「私はこう感じていた」――感情を所有することが、自分を取り戻す第一歩
「境界線を持つ」とは、
自分の「やりたい」「したい」という感情を、
きちんと“自分のもの”として受け取ることです。
⇒境界線を持つとは、自分の「やりたい・したい」の感情を所有すること
でも、私たちはその感情を素直に受け入れたり、表現するのが苦手です。
「どう思われるか怖い」「関係が壊れるかもしれない」
――そんな不安から、心にフタをしてしまいます。
その結果、いつまでも心の奥に本当の気持ちが残り続け、
やがて「自分は何がしたいのかさえわからない」という状態に陥ってしまうんですね。
目次
「言えない」ことで、心の中に起きていること
たとえば、こんな思考のループが起きます。
本音を言う → 関係が悪化する → 言わない
→ 偽りの思いで関係が進む → 自分の気持ちと乖離する
正直に話すのが怖い。
でも、話さないことで、うわべだけの関係しか築けない。
気づけば、自分を演じてばかりで、誰とも深くつながれない。
――そんなスパイラルに入ってしまうのです。
そして、本来なら泣けたはずの時に泣けない。
怒っていい時に怒れない。
喜びたいのに、笑顔すら作れない。
心のセンサーが鈍っていきます。
「所有しない」感情は、いつか別の形で噴き出す
気持ちを抑え続けていると、我慢やストレスがどこかであふれます。
たとえば――
- 他人に当たる
- 家族にイライラをぶつける
- 誰かの悪口や噂話を言う
- 無視、責め、正当化、自己憐憫…
最初は「関係を壊したくない」と思って感情を抑えていたのに、
結果的により大きな形で関係を壊してしまう。
という皮肉なことも現実には多くあるんですね。
感情を「所有する」とは、どういうことか
「所有する」とは、自分の感情を、まずは自分で受け入れること。
- 私は傷ついていた
- 私は言いたかった
- 私は悲しかった
- 私は怒っていた
誰かに伝えなくてもいい。
まずは、自分がその気持ちに気づいてあげること。
それだけで、心は少しずつ動き始めます。
言葉にするのが怖いときは、書き出すことから始めてみてください。
ノートでもスマホでも構いません。
そこにあなたの本音を書いてみてください。
- 私は、〇〇と感じた
- 本当は、〇〇したかった
- 〇〇が辛かった
書きながら、「あ、自分はこんなふうに感じていたんだ」と
気づけます。
そして、こんなふうに感じたときこそ、
自分の気持ちを見つめ直すチャンスです。
- 私は〇〇と感じた
- 私は〇〇が悲しかった
そうやって自分の感情を所有していくと、
他人への批判も少しずつ減っていきます。
自分に優しくなれると、他人にも優しくなれるからです。
自分の気持ちに向き合うのは、最初はとても怖いかもしれません。
でも大丈夫。いきなり誰かに言う必要はありません。
まずは「自分が自分の気持ちを認める」ことから始めましょう。
それは、あなた自身の人生を取り戻す第一歩です。
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