【相談事例】母から不本意な悪口を言われ続けられるのが苦しい

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【相談内容】

同居の母が周囲の人に自分の悪口を言う。自分がどれだけ母を手伝っても、母は周囲の人(親戚や近所)に、「娘は何もできない」と不本意なことばかり言う。ただの嘘なので、ほっておこうとは思っている。ただ以前、うつ状態になり、本当に苦しんでいる時にも、母は助けてくれなかった過去のことを思い出すと、嫌な思い出が蘇ってきて、苦しい。家を出ようかとも考えている。(40代 女性)

親子関係というのは、他の人間関係と違って、少し特殊です。夫婦関係ともまた違って、親子関係だけは唯一「生まれた時からつながっている」という特別な人間関係です。

いい意味でも悪い意味でもあまりにも「親しみ」がある関係でもあるので、もはや無意識に子(もしくは親)をまるで「自分のもの」のように扱ってしまいがちです。その結果、境界線が機能せず、喧嘩や衝突が起こります。

人間関係の境界線とは?

近すぎる関係だからこそ、依存関係になってしまい、知らず知らずのうちに、自分の存在を承認させる対象として、子供や親を用いてしまうこともあるんです。

母親の課題をまずは切り捨てる

今回のケースのように、母親が「娘は何もできない」と周りに言うということは、2つの理由が考えられます。

母親の基準では、母親自身が本当に「娘は何もできない」と思っているということです。人は勝手に自分のものさしを当てて、人を裁きます。

裁くことが習慣になっている人は、勝手に自分の主観と価値観で、人のできている、できていないを判断します。今回のケースの母親は、残念ながら、本人の裁く性格に取り組めていない母親です。

裁くことが常習化している母親にとっては自分の基準で、「何もできない」と判断し、発言することに、違和感を感じていません。かなり残念な性格ですが、本人は全く認識していません。

これらは、すべて母親自身の課題です。本人に問題認識がない限り、他人は関与出来ません。相談者にとって、まず重要なのは、他人の課題と自分の課題の分離です。

その上で、母親から言われる悪口や嫌がらせに振り回されて、相談者本人が悩み苦しんでしまっている点を見ます。

そのままの自分を十分に認めることを始める

なぜ、苦しんでしまうのか?それは、悪口を言われたから。助けてくれない母親であるから。ではなるのですが、このままでは、母親が母親として存在している以上は、自分は苦しむという構図になってしまいます。

なぜ、苦しんでしまうのか?それは、一言で答えるなら、母親から言われることを「受け入れてしまっている」からです。

頭の中では、「嘘つきの母親」と定義していても、言われる筋合いのないことを言われ、腹が立ったり、情けない気持ちになっています。もちろん、これは自然な反応です。

自分の心が母親の自分に対する評価に少なからず、影響を受けてしまっています。

では、次になぜ影響を受けるのでしょうか?それは、相談者本人が、自分自身を十分に認められていないからです。

【TJT】他人によって、自分の価値を高めてもらおうとする考え方を手放すメリット

自分が自分を肯定的に捉えることができる時、他人からの評価は自分の価値を表しません。他人に批判されようが、自分が自分を十分に認められる時、自分は既に満たされているので他人の評価は関係ありません。逆に言えば、他人からの評価が気になる時は、自信のなさや、不安、無価値感などを感じる時です。

なので、母親との関係をどうしよう?ではなく、どのようにしたら、自分は、自分自身のことを自分で認められるか?という問いに取り組むことができます。こころの栄養では、変えられない他者ではなく、変えられる自分にフォーカスします。

自分が自分を認められているなら、他の誰が何を言おうと、「これでOK、私はこれでベスト。」と自分を認めることができます。

そうなると、冒頭の相談事項は、次のように書き換えられます。

同居の母が周囲の人に自分の悪口を言う。自分がどれだけ母を手伝っても、母は周囲の人(親戚や近所)に、「娘は何もできない」と不本意なことばかり言う。ただの嘘なので、ほっておこうとは思っている。ただ以前、うつ状態になり、本当に苦しんでいる時にも、母は助けてくれなかった過去のことを思い出すと、嫌な思い出が蘇ってくることもあるが、過去に言われた発言は変えられないし、それが脳内で時に何度も再生してしまうことがあっても仕方がない。ただ母親を変えることはできないし、変えられないものに、自分の大切な人生を無駄にしない。同居をしていると嫌でも、雑音が入ってきて、苦しい思いがよみがえったりするので、家を出て距離を置こうと考えている。40代 女性)

今を変えて、過去をアップデートする

過去の辛かった気持ちが蘇ってきて、苦しくなるというのは本当に辛いことです。人は自由自在に記憶を呼び起こせます。特に過去の嫌だったこと苦しかったことは、感情に大きく影響を与えているので、記憶はしっかりと残っていることが多いのです。

これらの記憶は、自分が「自分の課題」に立ち向かって、自分自身が成長するという変化を起こしていかない限り、残念ながらいつまでも自分ついてきます。

過去の嫌だった記憶を消し去るには、「今」で上書きすることです。大学受験のシーズンに、あんまり勉強が好きではなく、辛い思いをしながら勉強してきた人が、「合格」という結果を手にいれた途端、すべてから救われたような気持ちになり、辛かった受験勉強を忘れます。依存症で苦しんでいた当本人が、お酒やギャンブル、タバコとぴったり縁を切る生活に戻って、再び元気になると、今までの人生に対する恨み辛みも感じなり、今まで忘れていたかのように人生を謳歌し始めます。人は結局「今」の状況にものすごく左右されるんですね。

「今」の上書きで、過去への思いは変わっていきます。「今」が変化することで、過去の見方、過去への定義はどれだけでも変わってくるんです。

その「今」を変えるためには、様々な出来事が与えてくれた課題と向き合っていくことです。

相談者の気づき

今回のケースでは、相談者が自分の心の痛みと向き合う中で、相談者自身、「母親からの承認」を自分はどこか求めていたことを認められました。そして、どうしようもできない母親の(性格上)の問題にどれだけ振り回されていたんだろうと気づき、さらにどこか母親に依存していた自分がいたとも気づかれました。

人は、自分で気づくことができてはじめて、課題に向き合うことができるようになります。

母親に依存していたとわかると、どうして、悪口を言われながらも同居していたかの理由がよく見えてきます。人は、理不尽に思えるようなことであっても、その行動をとっている裏には、自分なりの利益があるわけです。

母親に依存し、母親に認められることを目的としていたら、悪口にも耐え、同居を続ける道しかないように見えてきます。自分を苦しめていた目的が明らかになったらなら、これまでの目的を維持し続けるか、目的を書き換えるか、選択することもできるようになります。

こころの栄養とは?
こころの栄養のメインテーマ:人間関係の境界線について