仕事を継続するべきか退職か迷っている

気持ちとの向き合い方

子育てに忙しく、仕事をやめようかと迷っている女性が、今日職場のカウンセリングを受けたそうです。カウンセラーから、

「あなたは、7割で満足できないところがある。いつも10点満点を目指しちゃう。7割で大丈夫だって思えるともっと楽になるよ。」と言われたそうです。

完璧主義的な気質を持っていたり、真面目すぎる気質を持っている人は、「ああ、そういうところあるな〜」と共感できるのではないかと思います。

ちなみに、私は共感します。私もつい10点を目指す方のタイプです。だいぶ力を抜くということを学びつつありますけれど、でも、ふと気がついたら、すぐに自分のパターンに戻っていて、完璧を、完全を目指す姿勢になってしまっています。

私はこの女性の話を聞いていた時に、カウンセラーの先生の仰ることはよく分かる気がするけれど、でも、それでも、10点を目指しちゃうんだよね・・・無理しないでとか、もっと肩の力を抜いてとか言われても、それができないから、苦しんだよね・・・ということを同時に思いました。

確かに、7割で満足できるようになったら、それは一つの解決策かもしれないけれど、それができないから、辛い、それでも、やっぱり頑張っちゃう、力の抜き方がわからないから、辛い気持ちがいつまでもついてくるんだと思います。

10点満点を目指していて、7割で満足でしようよ〜と言われて、その7割もできないと、何だか自分が嫌になってきて、じゃあ、7割もできないなら、もう、いいゼロにするということだってよくある話です。

白か黒、オールオアナッシングです。

本当は、0か1かみたいな考え方は、すごくバランスが悪いし、疲れるし・・・でもわかっていても、程よく力が抜けられないから、もう無理ってなった時に、一気にゼロにしちゃうんですよね。

そういう気持ち、私すごく共感します。

じゃあ、どうしたらいいの?って考えた時に、やっぱり、本当はどうしたいの?ってここに向き合うことってすごく大事だと思うんです。

多分、この女性は、育児のこととか、仕事の煩雑さとかに、色々もう疲れちゃったんです。本当はどうしたいか?って言ったら、多分11時過ぎくらいまで、目覚ましもかけずに寝て、着替えたくないならパジャマで過ごして、好きなご飯食べて、ベッドに寝そべりながら、携帯でも触って、のんびりしたい・・・昼寝するならして・・・って、できるならそうしたい気持ちがきっとどこかにあると思います。

人間、疲れてしまった時は、本音はすごく、休みたいんです。

でも、そんな本当の気持ちなど、表に出すこともなく、そもそもそんなこと、理性が許しませんから、もしそんな思いが出てこようとするのならば、一瞬で、怠けとか、サボりとか、言い訳とか、多分、自分に結構厳しい言葉を言って、シャットダウンしてきたんだと思います。

でも、本当にしたい気持ちに、ちゃんと向き合って、ちゃんと認めることと、じゃあ、実際にどうする?ってことは、もちろん、切り分けて考えることは可能なわけです。だから、一旦、気持ちに正直になってみることは全然、悪くないことですし、失うものはありません。

むしろ、すごくいいこと、健全なことだと思います。もちろん、気持ちに正直になることには、少し恐れがあったり、怖さを感じるかもしれません。自分に正直になるって、仮面の人生をしていた厚さが厚ければ厚いほど、何だか得体の知れない怖さがあるものですから。

怖いながらにも、本当はどうしたいの?って気持ちに向き合えたら、今度は、今の自分の現実をもう一度見てみるんです。

例えば、先ほどの例だと、多分、家でゴロゴロ休んでいたいっていうのが本音だとしたら、じゃあ、今、現実はどうしてる?と考えて、現実は、実際に、服を着替えて、お化粧をして、子供を見送って、定時に仕事に行く・・・ってことをしているわけじゃないですか・・・。もうこれだけで凄まじく頑張っているってことがよく分かると思います。

もう、パジャマ脱いだだけですごいじゃん、もう化粧しているだけで、どれだけ頑張っているの?っていう視点になっていくわけです。というか、一旦そこまでなるんです。基準をゼロに戻すんですね。

そしたら、その上で、やっている仕事は、何点かなんか、もはやどうでもよくて、席について仕事をしようとする・・・それだけで、十分すぎるほど、頑張っているじゃん!ってなってくるわけです。

7割に満足できない人は、大抵、周りの人は、全然7割以上求めていないのに、自分が自分で追い込んでしまっているってことがよくあります。

だから、一旦、ぐっと基準を下げてみればいいんです。人はそんなに何も気にしていないですから。自分が凄まじく頑張っているということを、認められれば認められるほど、もうちょっと、力を抜くことが、自然になってきます。力を抜こうとするんじゃなくて、自然にです。

息を吸い続けたら、ちょっと吐こうかなってなるように、自分が十分やっていると思えれば、ちょっと、リラックスしようとなるわけです。

自分が十分でないと思うから、いやいや、ダメダメ、もっともっととなってしまうんです。自分が結局思いを定めているんですね。

だから、最初の話に戻りますが、カウンセラーの人に、7割で満足できるようになれるといいね。と言われて、はいはい、わかりました。自分はこれから7割で満足する人間になりますなんて、そんな一筋縄ではいかないんです。いかなくて当然です。

だから、7割にさえすればいいのに、ああ、できない、いつも完璧主義だ、頑張りすぎちゃうなんて、悩まなくていいんです。そんなこと言われたってできないの、とっても自然なことですから。

それより、むしろ・・・本当はどうしたい?を考えてみてください。それを考えるタイミングにいいのは、朝ベッドから目を覚ました時です。身体が自動的に何かを始めようとする前に、ちょっと待って、本当はどうしたい?を考えてみてください。

考えて、ああ、本当はこうしたいんだを感じるだけです。感じるけれど、今はすぐにはしません。ただ感じて、本音をちゃんと受け入れるんです。その上でするべきことをします。多分いつも通りのことです。それでいいんです。でも、違いは、ちゃんと本音を受け止めているなら、本音とは違う自分がやっていることに対する評価や見方も、少しずつ変わってくるんです。

その繰り返しでいいと思います。いきなり仕事を辞めるとか、転職するとか、いっそ全て投げ出すとか、そんな怖いことも考えなくていいんです。考えた途端に心がずっしり重くなるようなこと、別にやろうとしなくていいんです。

ただ、本音に向き合う、そして本音を受け入れた上で、目の前の現実をやっていく・・・これをしてみてください。正直な自分をちゃんと受け止めている自分というのは、ちゃんと自分を大切にするように、身体は動いていきますから。

写真:新潟県 お茶摘み

Posted by kokoronoeiyo