なぜ私はいつもモヤモヤする?“やさしさの使いすぎ” が生む、人付き合いの摩耗
今回は、「人に合わせる」というテーマについて、
取り上げたいなと思います。
人に合わせるのは、決して悪いことではありません。
でも、「合わせることが当たり前」になってくると、
いつの間にか心が疲れてしまう・・・そんなことがありませんか?
私自身、自分の人生を振り返ってみて、
「これ言ったら微妙かな?」
「引かれるかな?」
「たぶん相手の価値観には合わないだろうな…」
そう思って、言いたいことを心の中にそっとしまったことがたくさんあるんです。
そのときは場が丸く収まるし、争いも起きない。
でもあとで、自分の中にだけモヤモヤが残るんですよね。
実はこれ“やさしさの使いすぎ”で心が摩耗している状態に近いんです。
目次
なぜ人は「合わせすぎて」しまうのか
合わせることは、元々あなたが持っている優しさや思いやりの表れそのもの。
ただ、度を超えてしまうと、自分の感情や意見を見失い、疲れやすくなります。
よくある背景には、次のような心理があるんです。
・嫌われたくない
「これを言ったら距離ができてしまうかも」という不安。
・ 相手の価値観を尊重しすぎてしまう
「相手がこう思っているなら、それに合わせたほうがいいよね」という遠慮。
・ 空気を乱したくない
その場の雰囲気を壊さないために、自分の本音を押し込める。
どれも“優しさの延長線上”にある行動です。
だからこそ、気づかぬうちに自分だけが疲れてしまいます。
優しい人は、相手の気持ちを細かく感じ取れる分だけ、
自分の心に抱え込みやすい傾向があります。
その結果、心がずっしり重くなって、こんな摩耗が起きてしまうんです。
・自分の本音がわからなくなる
・「なんでいつも私ばっかり」と静かな不満がたまる
・本音を出すことにどんどん怖さが増す
・表面的にはうまくいっているのに、内側だけ疲れていく
優しさは人間関係を良くする円滑油ですが、
外側に使い続けるだけだと、自分に返ってくる分がなくて、疲れてしまうんです。
少し「自分のほうにも優しさを配る」練習
とはいえ、他人に対して、
いきなり本音を全部オープンにしようとしなくて大丈夫。
まずは、優しさの向きを 「相手100:自分0」から、
「相手70:自分30」くらいへ ゆるく戻すだけ。
そのための小さなヒントを紹介しますね。
① まず「本当はどう思ってる?」を自分にだけ聞く
言葉に出さなくても大丈夫です。
まずは自分の気持ちを自分が把握すること。
境界線を持つとは、自分の「やりたい・したい」の感情を所有すること
② “同意”ではなく“小さな提案”をしてみる
「私はこう思うけれど、どう?」
それだけで、「相手に合わせなきゃ」の負担が大きく下がります。
【思っていることを言わない!?】あなたの意見はとっても重要だから
③ 小さな“NO”を練習する
これは、まさに境界線のテーマに直結するものです。
「今日はやめておく」
「今回は難しいかも」
本当に小さな断りでOK。その積み重ねが自信に変わっていきます。
まとめ
優しい人は、相手の気持ちを優先することが自然にできてしまいます。
その優しさは素晴らしいもの。
でも同時に、あなた自身にも同じ優しさを配ったほうが、
人間関係はもっと、心軽く、ラクになっていきます。
自分の本音は、思っているほど危険なものではありません。
むしろ出してみると、案外受け止めてもらえることのほうが多いし、
だんだん自信がついてくると、たとえ他人に受け取ってもらえなくても、
自分が自分を大事にできたこと自体に満足できるようになります。
そうすると、自分がちゃんと自分を肯定できる、
自分の思いを大切にできる場面がどんどん増えていって、
モヤモヤもどんどんすっきりしてきます。
なによりも自分軸が定まってきて、自分らしさが磨かれ、
あなた自身がよりあなた本来の姿で生き生きと過ごせるようになりますよ。
持っている優しさの素質を大切にして、心軽く生きていきましょう。
◎対話室からの質問
あなたが最近“飲み込んだ言葉” は何でしたか?
その言葉を飲み込んだとき、あなたは何を守ろうとしていましたか?
そして、失ったものは何でしょう?







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