他人によって、自分の価値を高めてもらおうとする考え方(ワークあり1)

自己理解
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※続編は自分が大切にしている価値観が見えてくる方法(ワークあり2)です。

こころの栄養にならない考え方に、

他人によって、自分の(存在)価値を高めてもらおうとする考え方

があります。

この考え方を、心の栄養では、頭文字をとって、「他人によって(T)、自分の価値(J)、高める(T)」からTJTの考え方と呼びます。

TJTの考え方が強く出ると、人から褒められたり、評価されたり、すごいと言われることを絶えず求めます。そして、人から受け入れられることに「安心感」を覚えます。

この安心感は、どういうものかというと、

良かった!私が私でいて、大丈夫なんだ!

という安心感なんです。

自分が自分でいる承認を他人から得ようとすること、これはTJTの考え方の基本にあります。

自分の存在確認すら、他人によって確認し、他人の自分に対する言動とか反応とかによって確認します。こういう癖を常に持っているのがTJTの考え方です。

TJTの考え方は、当然、人目をかなり気にする考え方です。人からどう思われるかが気になるという考え方がある場合は、ほぼこのTJTの考え方が多かれ少なかれ、自分を支配しています。他人によって随分と自分の思考が支配されるので、とても不自由な考え方でもあります。

TJTの考え方を持ち続けていると、身体は自由に動いても、心や思考が何かにいつも縛られているような感じです。

TJTの考え方の何が、こころの栄養にならないのかというと、自分に優しくない考え方だからなんです。そして、TJTの考え方を持っている人は、自分のことに対してよく悩みます。

なぜ、よく悩むかというと、「他人」という非常に対象が変わりやすいものに信頼を置いてしまっているので、迷子になりやすいんです。色々な人の意見や情報を吸い込んで、その場にあった自分にカメレオンのように変われる能力は素晴らしさでもあるけれど、落とし穴は自分が分からなくなってしまうこともあるという点です。

自分が分からなくないという感覚は決して居心地のいいものではありません。人によっては自暴自棄になったり、焦りや不安、心配に走る人もいます。

焦りや不安、心配から、もっと他人から認めてもらおうとします。もしくは、疲れて、人生に失望することもあります。

自分が普段、どんな考え方をしているのかということは、大切です。考え方が変わってくると、行動が変わってきます。自分がしている行動は、自分の考えが基になっています。もし今の現実に満足していないのなら、自分は何を考えているのかを観察することです。

こころの栄養では、自分に優しくない考え方を退けます。そして自分をゴミのように粗末にする考え方を支持しません。自分は自分にしかなれないのに、その自分を大切にできないようにさせる考え方は、こころの栄養になりません。

自分に優しくない考えをしょっちゅうしていると、イライラしやすくなったり、怒りやすくなったり、不機嫌になったり、疲れやすくなります。

自分に優しいか優しくないかの考え方のサインは、イライラとか、怒りとか、不機嫌とか、どんよりとかそういうサインとして、ちゃんと現れてきますから、そのサインが現れた時は、

「私は、イライラしているんだな。そこには、どういう考え方をしていたかな。」

と立ち止まります。

悩んでいる症状が多いときは、どこか自分に優しくない考え方が沢山隠れていないか疑ってみてください。自分に優しくない考え方がどれか分からない人は、【想いの箱】から、自分の感じていることを書き出して、自分に優しくない考え方は、これと、これと、これかなと明確にしてみて下さい。

色々と行動しているけれど、空回りしやすく、常に考えすぎてしまい、考えすぎているのに、なぜか絶えず問題が起きているとき、すごく些細なことなのに、口論になっているとき。決断ができず、ずるずると先延ばしにしたり、自分に対しての正当化や言い訳が多くなっているとき。心配や不安や恐れが絶えずあるとき。

