アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ⑥ー認められたい!?承認欲求への対処法
今回は、承認欲求について取り上げます。
前回のシリーズ⤵
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ④ー「自分のことが嫌い」の思いとどう向き合う!?
目次
承認欲求とは?
承認欲求というのは、ずばり「認められたい欲求」ですね。
人は多かれ少なかれ、この欲求を持っています。
仕事しているなら、
「いい仕事しているね、助かるよ!」
と言われるとやる気が出てくるかもしれません。
勉強しているなら、
「テストでいい点を取ってすごいね、本当に優秀だね!」
と言われると嬉しくなるかもしれません。
逆に、
「君は本当に仕事ができないな!」
「本当に頭が悪いな!」
などと言われると、気持ちが下がってしまうかもしれません。
人に何を言われようが気にしないで!と言いたいところですが、
とはいえ、褒められて嬉しくなるのも、ダメ出しされて、がっかりするのも、自然な反応です。
「人からどう思われるか」が気になるという思いから解放されるには?
この反応そのものには、何にも問題ありません。
ただ承認欲求となると、
「認められたい!」という気持ちが『先』にあって、
仕事を頑張ったり、勉強を一生懸命したりするんです。
人間誰しも、承認欲求はあります。
でも、承認欲求の比重が高くなってしまうと、
自分の夢に向かって挑戦したい!
こういう勉強をしたい!
という、純粋に自分の成長や楽しさから、物事に取り組むよりも、
「人から認められる」ということを目的に努力してしまいます。
これでは、
自分の人生なのに、他人の顔色を伺って生きるような生き方です。
【TJT】他人によって、自分の価値を高めてもらおうとする考え方を手放すメリット
アドラーは、
承認欲求が強いのは、他人の人生を歩んでいることで、自分の人生を歩んでいない
と言います。
どれだけ、社会的地位が高くなったり、人から認められても、
自分が心から望むことをしていないのなら、幸せを感じにくいです。
承認欲求が強すぎると、自分を生きづらい状況に招きます。
本心を軽視するので、次第に疲れてくるんですね。
また、認められることを前提に行動しようすると、
「認められる」ように行動をしようとします。
すると、行動が限定的になります。
認められようとしているのに認められないと、自信喪失や不安につながります。
幸せになるために、不健全な承認欲求は切り離すこと。
そうすることで、もっと自由に自分の人生を豊かに歩むことができるんです。
とはいえ、そう簡単に承認欲求を捨てられるものでもないかもしれません。
後半はその承認欲求どう向き合えばいいのかについて取り上げます。
でもやっぱり「認められたい!」という思いが強すぎる時は?
「認められたい」気持ちが強すぎるのと、
同時に「認められないなら、やってはいけない」という症状が出ています。
極端にいえば、人から認められないなら、今自分がしていることに価値を見出せなくなるという状態です。
承認欲求は、自分がやっていることが「認められる」ことによって、
価値を見出せるという極めて他者依存のものです。
自分が自分を認めないんですね。
なので、とても自分に厳しい生き方でもあります。
「自分に厳しい」をやめるには?自分に厳しいところを緩めていく3つのメリット
承認欲求の思いが強すぎる時に考えないといけないのは、まずは自分への信頼です。
他者にたとえ認められなくても、他者からたとえ何も言われなくても、
自分がやっていることにちゃんと自分が納得する意味を見出すということです。
他者からの評価に依存している人は、こうした自分で自分を満足させることが上手くできません。
【自分の人生に満足していない理由】足りないに注目し、足りないを満たす日々を送っていませんか?
単に自分が好きだからという理由で何ら問題がないことに対しても、
「そんなのはただの自己満だ!」
と、自分を受け入れようとしないんですね。
適切に自分に満足ができるようになると、
承認欲求はだんだんと弱まっていき、次第にはなくなります。
というのも、自分で自分を簡単に承認できるようになっているからです。
他人からの承認はあればおまけみたいなものです。
自分が人からどう見られるか?などということよりも、
どうしたらもっと人に貢献できるか?を考えられるんです。
そして、更に自分を磨いていくことに集中していきます。
健全な自己認識は、
自分で自分の日々の成長を認め、受け入れることができます。
人と比較することなどしません。
もちろん、「ただの自己満足に過ぎない」などと自己卑下することもしません。
自分の人生を自分でしっかり肯定できる状態になっていきます。
人に合わせてしまって自分軸がない!?「これが私ですけれど、何か?」を持つ
比較対象は、あえて言うなら昨日の自分かもしれません。
昨日よりも今日うまくできたことに注目します。
そうすることで、自分の成長に集中できるようになり、
気づかないうちに、成長がどんどん積み重なっていきます。
そして、自分が思い描いていたこと、望んでいたことが現実になっている歩みができるのです。
承認欲求を持つことは、自分の人生を選択しないこと
承認欲求を持ち続けた場合の危険性は、思ったより実は深刻なものです。
承認欲求はどこまでも他者基準の欲求です。
自分の発言、行動、これらを他者に合わせようとしていく欲求です。
認める相手はどこまでも「自分」ではなく、「他人」です。
これではいつまで経っても、自分の人生を歩むことができません。
自分のことを認めてくれる人、認めてくれる場所を求めて転々としてしまいます。
どこへ行っても、他人は他人です。
自分以外の人たちは、様々です。
自分と出会う人は様々で、関わる人も様々な中で、
変わりやすい「他者」を相手に、常に承認を求めるのは、
実はかなりリスクのある生き方とも言えるんですね。
承認欲求を持ち続けることは、日々、自分の人生の選択しないことと同義です。
もし、日常の中で、
「あっ、他者の承認を求めている行動だな。」
と気づいたら、立ち止まって、
「自分は本当はどうしたいんだろう?」
を考えてみてください。
この積み重ねがどんどん自分軸を作っていきます。
そして、ますます自分を大切に、豊かな人生を送れるようになっていきますよ。
アドラー心理学シリーズ
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ①ー生い立ち・環境・家族のせいで変われない!?には目的論
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ②ー毎日は「選択」の連続
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ③ー変化すること
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ④ー「自分のことが嫌い」の思いとどう向き合う!?
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ⑤ー健全な劣等感と不健全な劣等感!?
「嫌われる勇気(Amazonで見る)」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)
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