【心理学】交流分析ー人生態度「私もあなたもOK」自己肯定・他者肯定

心理・思考

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今回は、心理学理論の一つである「交流分析」を紹介します。

その前に、心理学には、考え方、ツール、手法などいろんなものがありますが、実際に何かを覚えたり、理解するというよりかは、実践を意識したほうが効果的です。

実践して、使えるようにならないとあまり意味がないので、学問のところは深く理解するというよりも、「ふ~ん、そういう考え方ね、で、私はどうだろう?」とすぐに自分に当てはめて考えてみることをおすすめします!

交流分析って何?

交流分析の起源は、精神科医のエリック・バーン氏によって提唱された心理療法で、

「人々が抱えるほとんどの悩みは、“人間関係”から発していて、人と人との関わり方が上手くいけば、悩みの大半は解決する」

という考えです。

これまで紹介してきた、アドラー心理学も、

すべての悩みは対人関係

と言っているので、通じるところがありますね。

交流分析では、「今ここ」「あなたも私もOK」の考え方をベースに、豊かな人間関係を築く力を育てていきます。

交流分析は7つの要素(概論)があり、今回は、その中の「人生態度」について紹介します。

※交流分析の7つの要素(概論)
①自我状態・②対話分析・③ストローク・④人生態度・⑤時間の構造化・⑥ゲーム分析・⑦人生脚本

人生態度の4つの種類

人生態度は聞きなれない言葉かもしれません。

言葉通り、人生における態度のことで、ここでは人間関係に対して、どのような態度をとって日々歩んでいくかを考えます。

人生態度は次の4つに分けられます。

①自己肯定・他者肯定
「私もあなたもOK」
②自己肯定・他者否定
「私はOK、あなたはNG」
③自己否定・他者肯定
「私はNG、あなたはOK」
④自己否定・他者否定
「私もあなたもNG」

ちなみに、私は何番、あなたは何番とくっきり区別できるものではありません。

時と場面によって、様々な態度を人は選びます。どういう態度がよく出てきているのか、どの態度の傾向が強いのかを見ることで、自分の態度の特徴がわかってきますよ。

私は、子供の頃、③が強めの傾向がありました。他者の反応とか、評価とかを重視していました。何かを始めるにしても、自分が頑張りたいからとか、学びたいからという純真な思いよりも、親や先生が要求することに応えるために(他者肯定)、頑張っていたような気がします。

劣等感を感じやすいのも③の特徴です。他者と比較しがちなので、他者より、自分が劣っていると感じてしまいます。

劣等感とまでは言わなくても、たとえば、

他者に気がひけて、他者から頼まれたことに対して(その内容が、他者のタイミング且つ他者のやり方にも関わらず)、本当は意見の相違や、言いたいことがあっても、他者に合わせてしまう

のも、このパターンです。

③はまるで他者中心に自分の人生が回っているような状態でもあります。私自身、③から抜け出すには、沢山の過程を通りました。こういった人生態度は、意識的よりは無意識が多いので、気づかないうちに、自分の習慣(自分の一部)として、完全に身についてしまっていることもあります。

順番が前後しましたが、②の態度は、他者に対して、

優越感を持ったり、他者よりも自分の方が優っている

と感じている態度です。イライラしがちで攻撃的な態度でもあります。

④は、常に疎外感を抱きやすいものです。他人に興味もなく、また自分に対しても、好きになれず、自信を失っています。無気力、恐怖、絶望感が強く、見捨てられたような気持ちになるのもこの特徴です。

「あなたもOK、私もOK」を目指して

理想は、①です。

①であれば豊かな人間関係を築きやすくなります。この関係は、自分も相手も大切にする力があるんですね。そして他者を前にして卑屈になることもなく、他者と共に楽しんだり、喜んだりすることができる状態です。

自分に対しても、ありのままを受容することができています。自分が60点でも、60点だということをそのまま受け入れます。100点にならなくてはと無理にポジティブになろうとしたり、100点でないことに劣等感を抱くこともありません。自分の「今」の状態を素直に受け入れ、地面にしっかり足がついています。そして、他人に対しても、自分のように大切にします。

幸せを感じやすい関係です。母娘の関係、上司部下の関係、自分とお客様の関係、夫婦の関係を①のような態度で接することができるようになれば、人間関係に悩むことが少なくなってきます。

自分が①の態度を選んでも、相手は②だったり、③だったり・・・とも思うかもしれません。でも、そんなことは実は関係ないのです。相手がどんな人生態度を選ぼうが、自分は幸せになる、自分は豊かな人間関係を選択することがここでは重要なことです。

そして、自分が豊かな人間関係を選択するのであれば、結果的に相手と長期的に豊かな関係を築けるようになっていきます。

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こころの栄養のメインテーマ:人間関係の境界線について