アドラー心理学「嫌われる勇気」変化(3)

心理・思考

心に葛藤を感じていることは、質問とコメント(想いの箱)から、お送りください。お待ちしています☆

 

今回は、変化について取り上げます。

アドラー心理学「嫌われる勇気」のシリーズ3回目です。
1回目:アドラー心理学「嫌われる勇気」目的論(1)
2回目:アドラー心理学「嫌われる勇気」選択(2)

アドラーのいう「苦しい生き方」

人は心の隅では変化を求めています。でも、思うように変わりきれない自分に失望して、変わろうとすることをやめたり、言い訳したり、先延ばしにしたりします。

それでも「変わりたい」という思いが完全に消えて無くなるわけじゃありません。常に頭の片隅に残っているんです。

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)では、こういう状況を「苦しい生き方」(P56)と言っています。

変化することをやめた時に、同時に「変化したい」という欲求も消えて無くなるなら、もっとシンプルかもしれません。

でも、人間は常に向上したいし、幸せになりたいし、そもそも「嫌な」状態を避け、「良い」状態を求めるのは、人間の根源的な欲求です。

「やりたくてもやれない」、「分かっているけれどできない」、「やったほうがいいのに言い訳が出たり、先延ばしにしちゃう」・・・こう思う時、自分は自分に甘いのかと思ってしまうかもしれません。

しかし、実はそうではなくて、「『やりたくてもやれない』と考えてしまう思考そのもの」が苦しい日常を作り出し、自分に厳しくしてしまっていることだと気付くと、見方が大きく変わってきます。

まだ言っている?「頭ではわかっているけれど、できない」の対処法

今のライフスタイルをやめる決心

アドラー心理学で、まずやるべきことは「今のライフスタイルをやめる」いう決心です。

これは何も、タバコをやめる、スナック菓子をやめる、フェイスブックをやめる、漫画をやめる、浮気をやめる・・・などといった、心の中で、「やめたほうがいいんだろうな~」と思っている行為をやめることではなくて、もっと積極的な意味を持っています。

つまり、今、やろうとしていること、やりたいこと、やるべきと感じていることを、シンプルにそのままやることです。これが、ライフスタイルが変化するということです。そして、ライフスタイルの変化が起こせたなら、それは自動的に「今のライフスタイルをやめる」ことの実現ができています。

真面目な人ほど、あれをしなくちゃいけない、これもしなくちゃいけない、そのためにはあれをやめて、これをやめて・・・でも、これはやめるわけにはいかなくて・・・とぐちゃぐちゃ頭の中で考えてしまいます。

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)の中にも、何度も出てきますが、「世界はシンプル」です。

そして、それを複雑にしているのは「私たちの主観」です。ここをしっかり切り分けてることはすごく大切です。

澄み切った世界に、ぐちゃぐちゃの思考を持ち込んで、混乱の世界にしないようにすること。世界はどこまでもシンプルだと認めること。そして混乱を持ち込ませず、今のライフスタイルをやめるための、積極的なアプローチは何なのかをクリアにし、前に進むことです。

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「やめよう」じゃなくて、「やろう」

何かを始めれば、何かは自然になくなります。変化を起こすなら、やめよう、やめようと考えるより、やろう、やろうと考える方が賢明です。

やろう、やろうとすれば、自然にどうでもいいことに割く時間は淘汰されていき、完全にやめざるを得ない状況になります。1日24時間、人がやれることは、有限だからです。

アドラー心理学は勇気の心理学です。心の片隅にずっとわだかまりを抱えつつ人生を送るという「苦しい生き方」じゃなくて、今の自分のままで、やろうとしていることをどんな小さな形でもいいから、まずはじめてみること。

そして、前に進んだら、次に行く先がイメージした通りでなくても、前へ進み続けること。

運動しようと思っているなら、まずランニングシューズを買いに行くこと。家を掃除したいと思っているなら、掃除機を手にすること。食生活を変えたいなら、お菓子売り場に寄らずにスーパーを出ること、ライターになりたいなら、ネットで懸賞を探すこと、ブログをはじめてみること、小さなことでも、前に向かって歩みだした時に、変化は既に起こっています。

将来を予測し過ぎることは時に危険です。いい変化を望みたいとか、悪い変化は避けたいとか、そういうことを考えているから、前に出にくくなるんです。変化にいいも悪いもない。今いるところにはもういない。どの結果が出ようとも、自分は前に進み続ける。前に進んだ先、次の分かれ道で、自分の全く意図していなかった道が見えるかもしれない。それでも、また自ら選択して、前に進む。そうやって自分の人生を歩み続けるんです。

この変化の繰り返しこそ、人生を充実なものにしてくれ、時にたとえ傷だらけになっても、転んだりしても、自分の人生の歩みに自信を持てる生き方にしてくれます。なぜなら、自分のするべきこと応答し続けている人生だからです。

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