人間関係と境界線

今回は、頂いたお便りに回答します。

娘は薬物依存症です。これまで刑務所に2回入りました。娘が借入をしていた金融機関から次々と連絡が来て、もうこれ以上払えません。娘は刑務所で辛い思いをしているのではないかと思い、お小遣いを渡しています。上の娘から、借金を返すなと言われましたが、親の気持ちはそんなことできないんです。

                                 (60代 男性)

まずは、こちらを↓読んでみることをおすすめします。全部で48ページと長いですので、スキップしたい場合は13ページから読んでみてください。厚生労働省発行のPDFです。

ご家族の薬物問題でお困りの方へー厚生労働省

特に重要なのが、15ページに書いてある「2、薬物依存症と家族の悪循環」という章です。下記に、引用しますね。

身も心も疲れ果て、誰にも相談できない状態にありながら、大切なご本人をなんとか立ち直らせようと必死になっているご家族の姿は、薬物依存症からみると格好の利用相手です。
ご家族が、これを機会に立ち直って ...

人間関係と境界線

今回は、頂いたメッセージに回答します。

夫が食べたものは食べっぱなし、脱いだものは脱ぎっぱなし、エアコンもテレビもつけたものはつけっぱなしです。なんとかならないんでしょうか?                                               

                                          20代 シュシュ 

シュシュさん、こんにちは。

なんとかならないんでしょうか? というご質問なので、シュシュさんが「何かしら働きかける」ことによって、夫さんの、食べっぱなし、脱ぎっぱなし、つけっぱなしが改善されたりしないんでしょうか?

という意味で、理解しますね。

これは、夫さんの行動なので、夫さんの行動を他人がどうこうはできません。他人の行動は、他人のものなので、所有権は完全に他人なんですね。

人間関係の境界線

だから、シュシュさんがこの行動を矯正しようと思って、「何かしら働きかけ」ても、あまり意味がないか、もしくは働きかけによっては、 ...

人間関係と境界線

シリーズの最終回です。

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①・・・「自分になっていくこと」について
「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること②・・・「自分の万能性を否定すること」について

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①の記事で、

人が脱いだもの、
人が食べたもの、
人がやるべき仕事、

本当は、心がついてきていないのに、
「私さえ我慢すれば」でやっていませんか?

本来守るべき、自分自身の境界線を放棄してしまうことは、
相手を無防備に、自分の中に受け入れることを意味します。

これは、愛でも思いやりでもないんですね。

どちらかというと、相手の境界線をも崩すお手伝いをしてしまうようなことなんです。
相手も本当は入ってきちゃいけないはずのあなたの領域に知らず知らずのうちに入りこんじゃうんですね。
ただ、これは別のトピックになりますので、また次の記事で書いていきたいと思います。

と書きました。

今回は、ここで書いた「別 ...

人間関係と境界線

前回のテーマの続きです。

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てていくことは、自分の限界であったり、自分の境界線をちゃんと守ることにつながりますということを、前回の記事では伝えました。

【人間関係の境界線】「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①

「私さえ我慢すれば」に続く言葉は、やはり、

できる

なんですね。

そして、この「できる」という言葉はとても肯定的で、可能性に溢れているような言葉に見えて、
実は、考え方によっては、危険な香りがする言葉でもあるんです。

というのも、

自分自身の万能性

を認めることになるからです。

自分自身が万能であると認識することは、心にとっては、とても重いです。

なんでかっていうと、万能じゃないからです。

「(人は誰でも)万能にはなれないのに、万能であらなくてはいけない」
と思うことが、とっても重いんですね。

自分さえなんとかすれば、自分さえ努力すれば、

できる
うまく ...