こんな時は、自分に優しくない考え方が隠れています。

そして、TJTの考え方、つまり、

他人によって、自分の価値を高めてもらおうとする考え方

は自分に優しくない考え方の典型です。

なぜ優しくないか、それは、自分はこの世に1の価値があると理解してください。

これは存在の意味での数字です。あなたという人間が存在しなかったら、ゼロ。存在していたら1の価値の意味の1です。つまり0か1。いるかいないか、そういう意味での1です。

TJTの考え方を持っている人は、自分の価値を他人によって増やすという見方を絶えずします。TJTの考え方は、あなたの周りにいる10人が、あなたのことを「好き!」と言ったら、価値が1ずつ増えると考えます。

今、どの媒体でこころの栄養を読んでいるかわかりませんが、例えばタブレットで読んでいるとします。タブレットが存在しているので、1の価値があるとします。ある人が、タブレットに潜んでいたある機能を知り、「この機能すごい!いい!」と評価したとします。そうすると、タブレットが、自分の価値が上がったと考えている状態・・・タブレットに置き換えるならこういうイメージです。

10人から、評価されたら、10の価値が足されるので、自分の価値が元々の1から10足されて、11になったと考えるーこれがTJTの考え方です。

TJTの考え方を持っている際には、評価を求めて探し回ることは至って普通です。11の価値になったと自覚すると、今度は、21とか31に更に上げることはできないかと、当然に考えます。TJTの考え方には、際限がありません。

住む場所を変えても、仕事を変えても、際限なくついてきます。TJTの考え方をしていると、他人によって、自分を見るという思考が習慣化され、自分が他人より優っているとか、劣っているとかを考えます。他人と共存することが難しく、競争の方に走っていきます。

一般的には、かなり恵まれた生活なのに、私自身は幸せを感じていない

というのも、TJTの考え方が支配しています。TJTの考え方は、際限がないので、自分よりすごい何かを、自分よりすごい誰かを常に見続けます。

こうして、自分の価値に対して、架空の数字を求めていきます。しかし、実際の価値は0か1なので、それ以外の数字は自分の頭の中で生成したものに過ぎず、それなのにいったん自分の価値が51まで上がったと考えると、今度は50になると思うのが怖くて、更に更に上げようとします。いつまでそれをやるかというと、気づくまでです。

ちなみに、こういう価値の話をすると、銀行の預金残高の話と勘違いする人や、会社の査定がBからAになること、テストの点数が80点から100点になることとごちゃまぜにする人がいます。

TJTの考え方を持っている人は、自分で自分に価値があるといえない人なので、人に言ってもらわないと信じられず、目に見える形でないと安心しません。

また、役立つことで価値があると感じようとする人もいます。こういう人は、貢献とか役立つとか、ボランティアとか、慈善活動、奉仕活動が好きです。

更には、他人にとって、都合のいい人になることを、自分の価値が上がると勘違いしている人もいます。上司に褒められるような仕事をしたら、確かに上司にとっては都合がいいし、預金残高が増えたら、確かに妻にとっては都合がいいです。でも、都合がよくなる相手は他人であって、自分の価値とは無関係です。

人から感謝されることも、自分の価値とは無関係です。ありがとうと言われることに、喜びを感じるのは人として自然な感情ですが、言われると価値が上がるものではありません。

TJTの考え方を持つ精神状態は、意識的であれ、無意識的であれ、常に誰かから称賛をもらおうとし、いつどこで、誰が自分の価値を上げてくれるのか、またいつどこで、誰が自分の価値を下げようとしていないかを警戒し、怯えます。

さて、ここで問題になってくるのが、10人が自分のことを「良い!」と言って、1ずつもらって自分の価値が11になったと勘違いする考え方を持っているということは、自動的に、

もし、10人の人が自分のことを「悪い!」と言ったら、自分の価値は1から減らされて、0もしくはマイナスになるということなのか?という公式が浮かび上がってきます。

これが自分を破壊へと導きます。非常に危険な方向へ向かっています。究極が自殺であり、もしくは自分の価値を認めない人への殺意にすらなりえます。

これが、まさにTJTの考え方が自分に優しくない理由です。他人によって自分を上げようとする価値観を持っている人は、他人によって自分を下げようとする価値観を持ち合わせます。どちらかなんてことはありません。

