アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ④ー「自分のことが嫌い」の思いとどう向き合う!?

自己認識

今回は、「自分のことが嫌い」という思いを取り上げます。

言うまでもないですが、自分嫌いのまま「幸せ」にはなれません。

人生が充実している人。
何かに挑戦して努力している人。
心から喜んで、他人に尽くしたり親切ができる人。

こんな人は、
「自分」に対して、肯定的であり、「自分」の味方です。

自分が「自分」であることを良しとし、自分を大切にします。

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一方で、今の現状がもし、

長年、何かに悩み続けている。
自分の人生が思うようにいかない。
対人関係が全然うまくいかない。

のような場合は、自分を肯定的に受け入れるのは難しくなります。

そして、落ち込んでいる自分に対して、

更に落ち込む。
更に自分に対する自信を失う。

というサイクルが続いてしまいます。

アドラーの「目的論」に当てはめる

アドラー心理学は、目的論でも書いた通り、
「○○だから△△」のロジックは否定します。

アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ①ー生い立ち・環境・家族のせいで変われない!?には目的論

となると、

「自分が嫌い」だから、人と接することができない。
「自分が嫌い」だから、挑戦ができない。
「自分が嫌い」だから、外へ出られない。

ではなく、むしろ、

「自分が嫌い」という症状(理由)を使って、
人と接することをしない。挑戦しない。外へ出ない。

の目的を遂行しているということになるんですね。

そんなバカなと思うかもしれません。

そうなんです。アドラーの目的論は結構厳しいんです。

「自分が嫌い」であればあるほど、人と接しない理由にもなります。
そして、挑戦しない理由にもなり、外へ出ない理由にもなってくれます。

つまり、変化しない自分を肯定できるんです。
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ③ー変化すること

そして、『もし』、自分のことを受け入れ、好きになれたら、
外へ出たり、人と接したりすることができると思っています。

「嫌われる勇気」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)の中では、
この「もし~がなくなれば、」とか「もし~なら」を、
可能性の中に生きること』と表現しています。

歌を歌いたかったある人のストーリー

ある人は、歌を歌いたいと思っていました。
ずっと、歌を歌うことに情熱を抱いていました。
仕事は非常にストレスが多く、楽しめませんでした。

でも、つまらない仕事と感じながらも、真面目に働いていました。
休日は、ずっと一人で家にこもっていました。

その時、友人から、クワイアに加わらないかと誘われました。
そこは100人規模のコミュニティで、月に2回くらいゴスペルを歌ったり、合唱したりしていました。

でも、彼は参加しませんでした。
自分が「ずっとしたい」と言って歌を歌うことなのに、
いざ、チャンスが来ても、あっけなく手放してしまったのです。

彼は「自分が嫌い」でした。
歌が歌えないで、嫌いな仕事をし続けている自分が嫌いでした。
いつも鬱ぎ込んで、一人で家で引きこもっていました。

でも同時に、彼が本当の自分と向き合わなくてもいいということにおいては、好都合でした。
本当は、こういう仕事をしたい、歌も歌いたい、もっと人と関わりたい・・・。
でも、それをする勇気がなかったのです。

歌を歌うというチャンスにのってしまうことは、
「そうなったらいいな」とずっと思っていた夢の世界に飛び込むことです。

夢の世界を現実の世界に変えてしまうことはリスクが伴います。
なぜなら、夢の世界は、現実の中で自分が思い描いた通りにいくとは限らないからです。

もしかしたら、仕事を続けていることで、もっといい仕事に就けないかもしれない。
歌にずっと憧れていたけれど、やってみたら、そこまで情熱がわかないかもしれない。
クワイアに加わって、人と関わったら傷つけられるかもしれない。

現実の世界はいつでも答えが出てきます。

現実の世界は、「暑い」のか「寒い」のか。
「柔らかい」のか「硬い」のか。
はっきりしています。

だから、誘いを受けることは彼にとっては不都合でした。

むしろ可能性の中に留まって、
「自分が仕事さえ変えれば」/「歌さえ始めれば」/「友達とさえ関われば」
いつでも状況は変えられると思っていた方がずっと楽だったのです。

でも、この思いを続けている間、
彼は「自分が嫌い」から脱却できず、「自分が嫌い」な現実も変えられませんでした。

頭の中の「思い」を少しずつ「現実」へ

「こういう人生にしたい」
「こんな毎日を過ごしたい」
「この状況から抜け出したい」

誰でも願望を抱きます。

でも、本当に現実にするためには、思いを少しずつ現実に移していく作業が必要です。

何もかも一気に変えようとすると、風当たりが強く、リスクも高まります。
今日明日にすべてを180度変えようとはしません。

こころの栄養はあくまで、「心軽く」です。

大切なのは、

可能性の中に留まっている限り、「変化はない」ことを認めること。
「自分が嫌い」なままでは、幸せはいつまでもやってこないと認めること。

です。

その上で、多少傷ついても、失敗することを恐れず、現実世界に飛び込むことです。

「多少傷ついても」と書きましたが、この言葉は鍵になってくると思います。

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無理やり「自分を好きになろう」とするのではなく、
まずは、自分がまだ「可能性の中に留まっている」ことを一つや二つ、取り出してみてください。

そして、まずは小さな一歩のために何ができるかを考えて、実行してみてください。
5分だけでもいいです。

これがまさに勇気であり、自分が嫌いの思いへの対処法です。

そして、一歩を踏み出したら、次の一歩が見えてきます。
それを繰り返しているうちに、現実はみるみる変わっていきますよ。

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「嫌われる勇気(Amazonで見る)」(岸見一郎著、ダイヤモンド社)

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