休職してしまうほどに頑張っているあなたへ
仕事でメンタルがやられて、何度か入院。休職してしまった。もう、繰り返したくないです。定年まで勤め上げたいんです。
30代 Rt
とっても、真面目で、しっかり仕事にも取り組まれて、頑張って、頑張りすぎたからこそ、疲れてしまったのですね。身体が悲鳴をあげて、心が悲鳴をあげて、もう無理となった時に、何かしらの不調が出ると、強制的に休む方向へ持っていかれるんです。
でも、休職を何度も繰り返したくない。勤め上げたい!その気持ち、私はすごいなと思います。個人的な話ですが、私は転職経験が2回ありますから。
Rtさん、基本すごく真面目で、頑張る方だと思うので、やっぱり、この課題に対しては、
「力を抜いていく」ことが必要になってくると思います。
多分、すごく聞きたくないと思うんですが、「あんまり頑張らない」ってことなんです。
どこか力を抜くこと、頑張らないこと=怠惰みたいなイメージもあって、抵抗があるかもしれませんが、決してそういう意味ではありません。
会社でしんどくなって、病院に入院したり、休職をしたりして、また会社に復帰する・・・このサイクルをもう繰り返したくないですよね。
今から数字を沢山出しますが、「キャパ」のイメージで持ってください。
鬱状態になってしまうくらいに頑張ってしまう人というのは、100がマックスの所を、120の力を出そうとするんですね。そして、実際に出しちゃって、しかも一発じゃなくて、出し続けるんです。
なんで、120を出すかといえば、色々な理由があると思います。勿論、性格的なこともあると思いますし、組織の場合、よくあるのが、自分の周りに、もしくは特に上司とかに、70くらいにしかやらない人がいるからなんですよ。真面目な人だから、チームを回していくために、自分がなんとかやっていかないとって考えちゃうんですね。
そうして、無理がかかったままで120でずっと突っ走ってしまうんです。そうすると、エンジンが切れちゃうんです。もう無理!となって、パタンと0になってしまう・・・これが休職です。
会社に復帰しても、復帰したすぐの頃は、自分はメンタルを病んでしまったことだし、あんまり無理しないようにしようなんて、自分に言い聞かせて、また周りも気を遣ってくれるから、ほどほどにブレーキをかけながら取り組むんですが、気づくと、また120になっていたりするんです。ちなみに、この上昇には、それなりのプロセスがあったはずなのに、渦中にいる時は全然気づいていなくて、「もう、やばい」となって初めて気づくんです。
高速道路で、90キロくらいで走っているつもりが、気づくと100キロ超えてしまっていたなんてことがあると思います。じわりじわりと加速状態が続いている時は、もう感覚がどんどん麻痺してきて、気づいたらすごいスピードが出てしまっていた・・・覆面に気づいて、はっとしたなんてこともよくあるんです。
でも、下道で、40キロくらいで走っている中で、いきなり90キロどころか、60キロとか70キロにあげるだけでも、すごいことになりますよね。多分相当アクセルを吹かすので、自分でも「出している」って感覚がわかるんです。
一時的に無理しても、ちゃんと戻せるなら、それはそれでバランスが取れるのですが、基本頑張りスタンスの人は、よほど自分にセーブをかけないと、どんどん、加速状態になっていて、気づくとすごい無理をしているスパイラルに入ってしまうので注意が必要です。
とはいえ、「いや、70くらいを維持するなんて無理。」って思ってしまうかもしれません。そういう時は、こう考えて欲しいのですが、ちょっと厳しいことを言いますけれど、メンタルがやられるほどに負荷をかけて、120から0に急降下(休職)、そして復帰による急上昇を繰り返すよりは、70位で安定して、継続してくれていた方が、組織としても助かるんです。
「いやいやでも、70でずっとやっていたら回っていかない!」と思う時は、こうも考えてください。あなたが120➡︎0になることで、組織からぽ〜んと抜けてしまうことで、また組織には、残された誰かに負荷が寄ってしまうんですね。そうすると、その誰かは結局100超えになってしまうこともあるんですよ。すると、もしかしたらその人もメンタルを病んでしまう予備軍になってしまうかもしれないんです。つまり、一人が超加速をすることで、心身に無理をかけてしまうことは、別の誰かを加速させてしまうかもしれないリスクを生むんです。
メンタル系の問題をよく出す職場は、一人に留まらず、どんどん出してしまって、出さない職場は全然出さないと2分化してしまう事実にも、そのことがよく表れていると思います。きっとあなたも、もしかしたら、誰かがぶっ飛ばしているのを見て、頑張らざるをえない状況に置かれた、元はといえば第2走者だったかもしれません。
70でも、継続してくれた方が、組織としては助かっているという視点に立てば、いつもぶっ飛ばして120にして、メンタルダウンにするまでやることないな!ってことが見えてくると思います。
そして、もう一つ。人の能力なんて、そんなに対して変わりありません。みんな70位出せば、組織は回っていくんです。それを、一人が120位出して、一人は40位でサボって、ある人は70位に安定していて・・・そんな感じになっているんです。だから、頑張りすぎるのをやめたら、そのチームの中であまりにも適当にやりすぎている人に、ちゃんと仕事が振り分けられるか、そうでもなかったら、その人は取り除かれ、別の人がやってくるか・・・そううやって回っていくんです。
一時的に「何かやらなきゃいけないように思える状況」にあくせくして、振り回されて、自分の心や身体をすり切れるほどまでに頑張らなくていいんです。
70位でゆるく継続していきましょうよ。その方が、Rtさんだけでなく、Rtさんの家族もハッピーだし、何よりも自分が安心できると思います。
50メートル走のスピードでは、誰も長時間走れません。金メダリストのボルトだって、無理です。長距離走で、ゆっくり走るから、長続きするんです。定年まで勤めるっていうのは、長期戦なんです。何十年っていう長い歩みなんです。
だからこそ、できないことは他にカバーしてもらいながら、時にごめんなさいもしながら、70位の力で、コツコツと継続してみてください。自分が70位で継続することが、一時的な自分の頑張りでやりくりするよりも、はるかに大きな助けになることを受け入れて、肩の力を抜いて、やっていてくださいね。
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