【相談事例】楽しいことがなくなっちゃった
うつと診察された。息子は引きこもり。若い頃はがむしゃらに頑張ってきた。でも、息子の引きこもり状態で、関係も良くなく、やってきたことは全部否定されたようで、自分は一体何をやってきたんだろうと後悔ばかり。それでも、この家族と頑張って生きていくしかないと思っている。毎日、楽しいことはなくなっちゃった。毎日を楽しめない。(60代 女性)
楽しいことがなくなっちゃった。
それは辛いですよね。毎日、朝起きて、今日はこれをしよう、あれをしようと考えて、考えたことに、ちゃんと気持ちがのってくると人は、楽しくなりますけれど、気持ちが落ち込んでしまうと、どうでもよく感じてしまうことがあります。
以前は楽しいと思っていたことが、どうでもよくなったり、以前は何も思わず普通にできたことが、本当にやるせない気持ちになったりすることもあります。
「楽しい」と感じるのは、自分の感情であって、前と同じことをしていても、楽しいと感じることもあれば、そう感じられず、むしろつまらない、苦痛に感じてしまうことさえあるんです。
人は絶えず、周りの環境に影響を受けて ...
【相談事例】自己表現がうまくできない障害を持っている人との関わり方
【相談事例】
発達障害を持っていて、自分の気持ちをうまく表現したり、愛情表現できない人がいる。先日、人に対して思いっきりぎゅっと締め付けるようにハグをしたり、お腹を殴ったりして、相手の人にかなり痛い思いをさせていた。本人は悪気があるわけではなく、反省はしているが、こんな暴力は絶対に受け入れられることではないので、本人としっかり話をしたい。暴力をしないように、自分はどのように話をすればいいのかと思っている。(50代・女性)
今回の相談は、この障害を抱えた方の指導者の立場に当たる女性からの相談です。
私たちは普段、自分の心で何かを感じても、それをストレートに表現したり、しなかったり、時と場所に応じて判断しています。
誰でも、みんなが心に思ったことを好き勝手に言っていたら、恐らく毎日ケンカばっかりになってしまうかもしれませんね。それくらい、時に自分の気持ちの表現を抑制したり、ある程度はオブラートに包んで、当たり障りのないように言ったりする微調整はやはり必要です。なぜなら、それが潤滑油となって、スムーズな人間関係に ...
【相談事例】夫が浮気した。離婚はしたくない。
【相談事例】
夫の浮気が発覚。1年以上も関係を持っていたことを知った。自分は夫が好きだし、離婚はしたくない。夫も離婚はしたくないけれど、私が要求すれば仕方ないと言っている。相手の女性に対して、慰謝料の請求と夫婦関係の修復について相談したい。(30代 女性)
浮気という問題は、もちろん夫婦の結婚の契約を軽視した行為で、浮気をした相手は理由は何であれ、問題を抱えています。ただし、今回のように「結婚」を双方が維持したい場合、この問題について相手を責めても、関係性の改善にはなかなかつながりません。
大前提として、問題は認めた上で、これからどうしていくのか、何を改め、どういう関係を築いていくのかということについて、よりフォーカスして真剣に考えていくことが大切です。
今回の相談者は、最初の段階では、何とかこの問題について、慰謝料を請求させ、自分の中でけじめをつけたいという思いでいっぱいでした。夫への不信感と怒り、そして相手の女性への怒りから、慰謝料という考えが浮かぶのは自然なことです。
ただし、自分は何をし ...