人間関係と境界線

「私さえ我慢すれば」という思いを抱えている方へ。
今回は同じテーマで、3つに分けて書いていこうと思います。

まず1回目は、「私さえ我慢すれば」の思いをちゃんと捨てようということです。

この我慢を捨てることで、自分になっていくということについてです。

心重くなる自己犠牲感「私さえ・・・・」

「私さえ我慢すれば」の思いは、心をとっても重たくします。なぜなら、私さえ我慢すればの後に続く言葉は大抵、「できる」なんですね。

私さえ我慢すれば、何かができる、何かがうまくいく・・・

んですね。

特に家族に対して。配偶者や子供に対して。

すごく我慢して、犠牲を払っているあなたは、日々心が休まらない日々を送っているかもしれません。

こころの栄養は、境界線という考え方を大切にします。

「私さえ我慢すれば」という考えには、たとえ本当は自分が守らなくてはいけない自分の領域内においてでも、相手に対してオープンになり過ぎているんですね。

相手が土足で、自分のプライベートな部屋の中に入 ...

人間関係と境界線

今回は、家族を大切に思っていて、愛している。だからこそ辛い。だけど辛い。そんな重い心を抱えている人に向けて書いています。

まず、最初にとても辛いですよね。

あなたが良かれと思ってやってることが水の泡になっています。

子供をお持ちの方は、注意して、怒っても、良くなるどころかますます悪くなる。怒っても意味がないとわかっていながら、やっぱり怒ってしまう。気持ちの行き場に困ってしまう。

本当に辛いと思います。

あなたは人一番愛情があって、思いやりもあって、簡単に人を切り捨てられる人ではありません。だからこそ、余計に苦しいんです。

「辛いならやめればいいじゃん」っていう人もいますけれど、それができないから辛いんですよね。

「できないって思っているのは、自分だよ。自分が手放せばいい。」っていう人がいますけれど、手放し方がわからないですし、そもそも手放していいのかダメなのかもわからないですよね。

あなたはとっても真面目な方です。

真面目に一生懸命生きていこうとしているんです。

人間関係と境界線

今回は、夫婦間における気持ちのイライラについて取り上げます。夫・妻の好き勝手な行動にムカついてしまっている時ですね。

好き勝手な行動にムカつく・・・というのは、夫婦喧嘩のほとんどがこれなのでは?というほど、よくある話です。

ムカついているのは、ほとんどの場合、「思いどおりにならない」からです。

自分が正しいとか、相手が間違っているとか関係なく。常識も関係なく。自分の考えている通りにしてくれるなら、イライラはしませんよね。

結婚生活では、育った環境が違う他人同士が一つ屋根の下に共存することです。これをうまくやるには、自分の「思いどおりにならない」こととの付き合いが鍵になってきます。

相手と一致しないことにいちいち反応していたら、結婚生活はあっという間に壊れていきます。

たとえ努力して、相手と喧嘩を起こさないように、我慢に我慢を重ねてしまうのも健康的ではありません。表向きは平和な家庭に見えても、その感情が押し殺した我慢であるなら、決して幸せを感じることが難しいでしょう。

家族の好き勝手?!「付き合って ...

人間関係と境界線

【相談内容】
妻から、モラハラだと言われた。改善せねばと思うのですが、なかなか改善できない状態で困っています。(30代 男性)

今回はメッセージに回答します。メッセージありがとうございます。

状況の説明がないので、背景が分かりかねますが、モラハラという言葉についてと、文章の表現から気づいたことについて、回答しますね。

まず念のため、モラハラとは、モラルハラスメントの略で、精神的な暴力や嫌がらせのことを指します。殴る、蹴る、叩くなどといった身体的な暴力に対し、目で見えにくい言葉遣いや、態度によって相手を傷つける行為です。

妻から「モラハラを受けている」と言われた事実を受け止め、なんとかしなくてはならないと感じていらっしゃるんですね。ただ、「感じてはいる」けれど、なかなか改善できないという状況に陥っているんですね。

私たちの普段の生活の中でも、このようなことは別に夫婦関係や人間関係のトラブルでなくても、よくあることです。問題を認識はしたけれど、問題解決ができないというジレンマです。

夫がこの状況と向き合う ...