人間関係と境界線

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人に迷惑をかけたくないと思ってしまうあなたへ ― 心を軽くする3つの視点

「人に迷惑をかけたくない」
そんなふうに思うこと、ありますよね。

この気持ちは、「人に嫌われたくない」という思いにも通じています。
そして、すごく真面目で、優しくて、誠実で、正直で、人当たりも良い・・・。
そんな、一生懸命生きている人ほど抱きやすいものです。

けれども、その思いが強すぎると、
自分の人生を窮屈にしてしまうことがあります。

本当はもっと人に頼ってよかったり、そもそも迷惑でもなんでもなく、
ただの“日常のやりとり”に過ぎなかったりすることも多いのに、
「人に迷惑をかけたくない」という前提が強すぎると、
過剰に反応してストレスを感じてしまうんですよね。

「人がどう思っているか」「自分をどう見ているか」ばかりが気になってしまい、
それだけでたくさんの時間とエネルギーを使ってしまう。

そうすると、本来やるべきことや、自分の喜びに向かう力が削がれていってしまいます。

変え ...

人間関係と境界線

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「○○はこうであるべき」が生む苦しさ

家族関係で悩んでいる人の話を聞いていると、よく出てくるのが
「○○(相手)はこうであるべきだと思う」という言葉です。

妻はこうであるべき。
息子はこうであるべき。
親はこうであるべき。

もちろん、最初から「こうであるべき」と明確に言葉にする人はほとんどいません。
その代わりに出てくるのは、
「こんなことをされた」「こんなに傷ついた」「あれはおかしい」「ひどすぎる」
など、相手への批判や不満の形をとった感情です。

そして多くの場合、
「相手との境界線を引く必要がある」と感じてはいても、
その「批判」や「怒り」そのものが、
すでに境界線を越えてしまっていることに気づいていません。

境界線とは「自分は自分。他人は他人」と認めること

境界線とは、「自分は自分。他人は他人」
とシンプルに認めること。

たとえ自分がどんなに不快に感じても、
相手には“相手の自由”があることを認める。
この一見シンプルなこと ...

人間関係と境界線

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「我慢ばかりしている気がする」
そんなふうに感じるとき、それは境界線がうまく機能していないサイン。 

境界線とは、「自分は自分、他人は他人」と線を引くこと。
けれども、現実の人間関係の中では、相手の意向が優先されたり、
自分の思いが却下されたりと、我慢せざるを得ない場面もたくさんありますよね。

「心軽く生きたい」「境界線を持ちたい」と思っていても、
現実の“我慢”とはどう向き合えばいいのか。

今回は、「境界線」と「我慢」の関係について取り上げたいと思います。

我慢を“線”ではなく“点”で考える

まず「我慢」という言葉。

辞書では「耐え忍ぶこと」「こらえること」とあります。

この言葉に「無理にこらえる」「自分を閉じ込める」
というイメージを重ねると、どんどん苦しくなっていきます。

ここで伝えたいのは、我慢を“線”ではなく“点”で考えてほしいということ。

たとえば、家族と何かを決める ...

人間関係と境界線

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今回は、頂いたメッセージに回答します。

幼いころから、父親に我が強いと常に言われてきました。我儘とも言われ続けて来ました。意見を言うと、口答えするなと言われて来ました。
過去は変えられませんが、現在は考え過ぎて常に悩みイライラしています。
悲しみも、あります。
息子からも、距離を置きたいと言われ何故そんなに酷い事を私に言うの?と怒りが湧き悲しくて仕方ないです。
私にも完璧主義が当てはまりますか?

考えすぎてイライラしてしまうときに見直したいこと

現在、考え過ぎて、常に悩みイライラしてしまうとのこと。

考え過ぎとありますが、「何を考えているのか」を一度整理してみるといいですよ。
考え過ぎているときというのは、
実は頭の中で同じことをぐるぐる考えている(堂々巡りしている)ことが多いんです。

「自分は何を考えている?」
「この考えを深めて、どこにたどり着こうとしている?」

こういったことを、頭の中に留めるのではなく、
一度ノートに書き出して外に出してみる。 ...

人間関係と境界線

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今回は、頂いたメッセージに回答します。

自分との関係を優しく整えると言う事が、なかなか分かりません
上手く行かない事が起こると、自分が情けなくなり責めてしまいます
境界線の引き方も、まだあいまいです

自分との関係を整えるを一言で言うと、
「自分が一番の(自分にとっての)味方になる」ということ。

気づいたら、自分を責めたり、自分に対して心無い言葉を語っていませんか?
できていること、頑張っていること、素晴らしいことも沢山あるのに、
ダメと思うところだけ強烈なスポットライトを当てていませんか?

