頭ではわかっているけれどできない時の3つの理由

シンプルに考える

もうすぐ今年も終わりです。2018年はどんな1年でしたか?新しい年を迎えるにあたり、来年は「こんなことをしたい!」と思っていることもきっとあると思います。

このブログは心のことがテーマですので、来年度特に「何」をするかよりも、「こんな気持ちで過ごしたい」という思いの方を大切にしたいと思います。

思い描いたことを、実現する年にするために、心のブレーキや妨げになる要因はできるだけ避けたいもの。ということで、今回は、ついついありがちな「頭ではわかっているけれどできないこと」について、3つの理由を書いていきます。

理由1:「理想」に固執しているから

人は誰しも、何らかの「理想」があります。そして、その理想に近づくために努力します。

「理想を持った方がいい!」とよく言いますが、このことは少し慎重に考えた方がいいです。なぜなら、高い理想や目標があると、それに引っ張られて、現状に満足ができなくなったり、現状の悪いところばっかり目についてしまうこともあるからです。

もちろん、心が元気な時は、「さあ、理想に向かって頑張ろう!」と、日々邁進していく活力があると思います。しかし、打ちのめされるような経験をした時、気持ちが沈んでいる時、単純に疲れた時、絶望状態の時に、理想の存在はむしろ、重荷になってしまいます。

特に真面目な人こそ、この理想に引っ張られてしまいます。「あるべき姿」をしっかり把握しているからこそ、少しうまくいかなかったり、失敗したりすると、できない自分を責めたり、精神的なストレスを感じたりして、さらに気持ちを落ち込ませてしまいます。そんな状態では、ますます「わかっていてもできない」状態を引き起こしてしまい、悪循環に陥ってしまうことがあります。

うつ病や、依存症は、真面目で誠実な人がなりやすいという傾向がありますが、これもまさにこの悪いサイクルが何周もしてしまって、自分ではどうしようもならないくらい落ち込んでしまっています。

「今」を否定することに何のメリットもありません。今に満足したら、理想にたどり着かないと思ってしまい、焦るかもしれませんが、それは錯覚です。

人はどこまでも今にしか生きられないからこそ、「今に満足する努力」は大切です。遠い未来のことではなくて、今日より明日、明日より明後日の成長に集中する。そして与えられている毎日の一瞬一瞬を一生懸命生きることが、結果的に理想という階段を登り始めていたことに後から気づくのです。

理想(未来)から今を見て、いつも今をダメ出ししているようでは、今を十分に生かすことはできません。今を有意義に使うのをやめて文句を言ったり、不満をぶつけてしまうと、時間を無駄にしてしまいます。理想に囚われて、今を軽視するという本末転倒の事態は、無意識にいとも簡単に起きてしまいます。

理想を持つこと自体は全く問題ありません。問題なのはそれに固執することです。理想は理想として掲げたら、一気に現実舞台に戻るようにします。そのためには、「理想」の他に「理想の現状」を持つことです。

「理想の現状」とは、「理想」に比べたら、はるかに、現実的なことです。それこそ、今日明日で、長くても1ヶ月くらいでできるようなことを、「理想の現状」として掲げます。明日にも変えられる「本当はこういう風にしたい」と思うことが、一つや二つあるはずです。まず、それを「理想の現状」として目指すことで、前に進み始めます。

理由2:先延ばししているから

「後回しにしたら終わり」です。

私は以前、やろうとやろうと思って、書き留めたノートが、何十冊とあり、30センチくらいに積み上がったことがあります。ノートの使い方も全部中途半端なんです。

日常には、やってもやらなくても態勢に大きな影響を与えないことが沢山あります。毎日の変化は、長針の針のように、見てすぐに変化があるものではありません。

でも、40代だと思ったら、気づいたら定年になっています。街並みはじわりじわりと絶えず変わっています。便利なものが次々と出てきて、ライフスタイルが変わっていっています。

目で見て、すぐには分からなくても、水面下で凄まじいスピードで実は変化しています。

先延ばしをしてしまう理由の一つは、「先延ばししても大丈夫だから」です。本当に先延ばししてはいけないことを人は先延ばししません。親が保育園の迎えを先延ばしすることなんてまずありません。でも、趣味のギターを習うことは先延ばししてしまうんです。

先ほど挙げた私のノートの例では、先延ばしが積もり過ぎて、見直しながら処分するのに、沢山の時間を要しました。

確認しながら作業していると、どうでもいいもの、それからすぐに処分できるようなものまで沢山ありました。それらを見直し整理することすら、先延ばしにしていたのです。

先延ばしをし続けると、先延ばししたことが今度はたまりすぎて、本当に手がつけにくくなります。なので、先延ばししたくなったら、それは永遠に葬るか、やる日を決めるかの2つに分けた方が賢明です。

自分にいい意味で、あまり期待をしないようにした方が効果的です。

理由3:恐れの存在

恐れは、永遠のテーマと言ってもいいほど、誰もが抱き、これによって振り回されています。英語で恐れをFearと言いますが、綴りの頭文字をとってFalse Evidence Appearing Realと言ったりします。訳せば、「(まるで)真実に見えるような嘘の事実」です。

恐れについて知っておきたいのは、恐れというのは、それをする時までしか感じないということです。出産の時の痛みを恐れていたお母さんに陣痛が始まれば、「恐れ」なんて吹っ飛びます。本番になったら、もうリアルな世界ですから、恐れてなんていられないんです。

恐れはどこまでも、頭の中だけで思い描いている妄想です。そして、それには嘘が多いと言うことです。頭の中での試行錯誤は、所詮、頭の中だけのものです。頭の中では、無限に様々なことを考えられるので、どこまでも勝手な想像ができてしまいます。

もしある行動をしようと思った時、それが恐れから来ているのであれば、相当吟味するか、やめるべきです。恐れには嘘が混ざっているからです。

先延ばしして、本当にやりたいこと、やるべきだと思っていることをやらず、恐れから、何か他のことをしようとすること。理想に近づくために、毎日に変化がないことに焦り、恐れから、すぐに結果が出るような何かに飛びつくこと。こういったものには要注意です。「恐れ」の正体が、本来なすべき行動を歪ましています。

今回は、頭ではわかっているけれどできない時の3つの理由を書きました。頭ではわかっているけれど、できないというのは、とても「重たい」日々ですよね。

もっと日々を「軽やかに」生きるためにも、自分の気持ちのトーンを下げる習慣や考え方のパターンをできる限り切り離して、決別していきましょう。

 

自己認識コーチング→バーネットなおコーチング
ブログ記事に関する質問やコメント→想いの箱(メッセージ)
こころの栄養ブログのテーマ→こころの栄養とは?
境界線とは何か?→人間関係の境界線について