共同体感覚の始め方(アドラー)
目次
アドラー心理学「嫌われない勇気」
嫌われない勇気(岸見一郎氏、古賀史健氏 ダイヤモンド社)では、アドラー心理学の肝となる考え方の、「共同体感覚」が紹介されています。
共同体感覚がわかると、「自分、自分、自分!!!」って考え続ける自己中心から、次第に全体の利益を優先させるようになっていって、自己中心の囚われから解放されていきます。
本当に、世の中の人がみんなが全体の利益を優先させるようになったら、世界はどういう風に変わるんだろうとワクワクします。でも、これを実現するには、「まず自分」からです。
すべての人が、「あ〜こうなったら、理想だよね!」って思うことは、結局失敗しながらでも、やってみようと努力して、前進しようとしないとどうにもならないんですね。
だから、アドラー心理学は、「自分だけが幸せになろう」という気持ちいっぱいで学ぼうとすると罠に陥ります。と言うのも、この心理学は共同体感覚を持つように言っているからです。
つまり、自分の人生を共同体のために使いなさいってこと。
そのためには、「自分が、自分が、」と考えているところから、一歩外に出ないといけない場面に遭遇するんです。コンフォートゾーンを抜け出すということです。
遅かれ、早かれ、どこかのタイミングで一歩「自分」から離れて、共同体のために何かしようという行動を起こさないと、いつまで経ってもアドラーの共同体感覚はわかりません。
もちろん、わからなくてもいいのだけど、これがまた面白いところで、人間はやっぱり根源的に、「共同体」に貢献したいっていう欲求があるし、「共同体」に属することで、自分の安全も守れるわけだから、どこか共同体感覚を求めているんですね。
「自己中であり、自分の利益を考えたいけれど、でも、共同体感覚が頭の中に引っかかるみたいな・・・」
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ちなみにこの状況だと葛藤します。
自己中心と共同体感覚って相容れないんです。水と油みたいにうまく混ざらないんですね。
だから、こういう2つのものがあるとどこか、心の中で、欲求不満になったり、嬉しいけれど嬉しくないような気持ちになったり、何だか違うみたいな違和感を抱えたり・・・そんな気持ちになってしまうんですね。
そういう意味では、自己中なら自己中を貫いた方が、共同体感覚なら、共同体感覚を貫いた方が、よほど楽です。
でも、先ほど書いたように、自己中だと、結局周りの人が離れてしまうし、最終的に孤独になって、惨めになるので、そんな人生は選びたくないですね。
だから、やっぱり共同体感覚を貫いていきたいと思います。
勇気は避けて通れない
そのためには、嫌われない勇気(岸見一郎氏、古賀史健氏 ダイヤモンド社)にも何度も出てきますが、やっぱり「勇気」。勇気はとても大切なんですね。
なんの勇気かって言ったら、まずは一歩前に出る勇気。一歩前に出ないと何も始まりません。自己中な自分だったけれど、共同体を優先する勇気とか、自分の幸せばかり求めていたけれど、他人を信じて愛してみる勇気とか・・・
共同体感覚の実現には、勇気って不可欠。そして、こればっかりは、誰かから「勇気」というものがえられるわけじゃないし、「勇気」を買えるわけでもないし、自分が内側から「勇気」を出していくしかないんですね。
もちろん、人の言葉が助けになったり、人の励ましや思いが力になることはあります。でも、色々受けた周りからの力も、最終的に自分のものにして、内側から勇気を出すか出さないかは、完全に自分の決断です。
共同体感覚って、自分がさあ共同体感覚を持って生きよう!と思っても、周りは何にも変わらないかもしれません。
恐らく、最初のうちは、ほぼほぼ何も変わらないです。
はじめの一歩は自分から
その証拠に嫌われない勇気(岸見一郎氏、古賀史健氏 ダイヤモンド社)の中に、アドラー自身もこう言っています。
「誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。」(本文P212より)
なんです。
だから、共同体感覚は、勇気を持って、周りが協力的かどうか、周りに受け入れられるかどうかを考えることなく、共同体の利益と信じることを自分から「始める」ことがスタートなんですね。
こうしたらこうする、ああしたらああする・・・とか、誰かが変わってくれたらやる・・・とか、そう思っている間は、一生かかっても、共同体感覚を手にすることがない気がします。
小学校の時に先生に言われた、「自分からしましょう」を絶え間なく実行する感じです。
人を変えて、自分を変えようとしたり、環境を変えて、自分を変えようとする感覚というのは、やっぱりどこか自己中心です。
自分が変わらないー相手が変わればいいのスタンスでは、共同体感覚は得られにくいです。
共同体は絶えず変化しています。時刻が絶え間なく流れる限り、一瞬として同じ時がないように、共同体も変化し続けるんです。
その流れる共同体の一員として、自らも絶えず変わりながら成長していくことーそのためには勇気を持って、他人に関係なく、自分からスタートすることなんですね。
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