自分との関係を整えるとは、
まさに自分が自分に語っている言葉、自分が自分をどう見ているのか、
これらを整えていくということです。

他人から言われた何気ない「ひどい」言葉を信じて、
それを何10年も自分に語ったり、
肉親から言われた「心無い」言葉や態度に深く傷ついて、
自分を軽視する癖をつけてしまったり。

こういう歪んだ自分への見方を整えていくと ...

人間関係と境界線

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今回は、身近にいる心配性の人ととのかかわり方について、
取り上げたいと思います。

ことあるたびに、ネガティブに考えたり、

「大丈夫?」と常に不安を口にする。

特に、自分自身が前を向いている時に、
変に足が引っ張られる気がして、
気分が重くなってしまうときもありますよね。

特に心配性の人が親の場合は、
愛情があるから心配しているんだよって、
人は言うかもしれませんが、
身近な人ほど、影響を受けてしまいますよね。

今回は、心配性の人とどう距離を取り、
どんな姿勢で関わればいいのかを書いていきたいと思います。

心配性の人は「安心」を外側に求める

心配性の人は、「何か起きたらどうしよう」と、
常に未来に、そして良くない面に意識が向いています。

そして、その不安を少しでも軽くしようとして、
周囲に確認したり、助けを求めたりします。

例えば、「病気になって手術 ...

人間関係と境界線

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今回は、頂いたメッセージに回答します。

事実ではない事をいろいろな人に広めている人がいます。それを、私の耳に入れてきた近所の友達。それ以来、私の中で何かが変わり始めました。圧の強い人で、以前からキツイ事も度々言われていましたが我慢しておりました。嫌な人から憎い人になっていた矢先に、彼女の旦那さんが亡くなりました。心のどこかに、ざまあみろと言う黒い感情が湧き上がり自分でも驚きながら清々とした気持ちもあります。
これから、こんな気持ちのまま以前の様な付き合い方は出来ないと思います。以前なら、彼女に気を使い、真っ先にお悔みのLINEを送っていたと思いますがこの度はその様な気持ちにもなれない自分に驚いています。
憎くて仕方なかった人ですが、この度の事でどうでも良い人になった様に感じます。これは、彼女との間に境界線が引けたと言う事ですか?

近所の友人に、あることないことを耳に入れられ、
相手に対して憎しみを抱いていたんですね。

「憎い人」という表現は、ものすごく強い感情です。
まず、他人に対して「憎しみ」を抱くというのは、 ...

人間関係と境界線

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今回は、人間関係における「境界線」に
どこか抵抗や違和感を感じている人に向けて書いていきます。

まず最初に断言したいのは、
人間関係をうまく保てている人は、
「境界線」が健全に機能しているということ。

なので、境界線=関係性を封印!?
みたいなのは大きな誤解です。

境界線とは、びしっと線を引いて壁をつくるような、
冷たい距離のことではないんです。

境界線とは、シンプルに、
「私は私。あなたはあなた。」
という、人は一人ひとり違う存在であるという
当たり前の事実を尊重すること、他なりません。

「傷ついた」という感情の背景にあるもの

人間関係のトラブルでよく出てくる言葉の一つが、「傷ついた」の感情。
でもこの感情の奥には、こんな前提があります。

「本来あなたは、○○のような態度・発言・行動をするべきではないのに、

その私に対して、そんなことをした。」

...

人間関係と境界線

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家族、同僚、友人――
身近な人の中に、不平・不満・ネガティブが多い人はいませんか?

今回は、そんな相手に真面目に向き合いすぎて疲れてしまわないように、
境界線という視点から取り上げます。

身近にそういう人がひとりいるだけで、空気は簡単にどんよりするもの。

なぜかというと、
誰もが「平和で落ち着いた環境でいたい」と根源的には願っているのに、
その空気が一人のネガティブ発言によってあっという間に壊されてしまうからです。

人は周りの影響を受けやすい生き物。


落ち込んでいても、ポジティブな人に囲まれていれば、
「また立ち上がろう」と思えることもあります。
けれど、ネガティブな圧力に飲み込まれると、
よほどメンタルが強くなければ同化してしまうんです。

ここでは「境界線」という視点から、
不平・不満・ネガティブ ...

人間関係と境界線

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今回は「親の介護と境界線」について取り上げたいと思います。

まず最初にお伝えしたいこと。それは、

子どもには、親を介護する義務はないということです。

より正確に言えば、「義務感から介護を始めないでほしい」
ということを伝えたいです。

その理由を3つの視点からお話しします。

➀ 介護はプロの世界

介護は専門職の領域です。

病気になったら医者にかかるように、
介護が必要になったら専門機関や福祉サービスを頼る。
これが健全な境界線です。

親に悪性腫瘍が見つかったからといって、
子どもが責任を感じて自分で手術をするなんてありえませんよね。

同じように、介護が必要になったからといっ ...