人間関係の境界線

今回は、他人が自分の境界線へ侵入してきた時の対策法について、取り上げます。

まずその前に、境界線の基本は、次の2つです。

1)他人の領域に入らないこと
2)自分の領域に他人を入れさせないこと

です。

1)は、他人の境界線、他人の選択、他人の行動、他人の人格に入り込まない・・・つまり人を変えようとしないことで、2)は自分の選択、自分の行動、自分の人格に対して、人を受け入れない・・・つまり人に流されないことです。

人間関係の問題のほとんどは、

1)他人の領域に入り込みすぎ、つまり変えられないものを変えようとしているか、
2)自分の領域に他人を入れ込みすぎ、つまり自分を他人に明け渡してしまっているか、

で生じます。

だから、境界線は、とても大切なんです。

今回は、2)について見ていきたいと思います。

自分の境界線に他人を入れさせない方法は、

スルー力

を高めることです。

でも、これはすごく誤解されがちで、 ...

悩みの正体

「やりたいことがわからない」と思って、何か頭の中で悩んでしまっていることはありませんか?

人生の大切な時間を、「やりたいことがわからない」と延々と悩んでしまうのは、時間がもったいないですよね。できるだけ早くこのような不快な感情を取り除きたいと思うかもしれません。

今回は、「やりたいことがわからない」という感情について取り上げます。

「やりたいことがわからない」気持ちがある時のアプローチの仕方

「やりたいことがわからない」という言葉に結びつけるものは何でしょうか?

仕事でしょうか?それとももっと大きくて、人生でしょうか?

それとも直近の週末のことでしょうか?もしくは数か月後にやってくる長期休暇のことでしょうか?趣味でしょうか?家族のことでしょうか?

「やりたいことがわからない」と思う時は、自分はどのスパンで、そして何のことについて、思いを巡らせているのかということを明確にすることは、とても大切です。

そして、「やりたいことがわからない」を考えて悩んでしまっている時というのは、多くの場合、

...

シンプルに考える

完璧主義をやめるには、完璧主義のデメリットと、完璧主義をやめるメリットを考える必要があります。何かをするときは、それをするメリットと、それをしないデメリットがはっきりしていると、行動に繋がりやすいです。

完璧主義のデメリット

デメリット1:白黒思考になりがちになってしまうこと。

完璧主義の傾向が強いと、優れているもの、よいもの以外は全部ダメと捉えてしまいがちです。例えば、毎朝7時前に起きると決めて、7時10分に起きてしまったら、今日は、目標通り起きられなかったと考えてしまいます。7時前なら、7時前以外全部ダメとしてしまうんです。

本当は、毎日7時半に起きていて、7時10分になっただけでもすごい話なのに、こういうのを受け入れず、肯定しないので、目標達成がとても難しいものになってしまいます。

白黒思考になると、白以外は全部黒としてしまうので、物事の選択肢と可能性が狭まってしまいます。実は視点を変えれば、世界はもっと広くて、沢山の色で溢れているのに、全部自分で締め出してしまうんですね。もったいないです。

デメリット2:焦りが多く ...

悩みの正体

家族に対して、友人に対して、心の中で、もしくは面と向かって、

「あなたにだけは言われたくない!」と思う時。

今回はこの気持ちの正体について取り上げます。

押しが強すぎるとか、
ゲームばっかりするなとか、
デザートを食べ過ぎるなとか、
何を言っているかわからないとか、

もしかしたら、相手が言っていることは、とっても些細な日常のことかもしれません。

でも、その相手に対し、心の中で、

「あなたにだけは言われたくない!」

という思いがわいてくるのは、

「あなたの○○という問題よりは、私の問題の方が、全然ましだわ!!!!」
「世界中のほかの誰が言ってきてもいいけれど、あなただけは下がれ!!!」

みたいな思いが心の中にあったりするんですね。

理由はいくつかありますが、今回は3つ取り上げます。

相手の言葉に傷ついて、心が防衛反応を起こしている

まずシンプルに、相手から言われた言葉に傷ついたからです。

傷ついた場合、相手がだ ...

悩みの正体

他人の失敗を責めない方が良い理由は、

自分の失敗を受け入れやすくなる

からです。

他人の失敗を責めないというのは、境界線が機能しています。

他人の失敗については、「心の中」でも、実際にでも、責めない方がいいです。こう書くと、立場上という言い訳が出てくるかもしれません。親の立場上、上司の立場上、妻の立場上…。こころの栄養では、立場上、他人の失敗を責めていい理由もなしです。立場上、指導することはできるかもしれません。立場上、励まし支えることはできるかもしれません。立場上、協力し、赦すことはできるかもしれません。立場上、改善点を一緒に探すことはできるかもしれません。でも、立場上、他人の失敗を責めていい理由はありません。

こころの栄養を読んで下さっている方は、自分のこころについて真剣に取り組もうとする人だから、実際に他人の失敗を責めるなんてほとんどないと思います。なぜなら、人の気持ちとか、結構、読み取ろうとする人だから。こころの栄養は、心の話です。ほとんどの場合が、自分の「心の中」で、他人の失敗を責めます。他人を裁きます。

