アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ⑦「課題の分離」後半ーどうやって分離する!?
今回は、
アドラー心理学「嫌われる勇気」シリーズ⑦「課題の分離」前半ー人は人。自分は自分。
の続きです。
目次
他人への過度な気遣いによって、課題の分離ができない!?
アドラーは悩みのほとんどは対人関係であるといっています。
そして、課題の分離ができていないことで人間関係の問題が生じると言います。
課題の分離がなぜ難しいのか。
その一つに、自分は課題の分離をしても、相手は課題の分離をしない/できない
と心のどこかで思っているのが邪魔をします。
一言で済ませるなら、
相手のことはいいから、自分ごとに集中しましょう。
相手の心配はお節介です。
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となるのですが、一言でサラッと切り替えられないほどに、
「相手」のことを見てしまう癖がついているんですね。
つまり、課題の分離をしたいけれど、心の中で、
「あなたは私がこうすることで、傷つくよね」
「私のこの行動、きっと理解されないよね」
などと、相手がする課題の分離を気にしているんです。
相手がする課題の分離を気にしているのは、そもそも課題の分離ができていません。
課題の分離をしようと思うあまり、余計に相手の領域に踏み入れてしまっているという矛盾です。
そもそもは、自分の人生に集中しよう!と思って課題を分離しようとしたのに、
課題を分離しようとすると、今度は相手のことが気になる。
結局、元の状態に(もしくはそれよりも悪い状態に)なってしまうというサイクルですね。
当然、いつまでも課題の分離が進まないので、
人を変えて、場所を変えて、似たような悩みにいつもぶち当たります。
つまり、いつまで経っても、
踏み込む必要のない他人のことで悩んでしまうという循環が続いてしまうんです。
まして「課題の分離は相手を切り捨てること!」などと誤解してしまうと、
益々消極的になってしまいます。
課題の分離を何かとても大事なものと思い込んでしまっています。
楽な人間関係が欲しいと思って、自分ごとに集中したいと思ったのに、
なかなか課題の分離ができない人は、大抵、
「課題の分離をすることは難しいことだ。」
「境界線を持つことはとても努力が必要。」
などと、間違った思い込みがあります。
理屈で「課題の分離」を理解しても、目の前の人に結局合わせてしまう。
しかも思い込みによって、課題の分離をしない自分は「優しさ」「親切」「遠慮」など、
頭の中でなんとなく美化してしまうこともあるんです。
はっきりさせておきましょう。
課題の分離そのものは、難しくありません。
そして課題の分離をしないことは、
むしろ「自己中心」「過干渉」「依存的」の方向へ向かっていきます。
他人に振り回されず、自分の心は自分で守ること
例えば、家の外にいるときは幸せいっぱいだったとします。
笑顔もあり、友人にも親切にしていました。
けれど家に買った途端に、落ち込んだり、イライラしてしまったとします。
家に戻ると床にゴミが散乱していました。
そして夫がダラダラとテレビを見ていました。
綺麗好きで、テレビは無駄!という価値観を持っている妻の場合、
「さっきまでの自分はいったいどこへ行ったの!?」というくらい、
人が変わったように気分が変わってしまうんですね。
自分の価値観を他人に当てはめたからです。
ガラッと外から家に入った瞬間に気分が変わるほどに、
夫に影響されてしまっているということです。
夫のせいでも家のせいでもないんですね。
同じ状況でも別の価値観を持った女性の場合は、
全く別の反応を選びます。
まして、心の中で「夫はこういう人なんだ」「彼は変われないんだ」
などと呪文のように繰り返して、いつまでも頭だけで肯定しようとしても、
今度は自分が疲れてしまいます。
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人は疲れたら、まともに動けないんですね。
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課題を分離して、相手の問題から離れましょう。
相手の問題に自分を合わせないことです。
幸せでルンルンで家に帰ってきたの、
その気持ちを大切にすることが、自分の仕事。
他人の課題は切り離し、自分事に集中です。
適度な距離を保ち、自分が幸せになる
人間は近すぎるとぶつかります。
顔と顔を近づけすぎると、相手のことも自分のことも、
よく見えませんよね。
個人と個人が共存し合うためには、適度な距離感が大切です。
人間関係の問題は、
関係性が物理的に/精神的に近づきすぎてしまっている
時に起きやすいです。
たとえば、物理的な距離が日本とブラジルくらい十分離れていても、
精神的に近すぎると問題が起きます。
相手は離れたいと思っているのに、もう一人が、心の中で、近づきたいと感じていたり。
相手の合意もないのに、実際に相手に近づこうとしたり。
現実の距離とのギャップに苦しくなってしまうのです。
物理的/精神的な距離感は、恨みつらみを抱きながら離れるのではなく、
自分が幸せになるために離れます。
親との距離感:親子の適切な境界線を持つためにできる3つのこと
離れることは勇気がいるかもしれません。
けれど、関わることで問題が生じやすい人に近づくということ自体が、
そもそもとても不自然なんですね。
不自然なことをし続けていると、どんどん心が苦しくなってしまいます。
不自然なことをやめていくだけで、心がどんどん軽くなっていきます。
すると、徐々に本来自分にあった人への親切や笑顔、明るさも、優しさも戻ってくるんです。
自分が課題の分離をすることに対して、相手に気を遣わなくて大丈夫です。
まして、自分まで課題の分離をやめて、「相手と向き合う」必要もないです。
課題の分離は、自分の幸せを守ること。
これが、結局周りも幸せにしていきます。
堂々と自分の幸せを優先してください☆彡
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