくて、地動説だった・・・真実は違っていたというところがまた面白いところです。このように、自分中心の考え方ばかりしていると、真理に出会えなかったり、実は間違っている考え方をずっと正しいと信じてしまう危険性があることを指摘しています。
日々の生活の中で、自分中心であることは、一見、自分の人生をより豊かにするかのように錯覚してしまうことがあります。損得が絡んでくると、自分中心になって少しでも得をしようという気持ちになるかもしれません。でも実は、そういうことばかり考えていると、多くの場合、大切なものを見失っていることがあります。視野が狭くなって、大切なことを見落としてしまうのは、まさに自己中心だからこそとも言えるでしょう。
自分、自分と考えているが故に、大切なことを見失ったり、真理に出会えなかったり、世の中の深いところを知れなかったら、それは本当にもったいないですよね。
大抵、悩みや苦しみなどは、答えがないから堂々巡りになってしまって、もがいていることが多いです。悩みから解放されるためにも、「自己中心」を少しずつ手放していくことは悩みの解決になるかもしれません。
物事は、実はとてもシンプルなことが多いですから、自己中心になればなるほど、結局自分しか見えなくて、盲目的になってしまいます。
自分だけに頼ることほど、怖いことはありません。世の中、もし自分だけに頼ったら、何一つ回っていかないでしょう。それほど、自己中心に生きることはリスクがあり、デメリットが多い生き方であることを、おじさんノートは気づかせてくれます。
ぜひ、お時間があれば、手にとって読んでみてください。
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