【相談事例】父にお酒の問題がある。母と離婚してほしい。
【相談事例】
父は、お酒を飲むと乱暴な言動を繰り返す。特に母に対して、暴力を振るうことが多く、問題を繰り返してばかりの父が許せない。
これまで、父の乱暴を力づくで制して、母を守ってきた。今後、仕事の都合で同居ができなくなり、何とか母に父から離れてもらいたいと離婚するように頼んだ。母には今、離婚の意志はなく、このまま両親を残して家を出るのがとても不安。(20代 男性)
今回の相談は親子関係です。お酒の問題を抱えた父親から、母親を何とかして守りたいという必死な想いがひしひしと伝わってきました。
実際に、飲酒の問題で大変辛い思いをされ、心の葛藤が沢山あったと思います。父親が酔うと、暴力を振るうという大変深刻な状況の中、勇気を持って、カウンセリングに来てくれました。
他人の問題は他人の問題お酒の問題には、様々なものが背景にあり、お父さん自身もものすごく葛藤している中で、飲まざるを得ない状況に自分を追い込んでしまっています。問題を起こしかねないことをわかっていながら、コントロールがきかない状態になってしまっています ...
【相談事例】息子が引きこもりで困っている。早く働いて欲しい。
【相談内容】
息子がずっと引きこもりで、一体いつまでこういう生活が続くのだろうかと不安になる。息子は小さな頃の不平、不満を自分に言ってきて、よくよく考えると、かなり言い当てているこが多い。外出はしないが、飲んでいる薬のリサーチをしたり、薬を変更したいなどと自分から言ってくる。医者には必ず自分から行く。
以前、息子からある本を読んでくれと言われて、渡された本があり、内容は非常に暗い本で、息子はこんなことばかり考えているのだろうか・・・と思うと気持ちがまた下がってしまう。
過去のことを振り返ると、「たら・れば」の後悔がいっぱいわいてくる。年明けからお金を入れるようにと責めてしまった。引きこもりでも働ける求人をわざわざ見つけてあげて紹介したけれど、まともな仕事をしたいと言う。色々話したいけれど、息子はあまり話してこない。時間が経てば、経つほど、息子の就職も難しくなるだろうし、不安でいっぱいになる。(60代・女性)
引きこもるには理由がある今回の相談は、親子関係です。引きこもりというのは、自ら孤独を選択する行為なんですね。人は健全であれば、 ...
【相談事例】母から不本意な悪口を言われ続ける。母が憎くてたまらない。
【相談内容】
同居の母が周囲の人に自分の悪口を言う。自分がどれだけ母を手伝っても、母は周囲の人(親戚や近所)に、「娘は何もできない」と不本意なことばかり言う。ただの嘘なので、ほっておこうとは思っている。ただ以前、うつ状態になり、本当に苦しんでいる時にも助けてくれなかった過去のことを思い出すと、嫌な思い出が蘇ってきて、苦しい。家を出ようかとも考えている。(40代 女性)
今回の相談は親子関係です。親子関係の場合、それ以外の人間関係と違って、少し特殊です。夫婦関係ともまた違って、親子関係だけは唯一「生まれた時からつながっている」という特別な人間関係なんです。
いい意味でも悪い意味でもあまりにも「親しみ」がある関係でもあるので、もはや無意識に子(もしくは親)をまるで「自分のもの」のように扱ってしまいがちです。その結果、喧嘩や衝突が起こります。
近すぎる関係だからこそ、知らず知らずのうちに、自分のストレス発散の対象として、また、自分の存在を承認させる対象として、子供や親を用いてしまうこともあるんです。
母親の課題をまずは切り捨てる
【相談事例】離婚にあたって妻に言われたことが納得できない
【相談内容】
妻と離婚協議中。妻から10:0で自分が悪いと言われた。確かに離婚を言い出したのは自分だが、それに至る経緯を見ず、一方的に自分の非を責められるのは納得できない。(30代 男性)
今回のケースは、既に弁護士を入れて、離婚調停に向けて進めているものの、妻から、100%自分が悪いように言われたことについて、納得がいかず、気持ちのやり場を失い、苦しい思いをしているということでした。
手続き上は、外部のプロに任せているので、通例通り5:5で落ち着くとのことですが、相手から全責任を押し付けられたような発言に、精神的ストレスを感じられていました。
人がどう思うかはどこまでも人の自由自分が全く納得できないことを、人から決めつけられてしまうことは、誰しもあります。「あなたの責任だ」と言われ、全面的に自分の落ち度を突きつけられるのは、決して心地の良いものではありませんね。
どうにかして、そう言ってくるのを認めまいと、たとえ相手に何も言えなくても、自分の中で心がざわつき、葛藤します。(ちなみに人に、怒りの思いをぶつけてしまうとか、 ...
