気持ちとの向き合い方

「2:6:2の法則」というものがあります。これは、相性の良い人が2割、普通の人が6割、悪い人が2割という法則です。

自分と相性が合う、合わないなんてことは、当たり前のことで、みんなと仲良くできるわけではないんですね。

一方で、「人から嫌われたくない」気持ちというものがあると思います。「人から~」の「人」という表現はとても曖昧な表現ですが、自分の周りにいる他人とか、普段から付き合っている関友人とか、そういう身近な人から、「自分が悪いように思われたくない」という心理ですね。

自分に自信がなかったり、自分をなかなか肯定できなかったり、すぐに自分を責めてしまうような人は、特に、この「人から嫌われたくない」気持ちは強く出てきます。

自分が自分を認められないから、受け入れられないから、だから、「他人から認められる」ことで、なんとか自分を満たそうとするんですね。ある意味、他人にとても依存的です。そういう人は、他人からの評価とか、賞賛とか、そういうものに価値を置きます。逆に人からの批判や反対、そういうものにはすごく敏感になって、抵抗したり、敵意を剥 ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

境界線というのは、どこまでが自分の責任で、どこまでが他人の責任なのかという”目に見えない線引き”です。この境界線が不明確になっている結果、本来入るべきではない他人の領域に踏み込んだり、本来入れるべきではない自分の領域に他人を招いたりすると人間関係の衝突が起きやすくなります。

とはいえ、境界線を持つということに、ネガティブなイメージや、何か違和感を感じていらっしゃる方もいるかとと思います。そもそも境界線を持つことにリスクはないのか?という恐れに向き合うために、境界線を持つリスクについて3つの視点から書いていきます。

リスク1:仲間を失うのではないのか

境界線を持つということは、「No」と言うべきことに、「No」を言うことです。健全でない友人関係を拒否します。図々しい人であったり、相手の都合を全く考慮せず、押しかけてくる依頼に対しても、そのまま受け入れたりはしません。境界線を持ち始めることによって、今まで開けっ放しで、誰でも入り放題にしていた扉をしっかり管理し、時に厳重に施錠し始めます。

「No」ということで、友人や同僚は嫌な ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

こころの栄養では、「境界線」の話をよくします。

境界線の基本は、次の2つ。

1)他人の領域に入らないこと
2)自分の領域に他人を入れさせないこと

です。

1)は、他人の境界線、他人の選択、他人の行動、他人の人格に入り込まない・・・つまり人を変えようとしないことで、2)は自分の選択、自分の行動、自分の人格に対して、人を受け入れない・・・つまり人に流されないことです。

人間関係の問題のほとんどは、他人の領域に入り込みすぎか、つまり変えられないものを変えようとしているか、自分の領域に他人を入れ込みすぎ、つまり自分を他人に明け渡してしまっていることで生じます。

だから、こころの境界線は、とても大切なんです。

今回は、2)について見ていきたいと思います。

自分の境界線に他人を入れさせない方法は、

スルー力

を高めることです。

でも、これはすごく誤解されがちで、

スルー=無視ではない

です。

家族の中に、アルコール依存 ...

悩みの正体, 気持ちとの向き合い方

家庭で、
職場で、

人から軽視されたな、
何か、軽く扱われたような感じがして、

とても傷ついた方へ。

たとえば、自分から積極的に「〇〇手伝いましょうか?」と言ったのに、
「他の人に頼んだから大丈夫だよ」と言われたり、

相手のことを思って、この日は出勤した方がいいと思ったのに、
相手は全然何も気にしていなくて、「休んで」と言われたり…。

そんな日常の些細なことでも、
繊細で敏感なあなたはきっと、心に振動を感じ、

「嫌だな、悲しいな、何か違うな。」

と感じてしまっているかもしれません。

責任感が強かったり、真面目であったり、
良かれと思って、先回りできる人ほど、
もしかしたら、こういう場面に幾度となく遭遇し、
傷ついてきてしまったかもしれません。

この言葉にもうまくできない、
何とも言えない思いは、とっても辛いですよね。

どうしてこういう思いになってしまうかというと、それは、 ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

シリーズの最終回です。

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①・・・「自分になっていくこと」について
「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること②・・・「自分の万能性を否定すること」について

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①の記事で、

人が脱いだもの、
人が食べたもの、
人がやるべき仕事、

本当は、心がついてきていないのに、
「私さえ我慢すれば」でやっていませんか?

