決められないのは、答えがないからじゃない ー「保留中」にとどまりたくなる心理

自己認識・自己理解

頭の中がごちゃごちゃして、堂々巡りしていると感じていませんか?
今回は、堂々巡りは単なる考え過ぎではないという視点から取り上げたいと思います。

結論や答えとして着地させることへの不安

実は、堂々巡りをしてしまうときというのは、「答えが分からない」のではなく、答えを確定させることに不安を感じている場合が多いんです。

自分の中に、多分「こうだろうな」っていうぼんやりとした答えは既にあるんだけれど、
それが答えをこう何か確定ボタンを押すような、承認するよう「答えとして着地させる」ことに不安があるんです。

なぜ不安かと言うと、確定した途端、次のフェーズに進まないといけないような気がするからなんですね。

「答えが出たら、もう動かなきゃいけない」
「答えが出たら、決めなきゃいけない」
「答えが出たら、もう後戻りできない」

そんなふうに感じてしまうと、答えを出すこと自体が、何か自分を追い立てるようなものに感じられてしまいます。でも、本当は「答えを出すこと」と「すぐに何かをすること」は、別のことです。

ただいま考え中ー保留中の心地よさ

実はずっと悩んでいる、考えている「保留中」って心地よかったりもするんです。とんでもない!苦しいに決まっている!と思うかもしれませんが、保留中にしておくメリットは、可能性の中に留まれるんです。

こうもするし、ああもする。選択肢がまだある。
なんとなく自分の中の手にコントロール権を持っていられる感じがするんです。

悩む時間があり、悩むことができる以上、ついつい保留中を引き延ばしてしまうことがあります。

「答えを出す」ことに恐れなくていい理由

ただ同時に、時間が経てば、いずれ解決しないといけないという恐れも、現実的なものとして降りかかります。更に、ものによっては、時間が経てば経つほど、厄介になるケースだってあるんです。

恐れが強いと、堂々巡りは更に加速し、保留中でも気持ちが悪い。保留中のままでもいけないって感じが強くなって、更に堂々巡りしてしまうこともあるんです。

確かに、堂々巡りは決して心地いいものではありません。
決めなきゃいけないものは決めたほうが、気が楽になることもあります。

ただ、ここで一つ覚えておきたいのは、「答えを出す」というのは、必ずしも「すぐに行動する」という意味ではないということです。

たとえば、「私は今の仕事をこのまま続けたくない」と気づいたとしても、その翌日に退職届を出さなければならないわけではありません。「私は今の働き方に違和感を感じているんだ」と、自分の中で認められただけでも、一つの着地です。

「今はまだ動かない」
「もう少し様子を見る」
「これは今の自分には必要ない」

そんな答えだってあります。答えを出すというのは、何かを急いで決断して、自分を次のステージへ押し出すことではありません。

「私は今、こう感じている」
「今の現実はこうなっている」
「だから、今はこうする」

と、自分の立っている場所を確認することでもあるんです。自分の立っている場所が分かれば、頭の中で何度も何度も考え続ける必要がなくなってきます。

答えを出すことは、自分を追い立てることではなく、自分を解放することでもあるんです。

同時に、保留中にしておいて、そのまま放置すればいいものだってあるんです。時間が解決してくれるものもあります。今すぐにどうこう動く必要が無くて、今この瞬間、困っていないものもあるんです。時期が来てからやったほうがスムーズにいくものだってあります。

もちろんそういう時は、堂々と保留中にしておけば大丈夫です。

ただし、ここで大切なのは、「分からないから、ずっと考え続ける」という保留と、「今は決めない」と自分で選んだ保留は違うということ。

「今はまだ決めなくていい」と整理できたなら、それも一つの答えです。保留中という引き出しにしまったというのも、立派な決断です。

答えを出したからといって、誰かに急かされるわけでもありません。何かを決めたからといって、すぐに行動しなければ責められるわけでもありません。答えを出すことは、あなたを急かすためのものではないんです。

むしろ、自分の中で考え続けていたことを一度整理して、「私は今ここにいる」と確認することで、頭の中でずっと動き続けていたものを、少し休ませてあげることができます。

だから、「答えを出したら次に進まなきゃ」と恐れなくても大丈夫。答えを出すことは、何かを始めることだけではありません。

今の自分を受け入れること。現実をそのまま見ること。「今はこれでいい」と決めること。

それも、立派な「答え」ですよ。

 

 


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