心理・思考

今回は、劣等感について取り上げます。

前回このシリーズで、「自分が嫌い」な人について書きましたが、「自分が嫌い」も、劣等感を感じているからこそ出てくる気持ちです。

劣等感の言葉の意味

劣等感という言葉は、そもそもどういう意味なのか考えた事はありますか。

アドラーはドイツ語の「劣等感」という意味を「劣等感」=「価値」+「より少ない」+「感覚」に分解しています。「~ができない」とか、「人から下位に見られた」「人より優れていない」など、劣等感の感じ方は様々ですが、共通しているのは、確かにいずれも自分の価値が下がったような気持ちになるということです。

無力感を感じたり、自信喪失して自分のことが嫌いになったりすると、自分の価値を正しく認識することが難しくなってきます。

ただ、確認したいのが、そもそも価値というものは、人がどう定義するかでどんな風にも変わってしまうものです。何も決められた「価値」というものがあるわけではありません。これは事実であり、とっても大切な考えです。

「みんな違って、みんないい」

金子みすずの「わたしと ...

心理・思考

今回は、「自分が嫌い」というテーマを取り上げます。

自分が嫌いのまま「幸せ」になることは難しいです。人生が充実している人、何かに挑戦して努力している人、他人に尽くしたり親切ができる人は、「自分」に対して、肯定的であり、その「自分」がやっていることも受け入れています。

自分が「自分」であることを「良し」とし、自分を大切にします。

【やる気がない時のすすめ】自分を責めずに、やる気のない自分を受け入れて!
【自責癖をなおしたい!】自分を責めてしまう癖があるときの対処法

長年、何かに悩み続けていたり、うつ病や依存症に苦しんでいたり、対人関係を極端に避けようとする人は、自分を肯定的にはなかなか受け入れません。

落ち込んでいる自分に対する、そんな中で世間の風当たりや他人の冷たさを感じたりしたら、自分に対する自信をますます失ってしまいます。

アドラーの「目的論」に当てはめる

アドラー心理学は、目的論でも書いた通り、「~だから~」のロジックは否定します。

だから、「自分が嫌い」だから、人と接することができな ...

心理・思考

今回は、変化について取り上げます。

アドラー心理学「嫌われる勇気」のシリーズ3回目です。
1回目:アドラー心理学「嫌われる勇気」目的論(1)
2回目:アドラー心理学「嫌われる勇気」選択(2)

アドラーのいう「苦しい生き方」

人は心の隅では変化を求めています。でも、思うように変わりきれない自分に失望して、変わろうとすることをやめたり、言い訳したり、先延ばしにしたりします。

それでも「変わりたい」という思いが完全に消えて無くなるわけじゃありません。常に頭の片隅に残っているんです。

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)では、こういう状況を「苦しい生き方」(P56)と言っています。

変化することをやめた時に、同時に「変化したい」という欲求も消えて無くなるなら、もっとシンプルかもしれません。

でも、人間は常に向上したいし、幸せになりたいし、そもそも「嫌な」状態を避け、「良い」状態を求めるのは、人間の根源的な欲求です。

「やりたくてもやれない」、「分かっているけれどできない」、「やった ...

心理・思考

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)から、アドラー心理学をテーマに取り上げています。今回は2回目「選択」について取り上げます。

1回目の目的論について→アドラー心理学「嫌われる勇気」目的論(1)

選択は、アドラー心理学では重要な要素です。

アドラー心理学は勇気の心理学とも言われていますが、「何かを選びとる」ということは、同時に「何かを選びとらないこと」でもあり、勇気が試される瞬間です。

勇気と書くと、何だか大げさな気もしてしまうかもしれませんが、ケーキ1つ、ランチメニュー1つ、志望校1つ、就職先1つ、すべて選択したものであり、同時に選択しなかったものを、今この瞬間は捨てています。

日常の中で、この「選択している」ということを認識できるかどうか。逆に言えば、「選択している」ということを認めるまでは、違う選択はできません。

「選択している」ことを認めないなら、実は選択できるにもかかわらず、「たまたま」とか「ならざるをえない」とか、他の何かによって、誰かによって、この状況にさせられた、不可避的なものと見て ...

心理・思考

何かのせいで、今の自分はこうなってしまって、変われない!って思っていませんか?そんな時は、目的論の考え方が役に立ちます。

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)の本、以前、ベストセラーになって流行りました。

読んだことありますか?

私は読みました。今回は、この本のテーマになっているアドラー心理学について取り上げます。

原因論では、変えられない過去に今が支配されてしまう

目的論は、「嫌われる勇気」の本の最初に取り上げられているテーマです。

目的論とは、「○○だから△△が起きた」という因果関係を持たせる「原因論」と反対の立場をとっています。

通常、日常の些細なことは、何でも因果関係で考えてしまうことがありますよね。例えば、慌てていたから忘れた。食べたから眠くなったなどなど。私たちの頭は、「○○だから△△が起きた」って、いつも無意識に考えています。

それに対して、目的論では、「目的」を実現するために、今の行動をとっているという考え方です。

原因論で、トラウマや、過去の生い立ち、環境によ ...