シンプルに考える, 悩みの正体

自己欺瞞という言葉があります。辞書を調べると、次のように書いてあります。

1、自分で自分の心を騙すこと。

2、自分の信条や良心に背いたことを無意識で行う場合にも、意識しながら強いて行う場合にもいう。

(精選版 国語大辞典)

1について、まず、自分自身を騙すというのは、自分が誤りをした場合、間違った場合に、問題を正当化すること、これは、自分自身を騙すことに繋がります。あの人のせいで…とすることで、自分の問題を騙す、なかったことにする、人の問題にすり替えることができます。騙すというのは、嘘をつくことではありません。騙すというのは、嘘を本当だと思い込ませることです。

2については、まず2種類あるということ。一つが「無意識」の時。つまり、自分の良心などに背いているということすら、気づいていない状態。「なんでこんなに苦しいのかわからない」、「なんでこんなに怒っているのかわからない」という得体のしれない心の葛藤を抱く時は、この「無意識」の分類によく当てはまります。

そして、もう一つが、「意識しながら」の時。これはまさに、 ...

心理・思考

悩みや問題がある時に、

自分がどれほど大変で、どれほど苦しくて、どれほどしんどいか

について、自由に話せますか?

私は、自分の痛みをあまりオープンに話せるタイプの人ではなかったです。私自身は、自分の心と向き合う中で、少しずつオープンになってきましたが、とにかく自分をガチガチに防衛をしていたタイプでした。

痛みも弱さも何も言えなかった自分が長らくありました。

とても精神的には窮屈だったと思います。

もし、誰か聞いてくれる人がいて、こんなことが痛い、こんなことに苦しんでいるとオープンに話せる機会があるなら、ぜひ、話をしたほうがいいです。

心の内にある感情は、正直に出せるものは出した方がいいからです。

そして、自分の痛みや問題に向き合った後は、次に考えることは、

「これからどうしていきたいのか」

です。

この質問がないと、なかなか先には進めないからです。

同時に、この質問は、そんなに簡単に即答できるものでもないかもしれません。

シン ...

シンプルに考える

今回は後悔に対する気持ちです。

後悔していることはありますか?昨日後悔していること、つい1時間前に後悔したことでもいいです。

私自身は以前後悔していたことに、大学で経済学部ではなく、文学部を選べば良かったとということがあります。

でも、それは後付けの後悔です。

何十年も時間が経って、経済学よりも別の進路を選んだ自分がいたというだけなのに、それをぐーんと過去まで戻って、「後悔」に結びつけていたんですね。

本当は後悔ではなくて、「進路変更」をしたが正しい言い方なんですね。

でも、そういったものに「後悔」という風に結びつけてしまうのは、完璧主義が隠れています。

つまり、自分の人生は、最初から、思い描いた通りにミスなく、一切の遠回りもなく、最短距離のみを完璧に歩みたいという完璧主義です。

表現を見るだけでも、随分と窮屈な感じがしますね。

完璧主義をやめるには?完璧主義のデメリットとやめるメリット

そもそも大学の選択など、高校生の時の考えです。その時は、経済学に興味があっ ...

悩みの正体

今回は、頂いたメッセージに回答します。

はじめまして。こんにちは。
私はプライベートでは、ひとりで過ごすことが多く、そして、それが何より楽なのです。
なのにです。職場や、公の場になると、社交的で、場を盛り上げたりしています。
すごく疲れます。
スイッチが切り替わるのか、無理に切り替えているのか、もはや分かりません。
性分と言えばそれまでなのでしょうが…。
気持ちが疲れてしまい、オフはほとんど何もできません。悩みです。

アドバイスをいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

                                (40)

40さん、はじめまして。こんにちは。

プライベートで、お一人で過ごされる時、それが何より楽と思われているのですね。

でも、職場や公の場になると、社交的で、場を盛り上げられる40さんになるんですね。

まず最初に、社交的で場を盛り上げるということは、誰もができることではありません。

そ ...

人間関係の境界線

シリーズの最終回です。

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①・・・「自分になっていくこと」について
「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること②・・・「自分の万能性を否定すること」について

「私さえ我慢すれば」の思いを捨てること①の記事で、

人が脱いだもの、
人が食べたもの、
人がやるべき仕事、

本当は、心がついてきていないのに、
「私さえ我慢すれば」でやっていませんか?

本来守るべき、自分自身の境界線を放棄してしまうことは、
相手を無防備に、自分の中に受け入れることを意味します。

これは、愛でも思いやりでもないんですね。

どちらかというと、相手の境界線をも崩すお手伝いをしてしまうようなことなんです。
相手も本当は入ってきちゃいけないはずのあなたの領域に知らず知らずのうちに入りこんじゃうんですね。
ただ、これは別のトピックになりますので、また次の記事で書いていきたいと思います。

と書きました。

今回は、ここで書いた「別 ...