悩みの正体, 気持ちとの向き合い方

決断しなくちゃいけない場面って色々あると思います。

だけど、実は普段から、今日何を食べる?とか、今日何をする?とか、今日何を言うとか?

日常は、決断の連続で成り立っているのに、

あ・え・て、

「決断しなくちゃいけない!!!!」
って考えているってことは、

多分、決断がめちゃくちゃ大きいものになっていて、(結婚するとか、離婚するとか、この会社やめるとか、内定を受けるとか、親にカミングアウトするとか、しないとか・・・)

瞬時にできる、コンマ〇秒でしている決断じゃなくて、

『決断』という言葉に置き換えて、脳内から、体内から取り出して、

あ・ら・た・め・て、

決断を考えなくちゃいけないレベルの決断
になっちゃっています。

こころの栄養的には、まずこの時点でめちゃくちゃ重い。

決断を考えなくちゃいけないレベルの決断
になっちゃっていることで、めちゃくちゃ重い。

です!

たとえば、
めっちゃくちゃ行きたくて ...

心理・思想・聖書

アドラー心理学「嫌われない勇気」

嫌われない勇気(岸見一郎氏、古賀史健氏 ダイヤモンド社)では、アドラー心理学の肝となる考え方の、「共同体感覚」が紹介されています。

共同体感覚がわかると、「自分、自分、自分!!!」って考え続ける自己中心から、次第に全体の利益を優先させるようになっていって、自己中心の囚われから解放されていきます。

本当に、世の中の人がみんなが全体の利益を優先させるようになったら、世界はどういう風に変わるんだろうとワクワクします。でも、これを実現するには、「まず自分」からです。

すべての人が、「あ〜こうなったら、理想だよね!」って思うことは、結局失敗しながらでも、やってみようと努力して、前進しようとしないとどうにもならないんですね。

だから、アドラー心理学は、「自分だけが幸せになろう」という気持ちいっぱいで学ぼうとすると罠に陥ります。と言うのも、この心理学は共同体感覚を持つように言っているからです。

つまり、自分の人生を共同体のために使いなさいってこと。

そのためには、「自分が、自分が、」と考えて ...

気持ちとの向き合い方

今回は、親子の役割逆転についてです。

親子の役割逆転は、子供なのに、親の責任を自分のものかのようにして引き受けてしまうことです。今回は、そこから派生して、「不必要な責任を感じてい生きている」すべての人をここでは指すことにします。

役割逆転は、子供時代や、幼少期に形成されることも多く、もはや無意識で、知らず知らずのうちに、自分の考え方の一部になってしまうこともあります。自分がまさか、そんな「責任感」で苦しんでいたとは知らずに、様々な問題を自分のものとして抱え込んでいたかもしれません。

負わなくてもよい責任が自分を苦しめる

親子は、親子です。親が親の立場をしないことは、子供が親の立場をしないといけない理由にはなりません。ここで言っているのは、向き合い方の問題です。例えば、「私がいい成績をとらないと家族がギスギスしてしまう。」と感じて、そのために一生懸命に勉強を頑張るようであれば、これは既に親子の役割逆転が生じています。

家族円満とか、家庭がスムーズにいくことは、本来、子供が「責任」までは感じなくてもいい領域です。子供がこのようなことを無意 ...

心理・思想・聖書

こころの栄養.comでは、アドラー心理学シリーズで、10回の記事を発信しました。私は、カウンセリング手法として、特定の心理療法をサポートしているわけではありませんが、家族問題については、アドラーの考え方をオススメしています。今回は、その理由について書いていきます。

1、課題に分離について扱っているから

家族問題というのは、多くの場合、「あまりにも密接した」関係の中で生じてしまいます。友人関係や仕事の悩みとは少し種類が違って、お互いが、いい意味でも悪い意味でも「あまりにも親密」になりすぎた為に起きてしまった問題が多いです。

「親密さ」は家族関係には確かに必要なものであるけれど、同時にこの「親密さ」ゆえに、本来は相手の領域であるにも関わらず、土足でずたずた入り込んでしまうようなことがあります。相手の問題であることも自分の問題かのようにして、次第に癒着し始め、大きな問題につながってしまうのです。

家族問題のテーマのカウンセリングは、様々なものがあります。親からひどい悪口を言われた、配偶者の浮気、離婚、依存症、DV、うつ、引きこもり、ギャンブルなど様々で ...

心理・思想・聖書

心理カウンセリングといえば、カウンセラーとの「対話」を使って自分を見ていく手法が多いですが、実はカウンセリングの種類は広義の意味では本当に様々なものがあります。あまり言葉に頼らないで自分の気持ちを表現していく、「箱庭療法」について紹介します。

箱庭療法とは何か?

箱庭療法は心理療法の一つです。もともとは海外で生まれた心理療法ですが、日本でも広く使われています。ちなみに私自身は実施したことがありません。

箱庭という言葉通りで、箱というよりも、入れ物の中に砂やおもちゃ、装飾物などがあって、それを自由自在に、入れ物のなかでデザインします。山みたいなものを作ってもいいし、砂場みたいにしてもいいし、陸地と海に分けて、砂浜みたいにしてもいいです。

その表現方法は、どのような風でもよく、セラピスト(この場合は、心理療法なので、カウンセラーというよりもセラピストと呼ぶ方が一般的です。ただ、どちらでもいいです。)が見守る中、自由に創作していきます。

表現したものをベースにセラピストと言語化することもあり(しない場合もあります。)自分の頭の中で考えている ...