自分の価値が、0かマイナスというのは、ありえないほどにおかしい話です。タブレットは目の前に存在しています。存在しているのに、0かマイナスと考えるのは、私たち人間が、タブレットが故障して、全く機能しなくなり、使えなくなった(0)ので、あると邪魔だからゴミに(マイナス)します。これを人間に当てはめてみてください。人間は、人間ですから、タブレットと違って、自分で考えられます。自分で自分のことを、使えなくなった(0)ので、消えてなくなりたい(マイナス)にする選択肢を持っています。

自分の価値が、0かマイナスなんておかしな話です。存在しているのに、自分の価値が0かマイナスになるというのは意味不明な話です。なのに、TJTの考え方を持っている人は、この意味不明な、他人にとって自分の価値が下がるという考え方を自動的に付随させてしまいます。

その結果、生きているのに、死んだようになってしまうという状態になります。生きているのに、頭の中で悩み苦しんで、呼吸はして、食べてはいるけれど、死んだような感覚を経験したことがある方は、どこかにTJTの考え方があったはずです。

TJTの考え方は、プラスの方に働いているときは、さほど問題が表面化しませんが、マイナスに働く可能性も常に持ち合わせていて、一度マイナスの方向に働くと、とても生きづらくなります。

自分の価値は0か1です。その価値を減らすという、減らせないものに減らすというおかしなことがなぜ起きてしまったかというと、数字を上げてしまったからです。上げてはいけないものを上げてしまったから。

価値は常に0か1です。

人が自分のことを10人の人が【好き】と言っても、「ありがとう」と笑顔でサラッと受け流すのはいいけれど、自分の価値を上げてはダメ。

好きと言われようが、言われまいが、わたしの価値は変わらない

自分は1のまま。1に留まるんです。そうすれば、下がらないから。上げると下がる。もしくは、上げると下がらないようにしようとする。それがまさに、自分に優しくない考え方です。

今話している内容は、

人には、色々いるから、自分のことを好きな人もいれば、嫌いな人もいる

という話では全くなくて、

あなたの価値に他人は関係ない

ということです。存在しているか、いないかの0か1。上げたり、下げたりしない。

こころの栄養においては、TJTの考え方は、基本的な、土台の部分になる考え方です。こころの栄養で何度も取り上げている境界線の問題も、TJTの考え方を手放していくと、実践しやすくなっていきます。

今まで自分の価値を上げ下げしていたTJTの考え方が自分に優しくなかったとわかると、これから色々なことが変わってきます。ありとあらゆることに、TJTの考え方を適用し、ありとあらゆる弊害を被ってきたことにじわりじわりと気づき始めます。

たとえば、今、仕事をしていなくて、これから仕事を始めようとします。ここで、なんで始めるんですか?と問います。

自分に優しくない考え方を持っている人は、「今、お金が必要だから。」というシンプルな理由ではないです。TJTの考え方を持っている人は、それなりに頑張ることができ、まじめな人が多いので、普通に貯金もあり、また自分の配偶者に収入があったり、差し迫ってお金が必要ではなかったりします。

では、なぜか?というと、それは、それは自分に優しくない考え方を持っているからなんです。つまり、仕事をしている状態の自分になることで、自分の価値をあげようとします。何度も書いていますが、上げてはいけないんです。上げるから下がるというおかしなことが起きる。

だから、もし、今仕事をしようとしているなら、こう言ってください。

仕事をしていても、していなくても、私の価値は変わらない

その上で行動し、その上でしたいことをし、その上で仕事を探すなら、仕事を探してください。自分に優しくない考えをベースに行動すると、自分に優しくないことを平気でします。結果、続きません。結果、得た仕事も、辞めてしまったりします。

今、結婚を考えていますか。そこには焦りや、さっさと結婚して次のステージに進みたいみたいな気持ちはあったりしますか?

