やっと悩みを打ち明けてくれた家族と接するときに注意する3つのこと
家族から悩みを打ち明けられました。しかも、突然のカミングアウトです。葛藤している思いを伝えられました。
たとえば、
実は、いじめを目撃した。
実は、自分はゲイであるということが分かった。
実は、婚約者はには子供がいた。
実は、夫から家庭内暴力を受けいている。
実は、子供から、罵倒された。
実は、妻が精神科に入ることになった。
など。
あなたはずっと待っていました。相手が心を開いてくれるのを。辛そう、苦しそうなのはわかっていたけれど、なかなか話すことができませんでした。
そんな家族から、悩みを打ち明けられたんです…どんな反応をしますか?
家族から、悩みを打ち明けられた時に、ちょっとした特別感を抱くかもしれません。相手は自分を信頼しているから話してくれたということを感じるからです。悩みを打ち明けられるというのは、秘密を教えてもらうような感覚に似ています。秘密は誰にでも言いません。
人は信頼できない相手に、心を開けません。人に何かをカミングアウトするってことは、とっても勇気がいるんです。
少し、思い出してみて下さい。あなたが、思い切って、決断を誰かに伝えた時。こころの奥底にずっと秘めていた苦しみを吐き出した時、どんな思いでしたか?
心を開くというのは、とっても勇気がいることです。本当は怖いんです。なぜなら、心を開くというのは、すごく無防備だから。
どこから、どんな攻撃がくるかわかりません。もしかしたら、傷つくかもしれません。それでも思い切って、心を開いたんです。
家族から、大きな悩みや大きな決断をカミングアウトされると、少し腕まくりをして、その人の気持ちに寄り添おうという気持ちになるかもしれません。頼ってくれたことが嬉しいんです。
だからこそ、せっかく開いてくれた心を二度と開かないまでに閉じさせてさせてしまう会話にはしたくありません。
本当に信頼していたからこそ、心を開いたのに、もしそこで相手を傷つけてしまうと、相手はあなたに対して心を再び開くのが難しくなります。心をオープンにしてしまった分、余計に傷つくんです。
では、どんな対応をすればいいのでしょうか?3つ点から紹介します。
目次
「わかる」と言わないこと
まず、1つ目に注意しないといけないのが、「わかる」という言葉です。
悩み相談を受けた時、「わかる」ということを簡単に言ってしまうのは、危険です。これは意識しないとすぐ言ってしまいがちな言葉です。
「えっ?理解しようとしてるんだけど?」「寄り添ってるんだけど?」と思う気持ちもあるかもしれません。
でも、少し相手の立場になってみて下さい。相手にとっては、大きな悩みのタネをあなたに打ち明けたのです。
色々な葛藤を経て、あなたに告白したのです。それを、たかが少し話を聞いて、「わかってもらえたら」困ります。
相手にとっては、そんな簡単に「わかる」話、そんな簡単に「解決」できる話ではありません。「わかる、わかる」と安易に言うことは、せっかく開いた心に「わかる」という石ころを投げて、傷つけてしまう可能性があるんです。
人を理解することは、そんなに簡単ではありません。まして、本人が苦しんでいることを、傍からみた他人がわかることは一部です。基本は、人は相手をわかりません。
でも、人はもちろん相手に理解されることで、安心感を得られます。そういう意味では、「わかる」という言葉は支えにもなりうるんです。
では、どうすればいいんでしょうか?それは、「わかる」に一言を添えるだけです。それは、「私なりにわかる。」です。この一言を入れるだけで、全然違います。
「私なりに」と付け加えるなら、それは、あなた自身の経験や、考えから、相手の状況を理解しよう、寄り添おうという、「私なりの努力」が伝わるからです。「私なりにわかる。」には、「あなたのこと、もちろんすべてはわからないけれど、私なりにわかろうとします。」というメッセージです。
それは相手に対する敬意があります。
その時、相手は、この人は、私の信頼に答えて、本当に寄り添おうとしてくれるんだという気持ちになれます。その時、ますます心を開いてみようと思えるのです。
相手が話しやすい環境をつくる
2つ目は、相手が心を開こうとしている時に、絶対に相手の話を折らないことです。ついついアドバイスをしたくなったり、追加質問をしたくなるかもしれません。
でも、相手が心を開いている時は無防備な状態なんです。ちょっとでも攻撃が入るなら、開いた殻は閉じかねません。
そして、あなたが、その相手を本当に大切に思っていて、自分に心を開いてほしいと思っているなら、相手が言いたいことだけを言える環境をつくってあげる工夫をします。
洗い物をしている時に、相手がカミングアウトしたなら、その手を止めます。Netflixを見ている時に話しかけてきたなら、一時停止ボタンを押します。
そうやって、相手の悩みに耳を傾けて、相手が話しやすい環境を整えてあげます。
話すペースは相手に任せる
そして、最後の3つ目は、話すペースは完全に相手に任せるということです。
ペースというのは、相手がどれだけ話すのか、話し続けるのか、それともやめるのか、ただ聞いて欲しいのか、それとも意見を聞きたいのか(ほとんどの場合、悩みのカミングアウトで意見を聞きたいというのはありません)…これらを相手のペースに合わせてあげます。
そして、勇気を持ってあなたに打ち明けてくれたけれど、それでもやっぱり相手が話をやめたいなら、やめるのを受け入れます。「ちょっとちょっと、待って。そこまで話したなら、言ってよ!気になるじゃん。」はNGです。
悩みを打ち明けている相手のペースを尊重すると、相手はあなたへの信頼を高めます。
信頼が高まれば、心が開きやすくなります。もしかしたら話の続きは、後日になるかもしれません。ずっと先になるかもしれません。でも、この人には話せるという心の支えは、相手は確実に受け取っているのです。
相手に心を開いてもらいたいなら、相手を尊重すること。そして、その存在を認め、相手の声をしっかり聞き、相手の言葉をあなたの心で受け取るなら、相手はあなたに心を開いてくれます。
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