本来守るべき、自分自身の境界線を放棄してしまうことは、
相手を無防備に、自分の中に受け入れることを意味します。

これは、愛でも思いやりでもないんですね。

どちらかというと、相手の境界線をも崩すお手伝いをしてしまうようなことなんです。
相手も本当は入ってきちゃいけないはずのあなたの領域に知らず知らずのうちに入りこんじゃうんですね。
ただ、これは別のトピックになりますので、また次の記事で書いていきたいと思います。

と書きました。

今回は、ここで書いた「別 ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

前回のテーマの続きです。

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てていくことは、自分の限界であったり、
自分の境界線をちゃんと守ることにつながります。

「私さえ我慢すれば」に続く言葉は、やはり、

できる

なんですね。

そして、この「できる」という言葉はとても肯定的で、可能性に溢れているような言葉に見えて、
実は、考え方によっては、危険な香りがする言葉でもあるんです。

というのも、

自分自身の万能性

を認めることになるからです。

自分自身が万能であると認識することは、心にとっては、
とても重いです。

「万能ではないのに、万能だと思う」
と言うよりも、
「(人は誰でも)万能にはなれないのに、万能であらなくてはいけない」
と思うことが、とっても重いんですね。

自分さえなんとかすれば、
自分さえ努力すれば、

できる

うまく回っていく

という思いの中には、自分への万能性を追求さ ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

「私さえ我慢すれば」という思いを抱えている方へ。
今回は同じテーマで、3つに分けて書いていこうと思います。

まず1回目は、「私さえ我慢すれば」の思いをちゃんと捨てることで、自分になっていくということについてです。

 

「私さえ我慢すれば」の思いは、心をとっても重たくします。なぜなら、私さえ我慢すればの後に続く言葉は大抵、「できる」なんですね。

私さえ我慢すれば、何かができる、何かがうまくいく・・・んですね。

特に家族に対して。配偶者や子供に対して。

すごく我慢して、犠牲を払っているあなたは、日々心が休まらない日々を送っているかもしれません。

こころの栄養は、境界線という考え方を大切にします。
「私さえ我慢すれば」という考えには、たとえ本当は自分が守らなくてはいけない自分の領域内においてでも、
相手に対しての自由を認めてしまうことであり、自分の境界線について、野放し状態なんです。

つまり、相手を「自分の領域」に入れ込んでしまっているんですね。 ...

境界線の引き方, 気持ちとの向き合い方

人の失敗を絶対に責めない方が良い理由は、

自分が本当に挑戦したいことに、ちゃんと挑戦できるような心を作っていく

ためです。

そして、人の失敗を責めないというのは、境界線がちゃんと機能しています。

人の失敗については、「心の中」でも、実際にでも、絶対に責めない方がいいです。

人の失敗を責める時、必ず、

「失敗=してはいけないもの」

という考えが、心の中に存在しています。

この考えは、他の誰でもなく、自分に対してもちゃんと適用される自分の価値観なんです。
この価値観は心をずっしり重くします。

人の失敗を責める人は、
間違いなく自分の失敗を責めます。

人に完全を求める人は、
間違いなく自分も完全であろうとします。

もしかしたら、職場や人間関係で、「あの人は、自分もできないくせに人にばっかり言う」
なんてことを思うかもしれませんが、

人の失敗を責める人は、自分ができないことを平気とは全然思っていません。
相 ...

悩みの正体, 気持ちとの向き合い方

やりたくないことをやらなくてはいけない時があると思います。

家庭で。
職場で。

やりたくないな・・・と思った瞬間、心はぐっと重くなるんですね。

もう嫌だ
やめたい

と。

だから、表情も曇るし、気持ちも下がっていきます。

やりたくない時に気分が下がる人は、
やりたいことをやっている時に気分が上がる人です。

だから、そのような人は、やりたいことをやることを好みます。

やりたいことをやって生きていくことに価値があると思います。
やりたいことをやって、自分らしさとか、最高の人生を創ろうとします。

一見、とっても理想的です。

でも、実は、「やりたいことをやる」ことが目的じゃなくて、
その先にある「自分の気分の向上」が目的だったりするんですね。

 

もう一度。

やりたくない時に気分が下がる人は、
やりたいことをやっている時に気分が上がる人です。

そして、気分が上がるのは ...

悩みの正体, 気持ちとの向き合い方

人に対してがっかりした時。

家族に対して。
上司に対して。
友人に対して。

色々あると思います。

今まで仲良く、親密に接していたのに、
がっかりしたことがきっかけになって、距離を起きたくなったり。

今まで積極的に話しかけていたのに、
話しかけるのをピタリと止めてしまったり。

「なんであんなことを言うの?」
「なんであんなことをするの?」
「なんであんな態度をとるの?」

色々とあると思います。

些細なことがきっかけになって、がっかりし、
失望するんですね。

なんで人に対してがっかりしてしまったかと言ったら、

期待していたから

なんですね。

いい人だと思っていた。
自分の味方だと思っていた。
助けてくれると思った。

何らかの期待が先にあったんですね。

そして、それが思わぬ形で裏切られた時、
相手は裏切っているつもりは何にもなくても、
自分と思い ...