【相談事例】夫が浮気した。離婚はしたくない。
【相談事例】
夫の浮気が発覚。1年以上も関係を持っていたことを知った。自分は夫が好きだし、離婚はしたくない。夫も離婚はしたくないけれど、私が要求すれば仕方ないと言っている。相手の女性に対して、慰謝料の請求と夫婦関係の修復について相談したい。(30代 女性)
浮気という問題は、もちろん夫婦の結婚の契約を軽視した行為で、浮気をした相手は理由は何であれ、問題を抱えています。ただし、今回のように「結婚」を双方が維持したい場合、この問題について相手を責めても、関係性の改善にはなかなかつながりません。
大前提として、問題は認めた上で、これからどうしていくのか、何を改め、どういう関係を築いていくのかということについて、よりフォーカスして真剣に考えていくことが大切です。
今回の相談者は、最初の段階では、何とかこの問題について、慰謝料を請求させ、自分の中でけじめをつけたいという思いでいっぱいでした。夫への不信感と怒り、そして相手の女性への怒りから、慰謝料という考えが浮かぶのは自然なことです。
ただし、自分は何をしたくて、どういう気持ちを大切にしたいのかということを何か大きなことを決断する前に、考える余地が必要です。今回の場合、本人自身、夫とやり直したいということ、そして夫と良い関係を持って、幸せになりたいという気持ちが強くあります。
だからこそ、浮気という許し難いことに直面しながらも、これからどう修復すればいいのかということについて真剣に悩まれているのです。
慰謝料を請求することで、相談者本人は、相手の女性も夫も、本当に嫌な思いをすると思うと感じておられました。
女性はともかく、これから結婚を維持していきたい中で、自分の夫に「嫌な思い」をさせることと、これからこの夫と結婚生活を良くしたいという気持ちは矛盾しています。
こういう矛盾した感情は、ことを急いで解決できる問題でもないのに、自分の衝動や感情を抑えきれずに、とにかく何かしないといてもたってもいられない状態に出てくることがあり、その結果、「自分がしたくないことをする。」という矛盾した行動をとってしまうことがあります。
どうしようもない葛藤の中で、自分がこれほど、辛い思いをして、嫌な気持ちだったことをわかってもらいたいという思いは、湧き上がってきてしまっています。でも、ここで大切なのは、気持ちはそうであっても、その気持ちは気持ちとして一旦置いておいて、実際の行動面では冷静な対処が求められます。特に、今回のように、目指していることが「離婚」でないのであれば、こういう手続きを進めることは慎重になった方が良いです。
慰謝料を請求することで、関係を全て精算したいという思いがありますが、実は心の思いは一部美化されていて、その裏にはリベンジであり、復讐の気持ちが隠れています。その手段の一つとして、慰謝料の話が出てきているだけです。
自分の中で「何かとっさに行動しよう」と思った時、どうして、こう思ったのかという裏を知ると、そこには本心や本当の動機が見えてきます。発覚してしまっった事実に対して、ショックが多すぎて、冷静になれず、衝動的に行動してしまい、あとから後悔する、もっと問題を大きくしてしまうということもあるのです。
「結婚」をこれからも維持していくということが揺るがないなら、なおさらの事、これから夫とじっくり話し合っていくことが沢山あります。
そのためにまずは、一旦自分の燃え続けている心を冷まし、冷静になることに意識を向けてみることです。こういう時は、気持ちが下がっていますから、何にも我慢しないで、好きだなとか、楽しいなと思うことをどんどんして、まずは休んで、自分を少しでも満たしてあげてください。焦らないことが大切です。
長い結婚生活をしていく中で、起きてしまった大きな問題を短い期間で、すぐに何とか答えを得ようとしても空回りになったり、問題の根本を解決できないことにつながってしまいます。
慰謝料を請求して、精算すれば、「自分」が落ち着きます。でも、これは「自分」のことなのです。それは、結婚という「自分たち」の落ち着きではありません。
夫婦はどこまでも二人の関係です。「自分」から離れて、「自分たち」の幸せを考えるようになれば、【夫婦】にとってより良い行動が選択できるようになります。
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