感情を抑え込んでしまう人へ|怒りや悲しみを受け止めるということ【私の猫の例】
私の猫が血液検査を受けて、家に帰ってきた時の話をします。
これは、「感情を表現する」という内容の具体的な例になると思うからです。
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私の猫は、定期的な予防接種に加え、日本に帰国する時に待機期間を経ることなく帰国できるようにするためには、血液検査が必要でした。
けれど、夫に連れられて獣医に診てもらいに行ったものの、なんと何もせずに帰宅。なんと猫が暴れて、血液検査の針が刺せなかったということです。睡眠薬を渡され、3日後に再びトライするように言われたということです。
車での移動で、かなりの壮絶なストレスを感じたのか、帰ってきた猫は疲れ切っていました。そして、何も成果なし。私はとてもかわいそうに思い、同時にうまくやってくれなかった病院に若干の怒りを感じました。
そして3日後。再び夫に連れられて、挑戦。今度はできたとのこと。でも、夫のメッセージからは「なんとかできた。」というニュアンスがにじみ出ていました。そう、今回も必死の格闘の末にできたということです。
帰宅した猫は、両足にピンクの絆創膏をつけ、よろよろと家を歩き、そしてどっと疲れたのか、眠りに入りました。
目次
「怒り」と「悲しみ」を消そうとする自分に気づいた
この痛々しい猫の姿を見た私は、感情がこみあげてきました。【怒り】と【悲しみ】です。
自分でも、怒っている、悲しいという感覚をはっきりと感じました。けれども、同時にいつものパターンで感情の抑え込みに入りました。というのも、【怒り】と【悲しみ】の感情は不快でしかないからです。
抑え込みにあたって、私がよくやってしまう決まったパターンを脳内で再生していることに気づきました。
・でも、もう終わったこと。過去のこと。過去のことを気にしたって何も変わらない。
・というか、そもそも血液検査、このタイミングで受ける必要があったの? 帰国の予定がはっきりしているわけでもないのに、なぜ? あらかじめって……私たちの過剰な準備じゃないの? 不必要なタイミングでやっていない?
・前回の血液検査はスムーズにいったのに、なぜ今回は、薬まで処方されて、こんなにてこずるの? やり方がおかしいんじゃない? 違う日程で他の獣医に頼めば、もっとスムーズにいったのでは?
・というか、そもそも1回目うまくいかなかった時点で、全部病院側の指示に従っている夫、腹立たしい。
・たとえ獣医に待合室で待っていてと言われたって、夫が割り込んで、猫を抱っこしていればうまくいったんじゃない? なんで大人しく言いなりになっているの?
ほんの10秒ほどの間に、感情をかき消すための様々なメッセージが脳内に浮かんできたのです。この時点で、私は、純粋な猫に対する哀れみの気持ちではなく、
・夫に適切なアドバイスなり、方針を示せなかった自分への責め
・うまく対応しなかった夫への怒り
に変わっていることに気づきました。
このままいけば、私は夫に不機嫌な態度で話しかけ、彼を責めるような口調になっていたか、自分に嫌気がさして、不貞腐れたような態度をとることが目に見えていました。
感情を消さずに、そのまま感じてみた
感情を受け止めることの重要性を知っていた私は、秒針を眺めながら、自分は【怒っている】【悲しい】と感じました。
感情は約90秒ほどでおさまりはじめると言いますが、30秒くらいで、もう何か夫に一言嫌味を言いたくてたまらない自分に気づきました。
そう、それほど人は「感情的にものを言いたがる」んです。感情的になっている時の会話がどれほど良くない結果をもたらすかは目に見えているにもかかわらず。
ただ、私はこの時、感情を受け止め、夫にあまり慣れ親しんでいない奇妙な言い方で口を開くことができました。
「私ね、怒っている。」
夫はびっくりした様子で私を見ました。そして続けました。
「たか(猫の名前)が、痛々しいのを見ていて悲しい。」
と伝えました。
その時、私と夫の間の氷が解けていく感覚と、自分の中の感情がすうっと小さくなっていくのを感じました。
言うまでもないことですが、他でもない誰よりも夫がこの血液検査のやりとりにイライラし、納得していませんでした。家族の誰よりも大切にしてきた猫の痛々しい奇声を間近で聞いたのは夫なのですから。
夫と私に共通している痛み、「猫が可哀そうだった」にちゃんと戻れたことで、夫と衝突すること、またこのことがきっかけで変な議論に進むことを避けられました。
感情を認めると、感情は小さくなっていく
これは、ほんの一例です。もちろん、うまく感情を表現できないことだってあります。感情を相手に伝えるというのは、最初はとてもぎこちないもので、なんだか弱々しい感じにも思えるものです。
それでも、感情を受け止めることは、必ず効果はあります。そして、受け入れられた感情は、ちゃんと小さくなっていきます。
感情を消そうとするのではなく、感情を認めることを恐れないでください。
「私はこう感じていた」――感情を所有することが、自分を取り戻す第一歩







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