アルコール依存症息子をどうにかして、自殺したい

2021/11/05親子関係, 想いの箱(悩み相談)

息子はアルコール依存症。手に負えず、警察のお世話になる日も近いと思っている。
産んだのは私だから。息子をどうにかしないと。もう、自殺したい。(60代 女性)

家族の問題を自分の問題にして、
自責の念で苦しむのと、

家族の問題は家族の問題にして、
自分は自分の問題に取り組むのって、

天と地ほどの差があります。

前者は、完全に境界線違反です。

家族の問題を自分の問題にしている時点で境界線違反。

アルコール依存症なのは、息子さんであって、
お母さんの問題じゃない。
「産んだのは私」っていう考えを引っ張ることによって、
他人の問題を自分事に引っ張ろうとしている。

ここがルール違反。

考え方が、まずすごく極端なんです。
「産んだのは私」が全て成り立つなら、
そんな息子を産んだあなたを産んだ母親の責任になって、
その連鎖が永遠に続くっていうおかしなことになっちゃいます。
アダムとエバまで遡ります。

全て「他人のせい」にする人と同じくらい、
全て「自分のせい」にする人も実は随分と間違っています。

境界線が機能していない人間関係は、問題が絶えず起きるんです。

境界線って、「この人はこの人」っていう枠組みを決めるもの。

そこにズケズケと介入するのは、ちょっとややこしい言い方だけれど、
あなたは”あなただけ”で、”あなた”になれない!!!
って言っているのと同じ。(ややこしい)

めちゃくちゃな人格否定。
人間の尊厳否定。

自分がいかに他人の境界線侵入しているか気づいていない人は、
境界線を持とうとするどころか、平気な顔して、もっともっと侵入してしまうんです。

平気で土足で他人の領域に入っていく。

警察のお世話になる日も近いと思っている。息子をどうにかしないと。

どうにかって・・・。

2019年5月の川崎事件のあと、引きこもりの息子が社会に迷惑をかけるといけないから、
“どうにかした”元事務次官の殺人事件を思い出します。

「あなたのせいじゃない!」んです。
息子に対する、自責の念は間違っています。
自分に対する、自責の念です。
間違った思いを感じているから、苦しいんです。

他人の問題は、他人の問題。
あなたは影響を与えることはできるけれど、
本人の問題は本人が背負っている問題で、彼の意志と決断と行動にかかっているんです。

だから、そこに対しては、あなたは無力であることを認めること。

人は誰一人、他人の全ての決断とか意志とか、選択とか、過去とか、
全て操作できるなんて、絶対にありえません。

神様すらしない。

だから、まず自分の存在は、問題の根源でも何にもなくて、
実は「他人の問題は他人の問題だったんだ」って気づくこと。
気づいたら、認めること。

息子さんにどれだけ「お前のせいだ」と言われようが、
あなたが嘘を信じない。

ただでさえ、依存症という混乱状態の中に生きている息子さん。
その言動や行動にいちいち右往左往しない。

問題を起こすのは息子さんであり、他人の問題。

親子とはいえ、他人の問題。

成人した息子さんを、一人の人間として見ること。
それは親ができる最大の貢献。

彼の問題を抱え込もうとするのは、実は自分の恐れや不安なんですね。

そういう恐れや不安が相手にバンバン伝わっていたんですね。

お母さんが落ち着きを取り戻し、冷静になり、穏やかになったら、
今度はそういった安心とか冷静さとかが、息子さんに伝わっていきますよ。