心理・思想・聖書

交流分析は、対人関係にトラブルを抱える人のパーソナリティ(個性、心理状態、考え方などなど)に着目し、他者とどのように関わっているのかを分析し、個人の成長を促し変化させていくことを助けます。今回は、交流分析を構成する要素の一つ「ストローク」について見ていきます。

ストロークとは何?

ストロークとは、他人の存在を認め、認めたことを表す「言動」のことです。
例えば、目の前に店員さんがいます。この定員さんの対応に満足して、つい笑顔になって「ありがとう」と言ったとします。この時、ストロークが発生しています。目の前にいる「店員さん」という人の存在を認め、それによって行動を起こしているからです。逆に、今度はこの店員さんに対してクレームをつけ、怒鳴ったとします。この時も、店員さんの存在があってこそ、怒鳴っているわけで、何も壁に対して怒っているわけではありません。この場合も、同じくストロークが発生しています。

上の例のようにストロークは、プラスストロークとマイナスストロークがあります。

プラスストロークマイナスストローク身体の動作による表現・手をつなぐ、なでる、 ...

心理・思想・聖書

「~でなければならない」「~できない自分に不満を感じる・・・」こんな気持ちになったことはありますか。そういう人には森田療法の考え方が参考になるかもしれません。ということで、今回は、森田療法について紹介します。

森田療法とは何か?

森田療法は、日本版の精神療法の一つです。心理学というとフロイトやユングなど、海外の方が多いですが、森田療法は日本から出発して、海外でも知られています。

大学病院で精神科の医師をしていた森田正馬氏によって始められ、1920年頃に神経質者に対する「森田療法」が確立されました。

神経質者と聞くと、自分には関係ないのではないか?と思ってしまいがちですが、ここではもっと気軽に捉えて、何か自分の中で、「自分で悩みを作っているなー」とか、「その悩みを自分で大きくしてしまい、生き辛くなっているなー」と思えば、森田氏の考え方は有効です。

森田療法では、悩みや不安の原因を探して、それを取り除こうとはしません。むしろ、人生、悩みがあるのなんて当たり前、生きていく上では必須のものと理解し、その上での心のあり方を重視しているものです。 ...

心理・思想・聖書

「自信が持てない人の心理学」(加藤諦三氏著作、PHP研究所、定価500円)という本を紹介します。前回の記事(悪口を言う家族から離れた方がいい理由)でも、この本から一部紹介しました。

どんな人のために?

この本は、他者との関わりの中で、本当は自分の中にどこか違和感を感じているのに、他人に合わせてしまう人に特にオススメしたいです。

自分以外に一人として同じ人間がいない他人と関わる中で、自分の中に違和感を感じることなんて、正直当たり前ですね。自然なことです。違和感とまではいかなくても、単純に、「自分とは違うな」と思うことなんてしょっちゅうあると思います。

それを、「違うんだな」で済めばそれでいいのですが、変に他人に合わせようとしてしまったりするとどこかで問題が出てきます。しかも「合わせないではいられない」人もいます。自分では合わせたいと望んでいるわけでも、意識しているわけでもないのに、気付いたら、やっぱり合わせてしまっている、そしてふと振り返って、反省して、それでも、また合わせてしまう・・・こんな繰り返しの日々になっている人もいます。

他人 ...

心理・思想・聖書

内観療法とは何か?

内観療法とは、心理療法の一つで、実業家出身の吉本伊信氏が開発した自己探求の療法になります。

内観療法では、自分の内面と静かに向き合い、過去から現在までに特に深く関わった人間関係の中で、「自分がどのような在り方をしたか?」を調べていきます。

調べる内容は、①「してもらったこと」②「して返したこと」③「迷惑をかけたこと」の3つの観点です。

あえて「調べる」という表現を使っているように、ここでは何かを思う、感じるのではなく、事実としての出来事をしっかりと調べていきます。

私自身、特定の施設で内観療法をしたことはありません。これらは刑務所や少年院、精神科病院等で実施されています。日常生活からかけ離れた静かな場所で、1週間泊まり込みで実施する集中内観という手法をとることが多く、かなり本格的に長い時間をかけて自分と向き合う療法になります。

感謝できることに気づくこと

今回は、内観療法そのもののやり方はさておき、注目したいのが、①の「してもらったこと」と③の「迷惑をかけたこと」です。

なぜかというと、この2 ...

心理・思想・聖書

今回は心理カウンセリングの手法の一つであるフォーカシングについて紹介します。

フォーカシングとは何か?

フォーカシングとは、「自分自身に向き合う」ことです。悩み、苦しみ、絶望感、やるせなさ、惨めさ・・・などを感じる時、自分の心が感じている「もやもやとした気持ち」に焦点を当てます。

痛みにフォーカス(集中)することを一切せずに、今できることを考えようとか、変化を起こすために何をするかなど、未来のことを考えることとはかなり異なる手法です。

フォーカシングでは、心の中に感じている「もやもやとした存在」をなかったことにしたり、見なかったことにしたりはせず、言葉通り「もやもや」していて、「よくわからない」けれど、「存在」することを認めます。

怒っている人、いつまでも人の悪口が止まらない人、人を責めたり、責められている人・・・これらの人は、必ず心の中につっかえとなっている「もやもや」が存在しています。

心のもやもやを明確にする

取り出したいけれど、この正体のわからない、自分を苦しめるものにイライラして、手っ取り早い方法として、目の前にい ...