自分を知ること;交流分析
交流分析というのは、精神科医のエリック・バーンによって提唱された心理療法の一つです。その中にある自我状態というものがあって、これはまさに言葉通り、自我、自分の状態がどのようになっているかということについてです。
自分の心の問題を探る時、自分自身に向き合う時、客観的に、自分が今どういう状態になっているかということを知ることはとても役に立つなと思います。自分のことは自分が一番わかっているようで、実は一番わかっていないということは多いです。
私自身も、心理学を勉強する中で、自分というものを客観的に見ることを知りましたし、またカウンセリングや人との交流の中において、実は自分はこんな自分になっていたんだと気づいた経験はいくつもあります。
交流分析の中では、人間の自我状態というのは大きく3つに分けられています。親を意味するペアレントのP、大人を意味するアダルトのA、子供を意味するチャイルドのCです。Pは「親」の影響を強く受け継いだ思考、感情、行動であり、Aは今ここで起こっている状態に直接反応している「成人」の思考、感情、行動で、Cは「子供」の頃と同じような思考、感情、行動です。自分の中に様々な状態が、場面や相手によって無意識に使い分けられているんですね。
私自身も、親に対して、夫に対して、自分自身に対して、また仕事に対して、それぞれの自我状態は全部違うものになっているなと思います。どの状態にも、プラスの側面、マイナスの側面があります。どれがいいとか悪いとかそういう話ではないのです。
何か悩みを抱えていたり、心をもっと楽にしたい、軽くしていきたいと思う時、現在地を把握すること、今自分が一体どういう状態であるのかというのにちゃんと直面することはとても大切だと思います。自我状態をちゃんと理解してこそ、自分に対して、他者に対して、どこか生きにくい状態になっているのであれば、アプローチを変える働きができるのです。
写真:vixrealitumさん
文章:Nao
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