【相談事例】離婚にあたって妻に言われたことが納得できない

2021/08/18夫婦関係, 想いの箱(悩み相談)

【相談内容】

妻と離婚協議中。妻から10:0で自分が悪いと言われた。確かに離婚を言い出したのは自分だが、それに至る経緯を見ず、一方的に自分の非を責められるのは納得できない。(30代 男性)

今回のケースは、既に弁護士を入れて、離婚調停に向けて進めているものの、妻から、100%自分が悪いように言われたことについて、納得がいかず、気持ちのやり場を失い、苦しい思いをしているということでした。

手続き上は、外部のプロに任せているので、通例通り5:5で落ち着くとのことですが、相手から全責任を押し付けられたような発言に、精神的ストレスを感じられていました。

人がどう思うかはどこまでも人の自由

自分が全く納得できないことを、人から決めつけられてしまうことは、誰しもあります。「あなたの責任だ」と言われ、全面的に自分の落ち度を突きつけられるのは、決して心地の良いものではありませんね

どうにかして、そう言ってくるのを認めまいと、たとえ相手に何も言えなくても、自分の中で心がざわつき、葛藤します。(ちなみに人に、怒りの思いをぶつけてしまうとか、感情的になってしまうというのは、自分の中の心の葛藤がオーバーフローして、溢れ出してしまった時に起きるものです。)

残念ながら、人はいつでも自由に相手のことを裁けます。それは、彼らの権利なんです。人は人のことをどう思うかの自由が与えられています。国家、法律も、ナチスも統制できない、人の心の中の自由です。

誰でも、レッテルを勝手に貼りたがります。あの人はこういう人だ・・・と。時に自分と比較したり、もしくは、他の誰かと比較したりしながら、ズバズバと相手を裁きます。

ここで、覚えておきたいのは、「心の中で何を思うかはいつの時代も、それは彼らの自由なんだ!」ということをどこまでも認めることです。相手は、あること、ないこと何でも言ってくるかもしれません。でも、「言う」という行為そのものは、彼らの自由なので、何にもできないんだと認めます。

認めた上で、「じゃあどうするのか」を考えるのか、それとも、「言われること」そのものに腹が立って、葛藤しし続けるかには、天と地ほどの差があるのです。

今回のケースでは、本人も自分が離婚を切り出したという点においては、自分の方により多くの過失があることは自覚しています。でもそこに至る経緯は、紆余曲折を経て、どうしても自分の中で譲ることのできない大切な価値観を妻から否定されたり、受け入れられなかったりして、最終決断をすることになったのです。

相手の領域から離れて、悩みのテーマを変える

この相談者は、「妻から10:0で自分の非だと言われたことに納得ができない」と悩んでいますが、大切なのは、たとえ妻から10:0と言われようが、自分は何対何なのか、そして、自分でそれを決めたなら、相手がどう言おうが、自分を受け入れ、相手を赦すことです。

妻は、妻で10:0だと、信じ貫き通しているのです。相手がどう思うかはどこまでも相手の自由です。

たとえ、刑務所に入れたとしても、人の心の中まで拘束することはできません。何をどういうふうに捉えるのかは相手の勝手です。

これを認め、理解することで、悩むこと、悩むテーマが変わってくるからです。相手の自由を認めることができたら、まるで相手を変えられるかのように捉え、どうしてこんなことを言われなくてはいけないのだろう?などと悩む必要はない・・・というより、できなくなります。自分がそもそも入っていくべき領域ではないとわかるからです。

自分はどう思っているのか、それを信じ貫く

自分の心が入っていくべき領域ではないことに入り込もうとしているから、悩み、葛藤し、苦しんでしまいます。まずは、相手どう出てこようが、自分は何を考え、何を信じるのかを決める。そして、それを貫き通すことです。

相手に認められて、相手が自分の思う通りのことを言ってくれて、初めて、自分を認められるのでは、いつまでたっても、人によって自分が揺れ、生き辛くなってしまいます。

主人公は他でない、自分であり、自分でしか、気持ちに決着をつけることも、葛藤をやめることもできません。何を思うか、その決定権は自分であり、他人に決められることではないのです。自分は自分の思いを貫くのでいいんだと思って、前進していってください。