境界線を認識するには?人間関係の境界線に問題があるかどうかを見極める3つのサイン

境界線の持ち方

前回の記事で、境界線について取り上げました。

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境界線の問題というのは根が深いです。なぜなら、境界線というのが認識しづらいからです。境界線の問題があると認識できると、具体的に改善に向けて取り組むことができます。でも認識できないと、そもそも何からしていけばいいのか分かりません。

片付けの場合は、目に見えますよね。例えば、「自分にはものが多すぎる」と認識し、「使わないものが多い」「無駄な買い物が多い」「がらくたが多い」などと認識することも、できるでしょう。

更には、「部屋は散らかっている」「自分が所有しているものは、理想のものじゃない」「自分のクローゼットは使いづらい」などと認識できるかもしれません。

こういう認識があって、はじめて「よし、断捨離をしよう!」となったりします。

ただ、人間関係の境界線の場合は、ものの場合と違って、「目に見えづらい」んです。なので、ものよりももっと認識しづらいものです。認識できないと当然、対策をとることも難しくなります。

認識さえできれば、大抵の場合は、行動を変えられます。なぜなら、自分の問題の原因が見えてくるからです。でも、この認識するまでにハードルがあるんですね。

ということで、今回は、境界線を認識するために、人間関係の境界線に問題があるかどうかを見極める3つのサインについて取り上げます。(ここでの人間関係は、自立した大人の関係です。)

1:自分以外の誰かに対して、「○○すべき」「○○した方がいい」と頻繁に、心の中で思っている

自分は自分。他人は他人。とできていることは、境界線の第一歩です。私たちは、みんなそれぞれ思いがあり、考えがあります。誰でも、自分の心で自由に考え、意見を持つことができるんです。

他人のことにあれこれ、おせっかいになって、「○○すべき」と思っていると、他人の自由を侵害したい欲求が自分にはあるというくらいに、厳しく思ってもいいと思います。それくらいに捉えないと、「自分はいいことをしている。」「他人のために良かれと思ってるのに。」と考えてしまうからです。そして、こう考えている限り、いつまで経っても境界線を引けません。

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特に大の大人同士、妻から夫へ。夫から妻への境界線の侵害。これはほぼ確実に、夫婦問題を生み出すでしょう。

今は心の話をしているので、実際に口に出して言っているかに関係なく、心の中で、「○○すべき」と頻繁に思っている時点で、既に他人の境界線に入り込み、自分のコントロール外のことで頭をいっぱいにし始めているサインといえます。

勿論、自分の心の中で、「こうした方がいいのにな。」と、他人のことを思うことがあっても全く問題ありません。人の行動をみて、自分の行動を改める人もいるでしょう。

ただ、頻繁に他人の行動のことを考えていたり、「すべき」と言った強い命令の気持ちや願望があるなら、境界線を侵害しつつあるサインです。身近な家族や友人で、境界線を踏み込んでしまうのは、もはや時間の問題くらい、かなり心の中では境界線を壊し始めているでしょう。

2:相手から断られることを恐れていたり、自分が断ることを躊躇していないか

相手からNoと言われることに抵抗がありますか?拒絶されるのが怖いでしょうか?

もちろん、誰も、自分がしたいと思ったこと、自分が良いと思ったことを、Noと言われたり、拒絶されたりするのは、そんなに気持ちがいいものではないですよね。

でも、相手はNoとする権利を持っているでしょうか?もちろん、持っています。相手は、あなたのすべてに同意する必要など全くありません。なぜなら、相手は、あなたと全く別の個体であり、全く別の人生を歩んでいるからです。

同じように、あなたもNoと言う権利は持っていますでしょうか。もちろん、持っています。

相手のNoをちゃんと受け入れられるようになればなるほど、自分もちゃんとNoが言えるようになってきます。

人生において、イエスマンになる必要は全くないし、相手にイエスマンを期待することもおかしな話です。

Noが言えないと、ほぼ間違いなく境界線を守れません。そして、相手のNoを受け入れないなら、既に相手を変えようとし始めているサインです。

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3:自分以外の人の身体、持ち物を触ったり、空間に入り込んでいないか

家族や友人と言えども、他人です。自分以外の他の人です。夫の持ち物や、妻の持ち物を勝手に触ったり、処分したりしていませんか?

これらは全部境界線の侵入です。

身体的な境界線を持てていない人は、不特定多数の人とのセックスを受け入れたりする人もいます。これも境界線が機能していません。自分の身体に対する境界線を持っていないから、簡単に自分の境界線に他人が入り込むのを許容します。

空間もそうです。相手のプライバシーを尊重しているか、自分の安心できる空間をちゃんと守っているか、これらも境界線を守るためにはとても大切です。

勝手に人のものを触ったり、人のプライベートな空間に土足で入り込むようなことも、境界線がうまく機能していないサインになります。

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