もしかして、今、自分は0.5の価値しかないと思っていて、結婚によって1にしようとしていませんか?子供を望んでいる人は、母親ではない自分は不十分だと思っていませんか?

それに、そもそも論ですが、この世にはあなたの【価値向上】のために 夫や妻になる人が、存在したり、あなたの【価値向上】のために存在する子供もいません。

あなたが、結婚してもしなくても、あなたの価値の1は変わらないし、また将来、夫や妻になる人も、あなたと同じ1の価値のまま。子供もそのまま1のまま。みんな1なんです。

結婚しても、しなくても、私の価値は変わらない

他人を使って、自分の価値をあげようとする人は、とことん、他人を利用します。TJTの考え方は、本当にありとあらゆる場面に適用されます。

夕食を作っても作らなくても、私の価値は変わらない。

掃除してもしなくても、私の価値は変わらない。

両親の介護をしてもしなくても、私の価値は変わらない。

子供に仕送りをしてもしなくても、私の価値は変わらない。

昼寝をしてもしなくても、私の価値は変わらない。

自分に優しくない考え方を常にしてきたから、こういうことを言われると違和感があり、無視したくなるような気持ちになるのが自然です。

目の前にある問題を全て取り除くことはできないけれど、自分に優しくないTJTの考えかたを持ち続けるか、やめるかは私たちの選択にかかっています。

自分に優しい考え方を受け入れると、次第に、自分がとる行動も自分に優しいものにじわりじわりと変わっていきます。

自分に優しくないTJTの考え方は、一夜にして消えません。何年間もかけて身につけてきたサバイバル術をそう簡単に、手放せるわけがありません。

お風呂に入っても入らなくても、私の価値は変わらない。

こういうところからです。

〜〜〜

◆ワーク♦
ワークは1から3まであります。紙とペンを持って、書いてみてください。公開したい人は、コメント欄に書いてください。

ワーク1
仕事をしても、しなくても私の価値は変わらない。
結婚していても、いなくても、私の価値は変わらない。
子供を育てても、育てていなくても、私の価値は変わらない。
○○に電話をしても、しなくても、私の価値は変わらない。
○○へ行っても行かなくても、私の価値は変わらない。

という文章の形を考えた時に、今現在、自分は○○することに価値をおいていた、価値を感じていた、○○によって、自分の価値をあげようとしていたことを3つ書いてみてください。

「〇○しても、しなくても私の価値は変わらない」の文章の形です。

ワーク2
ワーク1で書いたことを眺めて、書いた3つの文章の中で、特に、今、この価値観が自分に与えている影響が最も大きいと思う文章に〇をつけてください。

たとえば、

仕事をしても、しなくても私の価値は変わらない。
子供を育てても、育てていなくても、私の価値は変わらない。
親に連絡しても、しなくても、私の価値は変わらない。

と書いたなら、その中で、今、今日この日、一番心を占めているのは、どれかを決めます。

ワーク3
ワーク2で決めたものに対して、どちらに価値を置いていたのかを明確にして、〇で囲ってください。

たとえば、
親に連絡しても、しなくても、私の価値は変わらない。
を選んでいた場合、本当には親に連絡したくないけれど、連絡しないといけない、そうでないと、不安だと思っていたなら、「親に連絡しても」の方を〇で囲みます。

まずはこれだけです。TJTの考え方は自分に優しくない考え方です。自分に優しくない考え方を行使しようとしていたのは、何だったのかを明確にします。ぜひワークに取り組んでみてください。1か月後くらいにこのリーディングに戻った時に、うまくTJTの考え方を捨てつつあれば、「へえ、あの頃は、こんなに自分は縛られていたんだ」と気づくことができます。

※続編は自分が大切にしている価値観が見えてくる方法(ワークあり2)です。

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