【相談事例】不摂生でだらしのない夫にうんざり、イライラに憎しみも。
【相談内容】
夫がテレビを見ながらだただたとゲームをして、身体に悪そうなものばっかり食べている。片付けもしないし、だらしがない。見ていてイライラどころか憎悪すら湧いてくる。(30代 女性)
今回のケースは、夫の行動に不愉快になり、怒ったり、憎んだりする自分の気持ちのやり場をどこへ持っていけばいいのかという相談です。
一歩下がって、自分と相手を客観視して全体を見る自分に直接的な被害が何もなくても(例えば、暴力や暴言など)、相手の行動に不快感を覚えて、無性にイライラしたり、どうにもならない相手に対して、何とか動かそうと言葉や態度を使って、自分の気持ちを伝えようすることがあります。
そのことで、もし相手が、素直に要求を受け入れて、行動を改めたとしたら、そもそも憎悪感などは湧いてきません。それどころか、私のおかげで、行動が改まったと満足感を抱くかもしれません。
イライラしたり、強い憎しみを感じているのは、自分の中に「あるべき姿」の理想像を持っていて、それが思いどおりにならないので腹を立てています。「人をコントロールすることはでき ...
【相談事例】夫が何度も浮気を繰り返す、離婚はしたくない
【相談内容】
夫が、何度も浮気を繰り返す。何度も話し合いをして、関係をやめてもらっても、また繰り返す。でも離婚はしたくない。(50代 女性)
今回のケースは、夫と良好な関係を回復して、結婚生活を取り戻したいと心から望んでいるものの、浮気をし続ける夫に怒り、希望が見出せない妻のケースです。浮気が発覚すると、相手が出て行くのが多いケースですが、今回の場合は、それでも夫を赦し、回復したいと望んでいるケースです。
浮気問題は、結婚生活において、それが夫であれ、妻であれ、明らかに「×」です。浮気をしてもいい結婚は存在しないし、浮気をされても構わない結婚も存在しません。
結婚生活を維持するということは、お互いが相手のことを向いているからこそ成り立つものであって、相手が違う方向を見ていたら、結婚生活がスムーズいきません。浮気をオッケーとするのなら、それはもはや結婚は形だけのものになってしまっています。
浮気は「×」です。でも、「×」だからこそ、ここに落とし穴があります。殺人、万引き、悪口などもみんな「×」です。100人いたら、大多数が「× ...
【相談事例】妻からモラハラだと言われた
【相談内容】
妻から、モラハラだと言われた。改善せねばと思うのですが、なかなか改善できない状態で困っています。(30代 男性)
今回のケースは、妻が夫からの精神的なストレスを負担に感じ、挙句に妻が病気になってしまい、どうすればいいのかと困っている夫からの相談です。
まず念のため、モラハラとは、モラルハラスメントの略で、精神的な暴力や嫌がらせのことを指します。殴る、蹴る、叩くなどといった身体的な暴力にたいし、目で見えにくい言葉遣いや、態度によって相手を傷つける行為です。
この相談者は、妻から「モラハラを受けている」と言われた事実を受け止め、なんとかしなくてはならないと感じています。ただ、「感じてはいる」けれど、なかなか改善できないという状況に陥っています。
私たちの普段の生活の中でも、このようなことは別に夫婦関係や人間関係のトラブルでなくても、よくあることです。問題を認識はしたけれど、問題解決ができないというジレンマです。
夫がこの状況と向き合う過程で、自分の態度をそんな風に受け止める妻とは